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栃本関跡

2010年10月09日 | 埼玉県
所在地:埼玉県秩父市栃本1623

山梨県甲府市と埼玉県秩父市の県境に近い山腹にある栃本関跡。

江戸幕府は、関東への「入り鉄砲」と関東からの「出女」を取締まるため
主要な街道に関所を設けた。栃本関は、中山道と甲州街道の間近である
秩父住還の通行人を取り調べるため設けられたもので、その位置は
信州路と甲州路の分岐点になっている。

その始まりは、戦国時代、甲斐の武田信玄が秩父に進出したとき関所を置いて、
山中氏を任じたと伝えるが、徳川氏の関東入国以後は天領となり、関東郡代伊奈
忠次が慶長19年(1614)大村氏を藩士に任じたという。以後、大村氏は幕末まで
藩士の職を代々務めた。しかし、藩士1名のみでは警備が手薄であったため、
寛永20年(1643)、秩父側の大滝村麻生と甲州側の三富村川浦とに加番所を
付設して警固を厳重にした。したがってその後、栃本関を通行の者で秩父側から
行く者は、まず麻生加番所で手形を示し印鑑を受けて栃本関に差出すことに
定められた。関所の役宅は、文政元年(1818)と文政六年(1823)の二度に
渡って焼失し、現在の主屋は幕末に建てられたもので、その後二階を建て増し
するなど改造されたが、玄関や上段の間、および外部の木柵などには、
関所の面影をよくとどめており、国指定史跡となっている。

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