Salsa する?

Salsaの力を信じてます。
ココロの核にしみ込んで、カラダの芯が躍動します。

12年ぶりのサンタクロース🎅

2021-12-25 14:36:41 | サルサ



先週、ボイストレーニングのLINEからお知らせが。
某テレビ局のスペイン語講座で、
レゲトンをやる。。という内容だった。
で、
ダンサーは、ワタシのかつてのキューバンサルサの師匠。
元気で、活躍してるんだぁ・・・と想うと同時に、
師匠がどう変わってるか、見たい!!という欲望があった。

師匠は
大雑把なようで、物凄く繊細。

子育てと仕事に追われる主婦の生徒たちへ

『オンナの人は いつもイイ匂いで

    ばらの花のように いなきゃいけない』と言い放っていた。

主婦にとって、忘れてた非現実的な言葉は、
ほら!始まったーー的にしか受け取られていなかった。
単に、
師匠の若さゆえの超ロマンチスト、、
としか生徒たちには映らなかった。

止めは
なにかトラブルに直面しても
『なんとかなるよ。。』としか言わず、
生徒の不満やイライラは、粉雪のように着実に積もって行った。

その時は、
自分たちとの生活環境や習慣、家族愛の違いなど理解出来ず、
師匠との溝は深まる一方だった。

あれから、、、12年。
テレビの画面に映し出される師匠は、
見た目は一ミリも変わらなかった。
その驚きは、ワタシにはショックだった。
想定外…過ぎたから。


🎅 12年ぶりのサンタクロース 🎅

師匠の体形も声も、全く変わらず。
ロマンチストな言葉も同じだった。

相変わらず、超お洒落で、
動かす筋肉も、
いつも真後ろで、具に見ていたあの時間に戻ったかのよう。

テレビの中で踊る姿は、
中年の悲哀はなく、
この12年間、
一生懸命駆け抜けたのだろうと想像ができた。

外国人であるが故の差別や苦労は、想像以上にある。

国語辞典を持ち歩き、空いた時間に勉強し、
Xmasには、日本語で書かれたカードをくれたり。


師匠の『なんとかなるよ。。』には、
見えない努力と
彼の信仰する神様(キューバ人は、一人一人に自分の神様がいる)が、
しっかり根付き、揺るがないモノがある。

日常に埋もれてしまう自分らしさや、女性としてのしなやかさを、
家庭に入ってるワタシたちは、二の次にしている、、
そんな微妙な澱みに気づいていたのは、師匠だったんだと思えた。

テレビの中で、楽し気に踊る師匠に、感謝の気持ちを込め、

 いつまでも
 ばらの花ようにいられるよう 頑張るよ💝と誓った。





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煩悩の万華鏡 垣谷美雨/老後の資金がありません 夫の墓には入りません 夫のカノジョ

2021-12-21 20:01:01 | 



朝、洗面所から
左大臣の『あ””ぁぁぁぁぁ------』という嘆きが轟いた。
彼の前歯が突然折れたのだった。
この5年間、
歯医者の柱一本くらい貢献したと思われるほど、
家人の歯はガタガタの状況。
超高額のインプラント2本とブリッジなどの支払いが、
まさに終わったばかり。
我が家の家計は、
居住22年のマンションのリフォームと歯の治療費で、
家計のイテテテ感はハンパじゃなかった。

なのに、間髪入れずに前歯が・・
折れた前歯はショウガナイ!と気持ちを立て直したはずが、
歯科医の診立ては、左右4本差し歯にという強烈なボディブロー。。
結局、
入歯はヤダ!!!という左大臣の抗議に、
またもやスペシャルな差し歯を作ることに。

予期せぬ大出費・・・
小説の世界で笑い飛ばしていた物語が、
マジで我が家にも降りかかってきた。
 日本国民を絶望させたお国の指標は、、
 老後、年金支給+2000万円=80歳くらいまでの必要経費。

ふと思い出したのは、垣谷美雨さん「老後の資金がありません」
読めば、
ハラハラドキドキで、こりゃ大変だ~~~と、他人事だった。
ワタシの老後の見取り図には、
物も劣化するが、自分たちも劣化
=預貯金大出費の現実を掴み切れていなかった。

家もある
ローンなし
我が母は介護施設
今のところ、身体機能は低空ながらも日常生活を送れている
左大臣も超肥満だが、なぜか元気。
猫家族と楽しく暮らす日々

コレを憂うのは、どう考えてもオカシイ、、かもしれない。

普段から物事を斜に見ているはずの自分が、
<老後>という寂しい響きに、煩悩の万華鏡が反応してしまった。。
まるで垣谷美雨の小説の主人公のようにだ。

◇男はきっと読めない、、垣谷美雨の物語◇

垣谷美雨さんの物語に魅かれるのは、
全ての人が抱える煩悩を、小細工せずに書き上げるところ。

難しい言葉や美しい修飾語で綴らず、
<突撃隣の晩ごはん>的な描写は、
女性の視点でバッサバッサと斬りこんでいく。

嫁・姑の微妙な空気感。

嫁いだ日から感じる、血の繋がらない家族との外様感。

なのに、
一緒の墓には入らなきゃいけないという葛藤。

夫の不規則な行動に、不信感を募らせる日々やら。

この難問は着地点がなく、どこかで折り合いをつけないといけない。
ココをお見事に描いたのが、この三冊。
軋みながらも、なんとか回っている家族が、
死別・子供の独立・優しい嘘から歯車が狂いだす。
普通の家族が必死に隠したい内情に、読者の走馬灯も回りだす。

垣谷美雨の見事なスパイシーな手法で・・・


🔰「老後の資金がありません」

超高級介護施設に入居の姑、
長生きしすぎて何億もの老後資金が尽きた。
長女と嫁のすったもんだの駆け引きの末、
長男夫婦の家に姑が同居することに。
嫁と姑の微妙な空気感でお互いが息も詰まる思いだった。
が、ひょんな事から
二人は家計の苦しさを脱するため、
詐欺まがいなことでお金を手に入れる。
この事がキッカケで、
枯れ木のような姑は不思議な活力を取り戻し、
嫁姑には罪悪感より強い連帯感が生まれた。
このままデンジャラスゾーンに突入するかと思いきや、
自分たちの迷走の間違いに気づき、家族の再生に向かっていく。

このデフォルメ感が凄いけど、心に光が射す。
今こんな閉塞感を持つのは、自分たちだけではないと。
是非とも男性にも読んで欲しいかな。。

💎「夫の墓には入りません」

嫁ぐ女の宿命は、最終的に夫の家の墓に入ること。
骨だからカンケ―ないっしょ!っと思えない、
長ーーーーい確執と人間模様がある。

いい嫁は理想だが、
実は、
いい嫁=使える都合良い女とも言える。

当たり障りのない夫婦生活が、
ある日
夫の急死で、結婚当初から夫に秘密があった事を知る。
夫婦は一番近い存在だが、
秘密は一番知られたくない存在なのかもしれない。
夫の死が齎す、一人身の女への世間の漬け込み方にゾッとさせられる。
色んな他人の思惑を肌身に感じ、
いい嫁から、本音で生きたいと願う妻の心の変化。
女が強くなるのは、無理もない、、と思えるのだ。

そして
樹木葬を望む人が多くなってきてるのも、分かる気がする。

♛「夫のカノジョ」

垣谷美雨作品を色々読んだが、一番好きな物語。
使い古された設定だが、
妻と夫のカノジョと思しき二人が、魂が入れ替わる。。ヤツ。

結婚も長くなると、相手の良かった所も日常に埋もれ忘れてしまう。
そんな時、
夫の行動に不信感を抱く妻。

浮気?!


妻は直接対決しようとカノジョを呼び出し、
いざこざする内に、とんでもない天罰が下る。
なんと二人は、入れ替わってしまう。

妻とカノジョは、
お互いの生活や夫の仕事、苦境やその背景を知ることに、、

お互いの見た目は、淡々としてたり、突っ張ってるようでも、
見えない部分では必死に踏ん張っている。

妻もカノジョも入れ替わって色んな物事が見え始める。
二人は、初めて本気で生きようと足掻き始め、
妻は夫への曖昧な気持ちが、リスペクトに変わっていく。

小説は架空の出来事なのに、なぜか身に覚えのある事ばかり。。
垣谷美雨さんの物語に、諭された。
輪郭のない不安は、なるべく持たない方が幸せなんだと。


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第一章/超人ハルクの世界観 林真理子「正妻 慶喜と美賀子」

2021-11-18 16:48:30 | ドキュメンタリー・その他

毎年この時期になると、ワタシの本読みは拍車がかかる。
それは
元旦に決めた<作家60人読む>を、達成するための足掻きでもある。
で、
大晦日に読書記録を開くと、
ずらーーーと書いた著者とタイトルに
『あれ  この話なんだったかなぁーーー」と首をひねる。

切り取られた日常の物語りの中のカケラすら、
小さな脳みその襞に残っていない。
チョットした時間を見つけては読んだ、あの時間は浪費か、、と驚き、
少なからずショックでもあった。

面白く読んだはずが、時間の経過と共に記憶から遠ざかり、
書き手が綴る言葉の脆さと筆力の違いに戸惑った。

なにが違うのやろか。。。。。
その時、
二年ほど封印していた作家の本を無性に読みたくなった。
そのお方は・・・一度しっかりキライになった、、林真理子さんだった。
どうやら
<別れても好きな人>的なモノが、ずーーーとあったらしい。
それは、林真理子という作家の筆力に抗えない魅力があったからだ。

良し!林真理子の本を!!と勇んで
図書館の棚を覗きに行くと、ほとんどの本は貸し出し中。
ちんまりと七冊だけが、
「わてら、人気ないんどすぅ~」と云わんばかりに並んでいた。
その中に、なぜか二冊上下巻も揃い、お茶っぴきと思しき本が・・・

『正妻 慶喜と美賀子』は、しっかりとした厚みのある本だった。
家政婦は見た的な物語りは、
覗き見するような、俗まみれのワクワクがある。
一方で実在した人物の物語となると、
時代考証でしっかり肉付けされた文章は、読む努力が要る。
分厚いし、二冊となれば尚更だ。
が、
大好きな江戸時代、
しかも徳川家のドロドロの沼の譚とくれば逃すはずもない。
そして、
読み進めて直ぐ、林真理子の超人ハルクの筆力の凄さで、
あっという間にドロドロ沼に飲まれた。

◇江戸好きの ひとり言。。◇

なぜ、ワタシが江戸時代が好きになったかという理由が二つある。
江戸時代を語ると止まらない、故杉浦日向子さん。
杉浦さんは、まるで見てきたかのように熱く、楽し気に、
江戸の庶民の生活や恋愛事情・美しく粋な風情を語った。
その視点は、
ワタシの好奇心を膨らませ、
ますます江戸が好きになったのは言うまでもない。

二つ目は、ワタシの小学5年の話。
隣の学区の小学校に転校生が入って来た。
その転校生の名前は、瞬く間にワタシの通う小学校にまで轟いた。

名前は<徳川>さん。
父上の転勤でやって来た転校生は、徳川家の末裔だという。
当時の小学生たちは、やんごとなき血筋に、
強烈な好奇心と憧憬で、『やっぱり全然違う。。」と噂が飛び交った。
あと一年半待てば、徳川さんと中学で合流し、
この目でシカと見れるはずだった。
中学入学を目前に、徳川さんちは、また転勤となった。

昭和のイケイケゴーゴーの時代になっても、
徳川家の威光は燦然と放っていた。
小学生たちの目は徳川さんの一挙手一投足まで捉え、大スター並み。
やんごとなき血筋。。
この時から<徳川幕府>に、
とぐろを巻いたような好奇心が芽生えた。

◇超人ハルク 林真理子の物語の沼に充たされる。。◇

「正妻 慶喜と美賀子」は、
若くシュッとした徳川慶喜と
京の貴族の娘美賀子が江戸に輿入れする経緯から始まる。

夫となる慶喜は、
超美形、冷静沈着で頭脳明晰、しかもモテる。

妻の美賀子は、
はんなりとした美しさで、慶喜はとても気に入っていた。
慶喜の言い放った女好き宣言に不安を覚えながらも、
夫婦として愛情が深くなる。

慶喜の掴みどころのない性格と愛情に、猜疑心と嫉妬に苦しみ、
美賀子は妻でありながら、慶喜と完全に距離を置く生活になる。

この後の
水戸と紀州の将軍継嗣のすったもんだの大競り合いにも、
我関せずの慶喜だったが、
とうとう逃れられず15代将軍となる。

慶喜が15代将軍に就くことは、
大奥の意向とは真逆だったため、めちゃくちゃ嫌われた。
将軍なのに子孫繁栄の大奥には上がらなかった。。
その時、運悪く慶喜最愛の側室が病死したため、
懇意にする大工の棟梁の娘を見初め、即行<愛人>に。。
京の帝との交渉や倒幕派との戦いにも、愛人を同行している。


慶喜の常人ではない利己的で冷静沈着な気質は、
これまた、とんでもない所に出てくる。
討幕派と戦う大阪城に籠る幕府軍。
なんと慶喜は、大阪城を抜け出し、
愛人と数人の家臣を引き連れ、船で江戸に逃げたのだった。

それを知った大奥の女たち、、連れていた愛人にも非難され、
慶喜は四面楚歌。

慶喜は常識はずれな行動に出る。
大奥に寝やを共にする、おなごを所望。
これに大奥は、断固拒否という物凄い展開。

ここまで来ると、ただの女好きか、、
それは、否である。

幕府は風前の灯火と考える慶喜は、
徳川の血脈をなるべく多く遺すためだったと思われる。

その事が良く分かるのは、
徳川幕府がなくなり、
家臣そして美賀子と共に静岡で暮らすことになり、
その時も、
選りすぐりの二人側室も同じ屋敷に住むのだが、
死産も含め、二十四人の子供をつくった。

武士たるものこうあるべき!!という概念はなく、
常に先を見通し続けた。
これが、今も徳川家の末裔が残れた由縁ではないかと思う。

正室の美賀子は60歳で亡くなるが、
慶喜は最後まで手を尽くしたと云われている。

小学5年の時から、
とぐろを巻き続けたワタシの好奇心は、深い深く満たされた。

中学の教科書のさらりと書かれた数行には、
こんなにも面白くドロドロの沼があった。
実は、この本を読んだのは二年前。
全然忘れないし、しっかりと脳みその襞に残っている。

しっかりキライと言っておきながら、
この本で超人ハルク林真理子になった。

そして、もう一つ。
林真理子さんを超人ハルクの世界観と、言いたいことがある。

3・11東日本大震災で親を亡くした子供たちを、援助する会が発足。
日本の有名人・医師・弁護士・作家などの中に、
林真理子さんもいた。

年一回?行われるチャリティーコンサートは、
有名人の出演が目白押し。
派手な宣伝とパフォーマンスで、
なんとなくニュースで見たりしていた。

その時のワタシは、、
    なんか 自分に酔ってるんじゃないの 嘘くさい

などと、サイテーなことを思っていた。

そのチャリティーについて、林さんの夫が
『なんか 派手すぎない?好きじゃないなぁ』みたいなことノタマッタ。

林さんは

 派手に打ち上げれば 沢山の人がチャリティーに来てくれる
 それは 沢山の支援に繋がる
みたいな意味の言葉を返した。

その支援の会で、 
支援を受ける子供たちは、社会人になるまで受けられる。

高額費用の掛かる歯の矯正が必要な子がいたら、矯正をさせる。
会の中でも、かなりの論議になったが、
林さんの
もし自分が親ならば、社会に出る前に受けさせる。
そういう支えをしなければ、意味がない。

この一言で
会の歯科医たちが、安く矯正を出来るよう協力をしてくれた。
そして多くの子供が、社会人として巣立って行った。
政治が出来ない事を、私人がやっていたことに、頭が下がった。

辛辣だし、エッ!?と思う言葉もあるが、
本質を外さない林真理子の心の太さは、
やっぱり超人な女だし、凄い物書きだと思う。

そして
本質を外さない言葉は、読み手の奥深くにあり、
長い時間発酵しながら、ちゃんとした答えになってゆく。
自分の正義感と見通す力の薄さを、甚く思い知らされるのだった。


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肉体のエリートは、運命のエリートだぜ♪タキミカさん、村田喜代子「エリザベスの友達」

2021-09-16 14:29:01 | 加圧・健康



◇肉体のエリート、タキミカさん◇

帯表紙のこの女性、毎日TVで見ない日はないほど有名な、
90歳のスポーツインストラクター・タキミカさん。
身体の線をピッタリなぞるフィットネスウェアー姿で、
若者がこなす複雑なプッシュアップや重いバーベルを上げる。

初めて出演のCMを見た時、
タキミカさんは<肉体のエリート>だと思った。
90歳と言えば、バリバリの高齢者。
着替え、食事、トイレ、お風呂、
移動もすべて人に頼らなければならなくなる年令。
大半の人は、施設にお世話になり、
時空を超えた世界の住人になっている。

なのに
タキミカさんは自分よりずーーーーと若い人たちに、
肉体のエリートへの道筋を教える日々。

口角をギュと上げ
「年令は ただの数字ですよ!」と、事も無げに言い切る表情は、
<内面のぶっとさ>を感じさせる。

第二の人生は、社会から退く時から始まり、
親の介護・自分の病気・金銭的な問題が
次々と障害物レースのように立ちはだかる。
そこでようやく
ツルツルでピカピカの道を歩めないのが、人生なんだ、、、と
気づかされる。
誰もが、
ざらついた人生を懸命に乗り越える運命を抱えているのだと。。

ただ、それぞれの運命の分岐点があり、
年令を言い訳にせず
肉体を歓ばせるホルモンを出すことを学んだ人は、
心の沼のコントロールが巧くなる。
そのうえ
運動で筋肉を維持すれば、太りにくくなり、
免疫力もなんとか保て、鬱にもなりにくい。
一石二鳥どころか、一石六鳥。
長ーーーい第二の人生をざらつきながらも、肉体の衰えを騙し騙し、
ピンピンコロリと締めくくれる、、と。。

だが、タキミカさんの言葉は、
日々、ささやかな筋トレを欠かさずやってるワタシには、圧迫感があった。
それは
自分と真正面から向き合ってる人が漂わせる、迷いのない太さ、、
何というか、恐怖心が見えない。
これに関しては、
どう足掻こうが埋められないモノだから、
ワタシなんぞは、怖さゆえ、ニコニコしながら筋トレをしている。

心の問題から見ると、
タキミカさんとワタシでは天と地の差がある。。。。
なぜこんなに怖いのかというと、母のアルツハイマーが大きい。
多分ある瞬間までは、、
ずーーーーと大きな怖さを抱えて生きるのか…
この根っこは、ほぐれることはないだろうと思っていた。


この本に出合うまでは・・・

◇村田喜代子「エリザベスの友達」◇


初音さん、97歳。
認知症が進み、
その瞳はナニを見、なにを思っているか、家族すら分からない。
二人の娘が施設に来ても、娘という認識もないまま時間だけが過ぎ、
天寿を全うする瞬間を待っている。

初音さんの肉体は枯れ木のようになり、今を生きておらず、
彼女の魂は二十歳の新妻で、
第二次世界大戦前から暮らしていた天津租界にいる。
色白でほっそりとしたお人形の様な愛らしさ。

世界が戦争に明け暮れる中、
イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・アメリカ・ロシア・ベルギーなど
各国の美しい貴婦人がティーパーティや競馬を観戦したりと、
天津租界だけは、時間も感覚も違った。

初音さんの租界での名前は、サラ。
時空を超えた場所で、初音さんは幸せと不安を抱えて生きている。

この物語を読んでる途中から、もつれた我が母の記憶が重なった。
母も初音さんと同じように、若く綺麗だった頃にいて、
波乱万丈で女盛りの激しい生き様は、跡形もなく消え去り、
今は、順風満帆の平凡な人生を生きている。

そのことが理解できず、底なし沼の負の連鎖のように思え、
苛立ち、
母のいる時空に寄り添うことを嫌った。

ざらついた多くの時間を乗り超え、
やっと穏やかな時空に辿り着いたのだという事実を
認めていないワタシに気づいた。。

自分が、
肉体のエリートになり、運命のエリートになるか。
もしくは
「エリザベスの友達」になるかは、解らない。
ただ
この本がくれた真実は、怖さを直視出来た手応えがあった。

そして
コロナ渦が終息したら、母のアルバムを持って会いに行こうと思う。


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ドえらくタフな17歳の小説家 鈴木るりか「さよなら田中さん」~「太陽はひとりぼっち」~「私を月に連れてって」

2021-07-04 12:58:36 | 

鈴木るりかという作家を知ったのは、
矢部太郎氏の作品について、色んな方面で活躍する人たちのコメント欄だった。
核心を突く言葉にドキッとし、この子は何者??と目ん玉が真っ黒になった。
しかも
コメントの主が15歳、、
この子の書く物語を読んでみたい!!!と。

鈴木るりかのデビュー作「さよなら田中さん」
↑鈴木るりか 14歳の小説家「さよなら田中さん」~「14歳、明日の時間割」
イッチョ前に、この二冊を分析( ..)φ

母子二人、
厳しいお財布事情でも、誰かを羨むわけでもなく清々しいほど明るい。
娘は母を誇りに思い、母は誰よりも逞しく娘を思う。
「さよなら田中さん」は、
忘れてた温かいモノを「ハイ♪」と手渡された感じだった。

読後感は、澄み切った青空のような気分。
5年後、、
鈴木るりかは、どんな光を帯びた物語を書くのだろう。。と
好々爺のように目を細めていた。

が、
ワタシの目は超節穴だった。

るりか様は、
健やかな身体と頑丈な心で、
「さよなら田中さん」をとんでもなく深く掘り起こしていた。
14歳から17歳というモヤモヤした思春期の真っただ中で、、

◇続編「太陽はひとりぼっち」~◇

続編「太陽はひとりぼっち」では
主人公花実は、小学生から中学生へ。
母と娘は、揺るがない絆で、貧乏ながらもいつも笑って暮らしていた。
中学生になった花実の心のモノサシは、
小学校で生徒たちにドン引きされた、木戸先生の独り言のような言葉だった。

木戸先生の言葉は、
花実が対峙する現実の複雑さを、金の斧、銀の斧のように切り開き、
思春期の心の襞に、成長の証のように刻み込んでいく。
ところがある日、
母と娘に黒い染みのような隠された過去が見え隠れし始める。

その黒い染みの表面は読者に見せるものの、根っこは明かされぬまま。。

そして物語は終わった。。と思ったら、第三弾「私を月に連れてって」が出た。

◇エッーーーーー!?第三弾「私を月に連れてって」◇

ハッキリ言って、第三弾の衝撃は大きかった・・・
色んな現実が迫っても、それを母娘は乗り越えてきた。
るりか様は、ココで超難問を提示した。

「さよなら田中さん」~「太陽はひとりぼっち」と、
曇りのち雨でも、
物語は必ず大きな青空を魅せてくれていた。

それが最後の下りから、黒い染みを色濃く落とし始めた。
読んでいる途中から、
田中さんの母の太い言葉の数々が、浮かんだ。

ゲッ、、、、、、
ココに辿り着くための布石が打ってあったのかいな、、と慄いた。

るりか様、この後どうするの・・・と思いきや、あっという間に読了。
そして
この物語は、きっとココで終わらないはず。と思い込むワタシがいた。

💙gumrieのささやき💙

鈴木るりかさんが、凄過ぎる。

14~17歳という思春期は、楽しくもあるが、自分の事で複雑怪奇。

綺麗な子や可愛い子に、どす黒い嫉妬をしたり。
親への感謝なんて遥か彼方に押しやり、
顔のパーツの不出来さを嘆き、親を恨んだり。
雨の日の長くつに入る己の脹脛の太さに絶望したり。

目の前の日常で、いっぱいいっぱい。

なのに
るりか様は、村上春樹氏のように物語を着々と創り上げていく。
ワタシが思うに、
晴れ渡った物語に、理不尽な黒い染みを落とすことが出来る人は、
健やかな身体と
強靭な心を武器として持っていないと、描けないものだと思っている。

村上春樹氏もそう。。

だが全く違うのは、17歳だということ。
るりか様の強靭な心が、どう向かうのか、、
次作をひたすら待ちたい。
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