おむすびと天然水の交換♪

おにぎりをもらった。

よくお店の前を通りかかるお客さん。
今日も顔がみえたので、「こんにちは～♪」と挨拶。

すると、店の前で、もぞもぞと、いつものように荷物を探す。
「いいものやる。」
「え？」
「いいものやるよ。あんた安曇野だろ？
　長野から米送ってきた。新米。
　今朝五合炊いて、おにぎりつくってきた。
　塩結びのもあるが、これは梅とゴマだ。」

まだ暖かい、丸いおにぎりは、
優しく握られて、お米好きであることがよくわかった。

よく、バナナが安いときに沢山かっては、
何本か置いていくお客さん。
とても裕福そうには見えないおばさんは、
聴けば梅干にも、米にも、かなりのこだわりがある。

そして、近所の子供達にバナナを配ったり、
店の周りで顔見知りのおばあさんがいたらあげようと思って…と
神戸から取り寄せたというカステラを、

「こりゃ、めずらしーど～。めったにゃあ食えない。」と、

私にまで、ど～んと厚く二切れくれたりする
明るくて、気前のいいおばさんだ。

いつからかな。
たまに私のところにも
たまに置いていってくれるようになった。

…

貰ってばかりで悪いと思うけれど、
いつ通りかかるかわからないし、
下手にお礼をしても、
他人行儀で（他人だが）ギクシャクするので、

最近は、笑顔でお礼をいって、
孫の様に（本当は子供の年？）
屈託無くいただく事にしている。


でも、今日は、いいものを思いついた。
前日の夕方、実家の近くの、
日本名水１００選にもなっている
安曇野の水を、幾つかのペットボトルに汲んできて、
今　冷蔵庫にあるのだった。

そこで、お昼に家に帰ったら、
持ってくることになった。
初めは遠慮していたおばさんも、

「そうか～？　
　そんな遠くまで汲みにいけないもんな～～。」

と、喜んでくれたので、

今日はおむすびと柿の種…ならぬ、
天然水の交換となったという訳。

…

お昼に、早速おにぎりを頂いた。
適度な塩加減、控えめなゴマの存在感、
優しく握られたふっくらとしたお米達は水分を含み、
そして、たぶん紀州の梅が入っていた。

「うめ～～♪♪」

最高のおむすびだったな～♪
住所も知らないおばちゃんが握ったおにぎりを頬張りながら、

なんかいいな～、こういうのって。
贅沢だな～～…と思った昼下がりでした。

おわり

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