yuzuの記

優しい風に誘われて

「砂の器」 の舞台の地にて ( 木次線 )

2016-08-22 19:25:29 | つれづれ

 

 

お墓参りのついでに足を延ばして 奥出雲を訪ねてみましたよ。

折から、宍道から木次間を走る木次線が100周年ということで

「おろち号」目当てに沿線を走ってみました。

 

 

道路からちょっと入ると トンネルから 出て来る電車に出会えました。

蝉の大合唱がつんざくようで 汗がしたたり落ちます。

それでも かすかにゴトンゴトンとレールに音がし始めると

期待とワクワク感が一気に沸き起こります。

電車を撮る醍醐味なのでしょうか ^-^

 

 

 

「おろち号」が10分間停車するという 出雲坂根駅に行ってみると

ここは延命水でも有名で 水を汲みに来る人も多いのだとか。

 

 

やってきました。おろち号です。

この駅でスイッチバックして折り返すそうなのですが

乗客は10分間の停車中、自由に駅の周りを見て回ったり

おろち号と写真を撮ったりしていますね。

 

 

綺麗なすっきりとした車両が映えています。

 

 

木次線に沿って 目的の「砂の器」ゆかりの地まで走ってみると

 

 

着きました。亀嵩駅( かめだけえき ) です。

ここは 松本清張の推理小説 「砂の器」の舞台の一つであり

映画の撮影も この地であったそうですが

亀嵩駅としてはは ほかの駅舎を使ったそうですね。

少年が 当時忌み嫌われたハンセン氏病にかかった父親と

石で追われるようにしてふるさとを後にして

各地を物乞いをしながら流浪するのですが

ここ 奥出雲にたどり着いて、親切な巡査によって

父親は隔離施設に入れられ、少年は巡査に引き取られます。

それでも父が恋しい少年は ここも逃げ出し

それから長い長い物語が展開します。

後年、名も変え成功した主人公の前に ただ懐かしく巡査が現れ、

自分の出自と過去を知る恩人との再会が

運命を大きく狂わせていくストーリーでしたね。

 

亀嵩駅を前に ああ あの親子はこんな辺鄙なところまでたどり着いて

身を寄せ合うように 雨露をしのいでいたんだな・・・

まだハンセン氏病が 感染しない病気だと分かっていない時代です。

父の風貌から 社会から拒絶された親子が

どんなに厳しく辛い道程をたどったのか・・・

何度も何度もみた映画のシーンが蘇ります。

巡礼姿の親子の 四季のシーンはそれは切なく美しく見事な映像でした。

 

 

亀嵩駅の中にある蕎麦屋さんには

「砂の器」出演者や 作者松本清張など 数多くのサイン色紙が飾ってあります。

緒方拳さん( 巡査役 )  まだ若かったなぁ ^-^

 

 

ほど遠くないところに

「砂の器」の碑があると聞いて行ってみたら

松本清張自筆の碑が 湯野神社すぐ横に建っていました。

 

 

単なる推理小説ではなく

松本清張の 社会派小説であることが重く伝わることです。

生きるには それは厳しい時代背景があったことを思います。

 

 

この日、木次線の普通電車は 鶏頭の咲く無人駅を

そろりと出発していきましたよ。

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4 コメント

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おろち号追っかけの鉄ちゃん♪ (pikao)
2016-08-24 18:36:15
こんにちは^^
「おろち号」100周年目当てに沿線を走りましたか
ホントに綺麗なすっきりとした車両ですね☆
松本清張の小説「砂の器」の撮影の地… 
映画化されたの観てpikaoは主人公の宿命に涙しまた
巡査役の緒方拳の際立った場面をよく覚えてますよ
生きるには厳しい時代背景といい
偏見の悲しい場面を清張は訴えたかったのでしょう
yuzuさんが上手に解説されてるので思い出しました^^v
返信する
ゆかりの地 (yuzu)
2016-08-24 19:34:02
pikaoさん こんばんは~ ^-^

見ていただいてありがとうございます。
おろち号の追っかけでしたが 流石に暑かったです。
でも 亀嵩駅に立った時には 何とも言えない気持ちになりましたよ。
砂の器は4.5回見たように思います。
物語の重要なキィーワード、「かめだ」 は この地域の事でしたね。
うんうん 緒方拳さんの 優しい実直な眼差しが
この映画の 「良心」 として光っていましたね。
大好きな役者さんです。^-^

小説でも映画でも歌でも ゆかりの地を訪ねてみることの
なんていいことなんだ。。。と 思うことでしたよ^-^
返信する
絶滅危惧種?木次線!! (おっちゃん)
2016-08-27 10:48:23
こんにちは~

今日は連日の暑さから少し解放されています
台風10号の動きが気になりますが・・・

おろち号の追っかけですか?乗車はしなかったのですね
アングルのこだわりなど見てるともう立派な撮り鉄女子ですねえ^^
木次線は一時廃線の話もありましたけどまだまだ存続していてほしいですね
終点の備後落合駅はよく比婆山や県民の森に行くときに通ります
以前、山陽本線、呉線、芸備線、伯備線、山陽本線と乗り継いで12時間かけて一周した時
何もない備後落合駅で一時間以上も長~い乗り継ぎに参ってしまった事を思い出します
また今度機会あれば「おろち号」に乗ってみたいと思いま~す!
返信する
山ばかりで何もない。。。 (yuzu)
2016-08-27 22:29:31
おいちゃん こんばんは~ ^-^

うんうん 木次線に限らず 全国のローカル線は
廃線の危機にあるところが多くなりましたね。
今回の台風で 日高本線など気がかりなことです。
山間の路線だったり、海辺の路線だったり
廃止になると たちまち生活の足を奪われてしまう
高齢者の方たちが 途方に暮れる姿が心配です。

おいちゃん、乗り鉄してたんですね。^-^
時にはいいものですね~ 。
おろち号 私も乗ってみたいと思いましたよ~ 。
走るのは 山ばかりで何もない場所が多いけれど
なんか。。。ロマンですね ^-^
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