ナントカ花札鑑賞会

世の中で販売されている独自デザインの新しい花札、「ナントカ花札」たちを紹介します。

モンスターハンター花札

2020年06月25日 | ナントカ花札紹介
今回は「モンスターハンター花札」を取り上げます。


こちらは2010年にバンダイから発売されました。
プレミアム・バンダイとイーカプコン、2つの販売サイトにて予約販売され、それぞれのサイトでおまけの札のデザインが異なる仕様でした。

「モンスターハンター」は、2004年にPS2用ソフトとしてカプコンより発売されたアクションゲームで、現在も続編がリリースされている人気シリーズです。

いわゆる「狩りゲー」というジャンルを確立した作品で、オンラインで複数のプレイヤーと同時に遊べるのが大きな特長です。


札を見てみると、「牡丹に蝶」では、蜂型のモンスター・ランゴスタが描かれています。


牡丹も巨大花のような描写になっています。上部の雲が紫で塗られているのも珍しいですね。


他の札では、ゲーム内のマスコットキャラクター的存在のアイルーが登場しています。

番傘を牡丹に見立てているのも面白いデザインですね。


もう一枚のカス札にちょこっと描かれているのは、こちらもマスコット的存在のプーギーです。

人気キャラなのに扱いが小さくてなんだかかわいそうな感じですが、イーカプコン版のおまけ札にて大きく登場するのでご安心くださいね。


ポケモン花札

2020年06月22日 | ナントカ花札紹介
本日紹介するのは、世界的な人気のコンテンツ、「ポケモン花札」です。


2013年に誕生したこの花札、販売はムービック、札の製造は任天堂です。

ポケットモンスターは、1996年にゲームボーイ用ソフトとして発売されたのが発端です。
その後はアニメ化はもちろんのこと、ゲームの続編が何度もリリースされています。
そしてさまざまな関連作品も生み出され、いまではワールドワイドなキャラクターとして確立しています。

モンスターを集めて育てるというゲームの性質上、キャラクターの種類は豊富です。
そのため花札においても、各札に惜しげもなくモンスターを登場させていて、とてもにぎやかな印象です。


「牡丹に蝶」札では、バタフリー、ラフレシアというポケモンが描かれています。

蝶のキャラクターをちゃんと「下向き」に描いているのには、かなりのこだわりを感じますね。


カス札には、最初の三匹の進化形、フシギバナが登場しています。


ポケモン花札では、「ポケットモンスター 赤・緑」で最初にゲットできる三匹と、その進化形の札をそろえるオリジナル役も用意されています。 


リザードンだけ20点札の「桐に鳳凰」に大出世していますね。
この4枚を集めると100点になります。

他にもモンスターの特性に合わせたオリジナル役が多くあるので、ポケモンの世界が好きな人にはとても楽しめる花札だと思います。


 

ドラゴンクエスト花札

2020年06月19日 | ナントカ花札紹介
本日紹介するのはRPGの金字塔、「ドラゴンクエスト花札」です。


こちらは2017年にスクウェア・エニックスより発売されました。
札の製作は任天堂が担当しています。

「ドラゴンクエスト」の第1作目がファミコン用ソフトとして発売されたのは1986年。
以降、新作が発表される度に話題となる国民的なゲームです。

ゲーム内にはさまざまなモンスターが登場するので、どのキャラをどの札に起用するかはデザイナーさんの腕の見せ所かと思います。


「牡丹に蝶」札では、蝶型のモンスター「じんめんちょう」と「しびれあげは」が描かれています。さすがのハマり具合ですね。



「牡丹に青短」札では、「ばくだんいわ」のパワーアップ版キャラクター「メガザルロック」が登場しています。
ここでは色と形で牡丹に見立てたテクニックが光りますね。


カス札の「ボストロール」が棍棒の代わりに牡丹の花を手にしているのもユニークなアイデアです。


サムライスピリッツ花札

2020年06月16日 | ナントカ花札紹介
今回もゲーム作品の花札を紹介します。


こちらは「サムライスピリッツ花札」です。
1999年にSNKから発売されました。

「サムライスピリッツ」は1993年に誕生したアーケード用の対戦型格闘ゲームです。
その後シリーズ化され、さまざまな家庭用ゲーム機にも移植された作品です。

ゲーム内の人気キャラクター、ナコルルが描かれた「牡丹に蝶」札です。
札の上下を取り違えてしまったデザインになっていますね。
蝶が飛び、牡丹もフワフワ浮かんでしまっているようなシュールな雰囲気が面白いです。


カス札の一枚には、こちらも人気キャラの一人、アスラが描かれています。
牡丹に隠れているような、同化しているような、なんとも絶妙なデザインです。

先程の「牡丹に蝶」札もそうでしたが、キャラクターを全面に出さずに花札の図像の背面に配置しているので、そこはかとなく奥ゆかしさも感じられます。


札はすべてイラストレーター白井影二氏による描き下ろしです。
陰影をつけた色彩も素敵で、とても味わいのある花札だと思います。

サクラ大戦花札

2020年06月13日 | ナントカ花札紹介
本日紹介する花札は、「サクラ大戦花札」です。


こちらは1998年にセガより発売されました。
ナントカ花札の中で、2000年よりも以前に作られているものはそんなに種類が多くありません。ナントカ花札黎明期の作品と言えるでしょう。

「サクラ大戦」は、1996年にセガサターン用ソフトとして発売された人気ゲームです。

ゲーム内にいくつかのミニゲームが用意されていて、その中のひとつに花札もプレイできました。

シリーズ最新作、PS4用「新サクラ大戦」においても花札のミニゲームが登場するように、サクラ大戦と花札とは切っても切れない間柄なのです。


札のデザインを見てみましょう。
「牡丹に蝶」に描かれているキャラクターは、蝶ですね。


何を言っているのかというと、ここで登場しているキャラクターはゲーム内の敵キャラ「黄昏の三騎士」の一人で、その三人の名前はそのものずばり、猪・鹿・蝶なのです。


さて、このデザインを見ると、前回のブログで書いた「牡丹に蝶における上下問題」のメカニズムが少しうかがえる感じがします。

従来の「牡丹に蝶」札の蝶は、牡丹に向かって飛んでいるので、下向きの姿で描かれています。
花札に馴染みのない人にはこの図案が違和感を与えるのか、無意識に蝶が上向きになるように札を向けてしまうのかもしれません。

このサクラ大戦花札のように、はじめから蝶の姿を上向きに描いていれば、上下問題が生じることはなかったでしょう。

元の図案に合わせてキャラクターの「蝶」も下向きに描かれていたら、それこそ違和感が募る一方だったでしょうね。


カス札での卒業写真での欠席者のような丸囲みもかわいらしくて面白いです。
なかなか他では見られないデザインですね。