全国交通ニュースブログ

奈良交通の運賃は阪急バスの1.5倍・・・値上げ前後とも

奈良県全域および京都府南部で路線バスを運行する奈良交通は、2023/8/25付で近畿運輸局に値上げを申請しました。実施予定日は2024/2/1です。

https://www.narakotsu.co.jp/news/pdf/news_1532.pdf

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF257EC0V20C23A8000000/

同社として2009年末以来約14年ぶり(消費税率アップの転嫁分を除く)で、値上げ率は上限運賃・実施運賃とも14.26%、初乗り運賃は190円から220円・奈良市中心部の均一運賃は220円から250円となります。日本最長の一般路線バスとして知られる八木新宮特急バス(2023/7/11付ブログ記事「紀伊半島を南北に貫く五條新宮道路の整備状況(その1)」ほか参照)に全区間乗車した場合の運賃は、5350円から6150円になります。

ちなみに、奈良交通の運賃レベルは、本州のバス会社としては有数の高さとなっています。対キロ区間制のバス運賃設定の基準となる「基準賃率」(1km当たりの運賃)は、現行で52円38銭なのが、値上げ後は59円80銭とほぼ「キロあたり60円」となります。

一方、2023/9/1付で大阪・阪神エリアの運賃を値上げする阪急バスの場合、運輸審議会の配布資料(2023/7/28付ブログ記事「阪急バスの値上げ・運輸審議会での議事内容が公開されました」参照)および阪急バスからのリリース文にもあるとおり、現行が33円60銭、2023/9/1からの暫定運賃が34円20銭、上限運賃が38円60銭となっています。つまり、奈良交通の運賃は値上げ前後を通じ阪急バスの1.5倍以上ということになります・・・

これは、やはり両社の運行エリアの違いが大きいものと思われます。奈良交通にはいわゆる団地路線(近鉄奈良線や京都線沿線、JR大和路線王寺駅発着など)も多数運行していますが、路線の総延長でいくと奈良県山間部の過疎路線(八木新宮特急バスはその筆頭)が多くを占め、これらは自治体からの補助があっても持ち出しとなり、だからといって全部廃止というわけにはいかないので、阪急バス(過疎路線は大阪府能勢地域や茨木市北部などごく僅か)とはコスト構造が全然異なるわけです・・・

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