
午後1時から千葉市議会2022年第1回定例会が開会しました。市長から当初予算案の説明、補正予算、条例などの提案が行われた後に、日本共産党千葉市議団を代表して、もりた真弓市議(花見川区)が、「心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部改正」について、提案理由の説明を行いました。内容は、精神障害者保健福祉手帳の障害等級が2級である者に対して医療費の一部を助成しようとするものです。
現行の条例では、身体障害は1級から3級までの障害がある者、知的障害は知能指数50以下の者に対し、医療費の一部を助成していますが、精神障害は1級である者のみとなっていることから、精神障害者の保健と福祉の増進を図るために、助成対象を2級まで拡充しようとするものです。
1918年、日本の精神医学と精神医療の創始者として知られる当時の東京帝国大学教授・呉秀三(くれしゅうぞう)の著書の言葉「我邦十何万ノ精神病者ハ実ニ此病ヲ受ケタルノ不幸ノ外ニ、此邦ニ生レタルノ不幸ヲ重ヌルモノト云ウベシ」を引用し、精神障害は、身体障害・知的障害とは違う偏見があり、差別があることを指摘しました。
千葉市の精神障害者保健福祉手帳2級を取得している人は、約5,400人いる言われており、この条例が実現すれば、推定で年間3億8千万円必要です。すでに名古屋市や相模原市などでは、2級である者に対し、独自に医療費の一部を助成しています。
もりた市議は、「本来、精神障害者への医療費支援は、国が責任を持って行うべきものですが、国の制度が整うまでは、自治体が責任を持って対応するべきです。排除する社会は弱い社会。精神障害者への偏見・差別を軽減し、その人が生きる人生を輝くようにするための条例提案です」と述べ、各議員に賛同を求めました。
この条例提案は、3月8日(火)の保健消防委員会で審議されます。