yuzuの記

優しい風に誘われて

旅の終わり ( 北海道礼文島 )

2021-03-26 11:20:41 | 

 

                                    稚内を目前に見えてきた礼文島

先日、大和田獏さんが旅番組で

忘れられない旅という事で礼文島の話をされていました。

泊まったYHでみんなで歌った歌が忘れられない と。

そんな話に私も思い出したことがありました。

 

                                          長い風力発電の道

もう30年以上昔の事、

今では家族のような付き合いになったT君が

当時、大きな試練に見舞われていて

夏休みを利用してバイクで北海道を走りに行きました。

「 ちょっと走ってきますわ 」

共に苦労した大事な仲間です。

少し心配だったので立ち寄ると言っていた礼文島から

絵葉書を送ってほしいと頼みました。

約束通り礼文島から届いた絵葉書には

「 いい歌に出会いましたよ 」とあり安心したものです。

この歌だったのですね。

 

                                   島の山に分け入り咲いていた薄雪草

その歌は礼文島の桃岩壮YHで40年以上歌い継がれている

「 旅の終わり 」 という昭和のフォークソングです。

 

夢のような旅だった。

遠い北の国の

僕は旅の喜びと旅の辛さを知った。

北の国の少女たちと過ごした夢のせつな

今日は君もほかの街へ僕もほかの街へ

こんな辛い旅はもう嫌だ

旅を終わろう 汽車に乗ろう

 

人と人の出会いなんて

いつも別れで終わる

僕は君のくれた夢を明日も持ち続けよう

こんな辛い旅はもう嫌だ

旅を終わろう 汽車に乗ろう

こんな辛い旅だけど

強く生きる事を知った 旅の終わり

 

( 礼文島YH の歌 旅の終わりで検索できると思います。)

 

夜、歌詞カードを手にみんなで集まり一緒に歌ったその歌は

ピュアな心に深く届いて

忘れられない瞬間になったのでしょうね。

昭和のフォークソング・・・染み入りますねぇ。

 

 

翌朝、稚内に渡る船に乗ると

港にひときわ目立つ見送りの若者たちがいました。

聞くと、YHで共に歌った人たちのようで

一足先に本土に戻る仲間を応援しているのだとか・・・

「頑張れよ~ 応援してるぞ~ !! 」

こんな渾身の力で叫ぶ見送りは見たことがありませんでした。

思わず目がしらが熱くなる思いがしたものです。

多分YHでたまたま一緒に歌ったふれあいなのでしょうが

それぞれ異なった場所へと帰っていく仲間への思いですね。

同じ時代、同じ瞬間に同じところでのすれ違いなのに

青春ていいなあ、純粋でいられる時代っていいなあ・・・

この人たちは当時、青春の真っただ中にいたのですね。

 

 

船が本土へと向かって行く間

ずっとユリカモメが追って来て

彼らの見送りを引き継いだようにも思えました。

彼らは旅の途中できっと

辛いのは自分だけじゃない、明日へと頑張って行こう と

同じYHに集った仲間たちとあの歌から

何かしら力を貰ったのでしょうね。

 

                               今日の写真は全て過年に北海道を1周したときのものです。

 


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