無題放免

バンドやってます。

風が吹けば

2016-01-12 | つれづれ



まだ20代だった四半世紀くらい前のイギリスの映画です。
核戦争の悲劇を描いた映画という触れ込みだが、主題歌がデビット・ボウイ、音楽監督にロジャー・ウォータース、他の挿入歌にジェネシスetc..という英国ロックの重鎮が参加しているというのに惹かれて見に行ったのである。
鑑賞したのは伊勢佐木町の裏通りの小さな小さな、手をかざせば影絵ができそうな名画座みたいな映画館で平日の昼間に一人で。
衝撃だった。
衝撃というか、見終わった後にどよ~んと澱の中に沈んでしまった。アニメなのに。物語の前半は柔らかいアニメのタッチ同様、年金暮らしで人里離れた田園に住むのほほんと老後を楽しんでいる老夫婦の日常を必要以上に淡々と描いていく。どこか日本の郊外の春風駘蕩とした雰囲気に似ている。そんな普通の日々がラヂオからけたたましく聞こえてきた「3分後に核爆弾が~」を境に世界が変わる。どう変わるかは見たほうがいい。どうも映画評は苦手らしいわ、俺。とにかく、思いっきりゆったりとした時間経過の中でたんたんと老夫婦の変化を描いているのが逆に恐怖感、悲惨さを倍増している。さらに倍。。
見ている最中、すっかり音楽のことは忘れていた、というよりもどの曲も効果的にこの物語の中に溶け込んでいるのだ。映像とブリティッシュロックが見事に融合している。イギリスのロックってすげえな。
デビット・ボウイの歌って映像的で曲が始まるとリズムもメロディも超えてデビット・ボウイの世界がそこにある。この映画の主題歌は曲単体で聞くとデビット・ボウイそのものだけど劇中にかかると映像と一体化する。すんげえ才能。恐れ入る。
この日本語版は見ていないのだが、日本語版の監督が故大島渚なのは戦メリからのつながりなのでしょう。

偉大なるロックスター、まさしくロックスターが逝ってしまいました。RIP

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