ねこなんて大っ嫌い

ってずっと思ってたのに。
死にそうな子ねことの出会いが生きる力を与えてくれました。
バツ2でも結構幸せにやってます!

息子へ 最終話 (プロポーズ)

2020-05-11 05:55:55 | 「息子へ」
息子が結婚して家を出る時(今から12年前)に、私から息子へのはなむけの言葉として持たせた「息子へ」という一冊の小冊子。いよいよ最終話となりました。(プロポーズ)と題した最終話を、本日はご紹介いたします。

これ迄で、おそらく一番長文だと思います。
どうかお時間のある時にご覧ください。



おまえが18歳の頃。
専門学校で知り合い、
2度も「友達としてなら仲良くしたい」と
やんわり(しかしキッパリ)交際を断わった彼女を
おまえは
諦めることなく口説き続けたんだと言っていた。



ようやく交際に漕ぎ着けて
うちにも連れてきて紹介してくれた。



一目見て驚いたよ。
だって、まるで
箱から出したばかりの
真新しい
小さなお人形さんみたいな女の子だったから。


しかもうちと違って 笑
とてもきちんとした躾をされた
いかにも「箱入り娘」という感じのお嬢さんだったから。
おとなしいけれど
芯のしっかりした
本当におまえには勿体無いような女の子だと思ったよ。




毎週末、
彼女はうちに遊びに来たね。
時には一緒に出掛けたし、
週末の夕飯は
よく一緒に料理もした。

いつの間にかおまえにとってのお袋の味
“鶏もも肉の白ワイン蒸し”も
上手に作れるようになっていたね。


パソコンの勉強も、
おまえと違って
熱心に私の話を聞いて、
次々と色々なことを覚えていった。
そして、一度教えたことを、
二度聞き返すことはまずなかった。
「ママと〇〇のパソコン講座」のノートを作り、
こまめにメモを取っては
復習もキチンとやってくるという
勉強家の一面も見せてくれた。


決して強くはないのにお酒が大好きで
缶チューハイ2本で
真っ赤な顔をして、
右に左に身体を揺らせながら
酒豪と呼ばれる私の相手を
いつも務めてくれた。


就職して1年、
彼女と付き合い始めて
3年くらい経った頃、
おまえは彼女との結婚を決めたんだったね。


「オレ、プロポーズどんな風にしようか、悩んでるんだ。
〇〇が一生忘れられないような
そんなプロポーズにしたいんだけど、
オレそういうの全くセンスないでしょ!?
いくら考えても、どこからも何も浮かばないんだよ。
どうか、助けると思ってお二人の力を貸して下さい」


神妙な顔をしておまえは私とおねえに相談してきた。


「え~~!!
そういうのって、自分で考えてこそ
〇〇ちゃんは嬉しいんじゃないの~?
別にアドバイスするのは構わないけど、
おまえ、本当にそれでいいの~?」とおねえ。


「わかってるんだよ。わかってるけど、
オレがダサイこと考えて実行するより、
結果、絶対その方が喜んでくれると思うんだよ。
この通りです。お願いします。」


おまえがダサくてセンスがないことを
一番よく知っていた私たちは
結局その言葉に納得した。



「よし、わかった。一緒に考えよう!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あ、そうだ。
これはね、プロポーズじゃなかったけど、
友達が昔、彼女の誕生日に
やろうと思ったっていう話があるよ。
〇〇ちゃん、ディズニー大好きじゃない?」

おねえが出したその案は、
プロポーズ前日、仕事帰りにおまえは一人でTDLに行き、
シンデレラのガラスの靴を買う。
(一番大きなサイズは本物の靴と同じくらいらしい)
TDLの中のコインロッカーに
その靴とメッセージカードを仕込む。
翌日、彼女とTDLに行き、昨日仕込んだ
ロッカーの近くのコインロッカーに荷物を預ける。
帰りに昨日のロッカーの鍵を彼女に渡し、
彼女にロッカーを開けてもらう。
中を見て驚いている彼女に決め台詞を言う。
それは自分で考えろ。



「やばい!!
おねえちゃん、ありがと!!!
それでいく!!恩に着ます!!!!!」


その日を11月4日と決め、計画は進行し始めたね。


おねえの提案は最高!だと思ったけど、
何点か確認しなければならないことがあると気付いた。
事を起こす時、
自分では用意周到だと思っていても
いざ始まってみると
意外な盲点で
アタフタするっていうのはよくあることだ。


シンデレラのガラスの靴はどこで売っているのか。
それに営業時間と価格。
TDLのコインロッカーの保管期限。
事前に調べることを確かめて
TDLに電話したよね。
ガラスの靴については全く問題がなかった。
ところが、コインロッカーの保管期限を聞くと、
この計画が根底から覆された。



「保管期限は当日のみで、閉園後、
全てのロッカーの中身を回収し、
遺失物として保管させて頂きます」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!



ディズニー大好きな彼女とのデートは
いつも開園と同時の入場だったから、
その日に限って入場時間を遅らせるのは
彼女に疑いを持たせてしまう可能性が出る。


デートをあくまでもいつものように始めるとしたら・・・。


「ねぇ、無理だよねぇ?
仕込みに協力してくれるっていうのは・・・。
あぁーーー、やっぱりダメか・・・、この計画。残念だなぁ・・・」
おねえは翌日まで通しの仕事だったから絶対に無理。
だからおまえは私に的を絞って頼んできた。



「えーーーーーっ!?私だって土曜日は仕事だよーーー。」



「でもさ、ロッカー開けるのは夜なんだから、
あなたが仕事終わってから仕込んでくれれば
何とか間に合うんだけど・・・。
あ、でも、いいよいいよ。疲れてるだろうし、
無理させちゃ悪いもんね。」


そんな殊勝なことを言えば
私が何とかしてやりたいと思う性格だということを
おまえは
見越していたに違いない。


「じゃぁ、わかったよ。
私一人じゃ不安だから、もこちんに相談してみるよ」


夢見る乙女のもこちんは
昔からディズニーランドが大好きだから、
きっと断らないと私は踏んだ。
ところが意外にも
彼女はすぐにはOKしてくれなかった。


「プロポーズってさぁ、
二人だけの大切な思い出になると思うんだよ。
協力するのは全然構わないし、
私もディズニーには行きたいけど、
私が彼女なら、お姑さんや伯母さんが
その思い出に絡むのって、
正直どうなのかな・・・って思うんだけど・・・。
そのへんは大丈夫なのかなぁ?」



もこちんらしく、
彼女の気持ちを一番に考えてくれて
そんな意見を言ってくれた。



「彼女はね、むしろみんなが自分たちのプロポーズに
協力してくれたってことの方を喜ぶと思うんだ」
そんなおまえの一言で
結局快く引き受けてくれたよね。



当日は、仕事をしていても朝から落ち着かない。
職場のみんなにことの次第を話したら、
みんな異常な盛り上がりをみせてくれた。


「だけどさぁ、実際気持ち悪いよねぇ。
息子のプロポーズに母親が出っ張るなんて。
ふつーに引くよ、この話。」


「〇〇ちゃんちは特別だよ。
息子猫っ可愛がりの気持ち悪い母親じゃぁないんだから!
むしろ、もう少し修平君(仮名)に優しくしてあげて!って
言いたいくらいだもん」
「あ、大変!!ネットで調べたらTDL、入場制限になってるよ!!
入場できなかったらシャレになんない!!
計画台無しだよ!
もう今日は忙しくもないんだから、
早退しちゃって早めに入場した方がいいよ!!」


職場のみんなの暖かい声援を受けた私は
早退し、少々興奮気味でTDLへ向かった。


もこちんとは舞浜駅前のカフェで待ち合わせ。
これからの計画を念入りに話した。



「ひゃ~、緊張するぅ~。
どうしよう!私、また何かやらかしちゃったら!!
今日はごめんなさいじゃすまされないよねーーーーー。
パンツ持って来ればよかったよー、
おしっこちびりそう・・・!」



「じゃ、もう一回確認するよ。
ないとは思うけど、
万が一、TDLの中で二人と出会ってしまった時。
向こうが気付かなければ
こちらからは声をかけないで素早く隠れる。
目が合ってしまったら、
私が『あれ?二人も今日来てたんだー?
そういえばそんなこと言ってたねー』
とか何とか言って誤魔化すから、
もこちんはいつも通りニコニコ笑っとく。大丈夫?」



「うん、何とかがんばる!!私は喋んなきゃいいんだよね。
うぅぅぅ・・・多分、大丈夫・・・!かなぁ・・・。
〇〇がそばにいてくれるから大丈夫だよね!」
まだまだ私がもこちんを
甘く見ていたことを
この後思い知らされることになるとは
思ってもいなかったけれど 笑




おまえに
よくよく話を聞いてみると、
〇〇ちゃんはいつもロッカーのナンバーに拘って
番号を覚えているということだったから、
別のロッカーに仕込んでも
開ける時点でバレてしまうことが判明した。



「こりゃ最初におまえたちが預けた
ロッカーに仕込むしかないな。」



そのためには、
おまえと鍵の受け渡しで
最低2度は接触しなければならない。
彼女に怪しまれることなく・・・!



入場すると私たちは
まずガラスの靴を買うために
シンデレラ城近くのショップへ向かった。
ガラスの靴はすぐに買い求めることができた。
その時点でおまえにはメールを送ったよね。


「只今ガラスの靴入手!様子を見て1回目の接触を試みよ!」


直ぐさまおまえから返事がきた。
「10分後にスペースマウンテン近くにきてください」


おいおい、直ぐかよ。
こっちは仕事終わり、
しかも週末の疲れ果てたおばさん二人だぞ。


「もこち~ん!スペースマウンテンってどの辺~?」


「あっちの方向だよ。10分後なの?
じゃ、走った方がいいよ!」


肩でハァハァ息をしている私たちのところに
どこからともなくおまえは息も乱さず現れた。


「彼女に何て言って来たの?」


「腹が痛くなったからトイレって・・・!
クソが長いと思われるとイヤだから行くよ!
じゃ、よろしくね!!
もこおばちゃんも、ホントありがとうね!」


「さぁて、今度はこのロッカーを探しに行かなくちゃ。
入場して一番近いロッカーってことは・・・そうか、ここだね。」
Mapを手に呟くと、もこちんはスタスタと歩き出した。
さすが伊達に長年“ディズニー好き”やってきた訳じゃないな。
迷いがない、迷いが。


もこちんのお陰で
おまえたちが今朝預けたロッカーは直ぐに見つかった。
ロッカーを開けて中の荷物を取り出し、
別のロッカーにそっくり移す。


そして、
買ったばかりのガラスの靴と
メッセージカードをセッティングする。


これで任務のおおかたは終了か~!?


ところがここで
もこちんが納得できないと言う。


「ヤダなー、これじゃ。
レースか何か、敷物が欲しいよ!
ね、時間があるんだから、どこかのショップで探そうよ!」


「はいはい。
あたしゃ、これでも十分可愛いと思いますがねぇ・・・。」


ファッションやヘアースタイルなどの流行に
とても敏感なもこちんには
こういったことにもかなりの拘りがあるらしい。
そのもこちんのセンスのお陰で
実は洋服や小物のコーディネイトなど
とんちんかんな私が
みんなから「ちょっと小洒落たおばさん」扱いを
してもらっているのだから!?
ここは言うことを聞いておくべきだろう。


ひとまずロッカーを閉めて
ショップへと向かった。


ところが
あれだけたくさんの品物が揃っていても、
欲しいものってなかなかないもんだね。
たくさんのショップを散々歩き回って
ようやく見つけたのは
敷物ではなくクッションだった。
でもそれは
ミッキーとミニーの結婚式のコスチュームが
とても可愛くて
クッション自体もレース調で
プロポーズにはぴったり!という感じだった。



早速ロッカーへ。
そしてレイアウト。
よ~し!!!これで完成だ~!!!!!
(つまりもう帰れる)
かと思いきや、
コーディネイターはご不満のご様子。



「ほら、こうしてね、開ける訳よ。
でもさぁ、開けた時に暗いよね。
開けるのは夜でしょ。奥までここの照明
届いてないでしょ。
わぁ~!!ってびっくりできないと思うのよ!!」
「ほぇ。首突っ込んだら見えるんじゃないっすかねぇ・・・。
いやいや、いいっすよ。
今度は何ですか?
また歩き回ればいいんでしょ。歩きますよ、喜んで」



いつになく強気に
「ディズニーなんだから、絶対に光る何かがある!!」と
断言するもこちんの言葉に引きずられるように
私はまた彼女の後について歩き始めた。




それから何度目かの往復の後、
ようやくもこちんにも納得のいく作品?が出来上がり、
私はおまえにメールを送った。



「セッティング完了!もこちんのレイアウトは最高だよ!
都合のいい時にいつでも接触の指示を出せ!」



最初の鍵の受け渡しから
相当な時間が経っていたから
おまえはかなり心配していたようだったね。



お腹もペコペコだった私達は
どこかで食事をしようということになり、
場所を移動した。
さぁ、この店にしようか!と思った矢先、
おまえからメールが来た。
「さっきのところに10分後に来てください」


えーーーーーーーーっ!?
またしても、もう、かい。


「もこちん、また10分後にスペースマウンテンだってさ。」


「えーーーーー!大変!さっきよりかなり遠いよ!
猛ダッシュだよ!!!」


いや、もう疲れてるっちゅうの。
歩くのだって嫌気がさしてるのに猛ダッシュかい!!!


人を喜ばせることが
大好きなもこちんは
いつにも増して輝いていた気がするよ。
二人で爆笑しながら猛ダッシュした。


「あんまり長いから何かあったのかと思っちゃったよー。
そっか~、色々考えてくれたんだね~。本当にありがとう!
オレもなんかドキドキしてきちゃったよー。
ゆっくりして帰ってね!結果はまた報告します。
がんばるよ!!」


本当に
ようやく大任を果たした私達は
暫くの間、口もきけずベンチに座り込んだ。
「今度こそ本当に食事にしよう。
さっきの店まで行くのはもうキツイから
近くで探そうよ。」


ローストビーフとサーモンのサンドイッチの味は
ひとしおだった。
「〇〇ちゃん、喜んでくれるといいね。
私たちみたいなおばさんでも、
役に立てたんだよね。嬉しいね。」


身体は疲れきっていたけど
私たちの心は
あったかいものでギュウギュウに詰まっていた。


食事の後、
もこちんが大好きなパレードをちょっとだけ見て
混み合わない内にと
私たちは帰路についた。


昔から合理性重視の私は
物の置き場所・保管場所などが
きちんと決まっている。
ちなみに切符はいつも上着の右のポケットだ。

いつもの癖で、駅の改札でもないのに
出口のゲートを見た瞬間、右手が右ポケットを探り、
チケットの半券を取り出した。
ゲートをくぐりながら
「あ、改札じゃないんだから、半券いらないや」と
一人突っ込みをしていた時、
私の後ろではとんでもないことが起こっていた。

「あ!〇〇がチケットの半券出してる!!
あれ、どこだろう。どこいっちゃったの?私の半券!!
ない・・・、ない・・・、ないよー。
〇〇に叱られるーーーー!!!」
いやいや、あたしゃそんなことで怒りませんってば。


軽くパニくったもこちんは
必死でバッグの中をかき回している。


「もこちーーーーん、いらないよーーーー。
チケットの半券なんていらないんだから、
早く出ておいでーーーー!!!」


一旦出てしまった私が再び入ることはできないから、
精一杯の大声で叫んだ。

しかし、舞い上がっている彼女にその声は届かない。


安定した場所にバッグを置いて、
本腰を入れて半券を捜し始めようとしたのか
ゲートからかなり離れた台の上にバッグを置き、
遠目で見てももこちんは必死の形相だ。


ふともこちんの横を見ると
そこには修平が立っている。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!


「おばちゃん!もこおばちゃん!!」


「え?やだ。これ、修平の声に似てるけど、違うよね。
やだやだやだー。〇〇~~~、
先に行っちゃったからどうすればいいのか
全然わかんなーーーーーい!!
あーーーー、私が半券なくしちゃったから
いけないんだーーーー!
もうやだーーー!!どうしよう・・・」


怖くて顔を上げられないもこちんは、
何も聞こえていない振りをして修平を完全シカトした。


「もう・・・・、なんで修平話しかけてくんの?
〇〇がいないんだから、どうしたらいいかわかんないでしょ!
お芝居なんかできないんだからね。無理なんだからね。
もう!意地悪しないでよぉ・・・」


「おばちゃん!もこおばちゃん!!
なんでシカトしてんの!
ありがとうね!無事に終わったんだよ!!!
〇〇はプロポーズ受けてくれたよ!
すごくすごく喜んでくれたんだよ!
おばちゃんたちのお陰だよ!!」


安心したのと嬉しいのとで
もこちんは泣き出しちゃったよね。
私は会話が聞こえないから
あ~~~、もこちん、結局やっちまった?
最後の最後で?
台無しにしちゃったの?
って、内心ハラハラしていた。


でももう見つかったのなら仕方が無い。
柵の外から近くに寄って行ったら
〇〇ちゃんの顔が見えた。


真っ赤に泣きはらした目を見た時、
「あぁ、うまくいったんだ・・・」と
膝から力が抜けるようだった。


私に気付いた〇〇ちゃんは
飛ぶようにして柵のところまで走ってきた。


「ありがとございましゅ、ありがとごじゃいましゅ」って
泣きながら柵越しに私にしがみついてきた。
「こっちこそ、ありがと。OKしてくれたの?
そう、ありがとね。
バカ息子だけど、よろしくね」


柵越しに
二人で抱き合って
しばらく泣いたんだった。



「〇〇、最初ロッカー開けてさ、
光ってるじゃん。
慌てて扉閉めたんだよね。
ロッカーの番号をもう一度見てさ、
そんでもう一回開けたんだけどまた閉めてさ。
その時はディズニーのイベントか何かで
“何かが当たった”のかと思ったんだって。
(どうやってだよー)
三回目に開けた時、メッセージカードが目に入って・・・。
カードを読んで涙ボロボロ・・・。
「この靴を履いてください。オレと結婚してください」
って言ったら、
「はいっ」って言ってくれたんだ」


それからおまえは事の顛末を彼女に話し
その直後の出来事だったんだよね、
バッタリ出くわしたのは。



あの時もこちんが
あれほどの拘りを持たないで
もっと早くレイアウトが出来上がっていたら
私たちはとっくに家に帰ってしまっていただろう。


あの時もこちんが
ちょっとだけパレード見たいって
言ってくれなかったら
あの時間にゲートに向かうことはなかっただろう。


あの時もこちんが
私の動きを見ていて
チケットの半券を捜そうとしていなかったら
こんなに感動的な場面を迎えることは
できなかっただろう。
おまえが生まれた時から
ずっと愛して見守ってくれたもこおばちゃんに
そして今もこんなに幸せを与えてくれる
もこおばちゃんに
改めて感謝しなければね。


そして、
愛されたこと、守られたことを
ずっと忘れないで
今度は誰かを
おまえが愛し守っていく番だ。


二人にとって一生忘れられないプロポーズを・・・
と祈って始めたことだったけれど、
私ともこちんにとっても忘れることの出来ない
素敵な素敵な思い出になった。


ありがとう。
私たちを巻き込んでくれて。

おまえたちには
本当に感謝しているよ。



さて、これにてシリーズ「息子へ」は完了でございます。最終話のプロポーズは、今読み返しても、昨日のことのように鮮明に思い出され、お嫁ちゃんと抱き合って泣いたあの瞬間は、生涯忘れられぬ場面となりました。愚息を、あの時と変わらぬ愛情で包んでくれるお嫁ちゃんには、感謝以外の言葉がないほどに、心から感謝しています。これからも、家族みんなで幸せにね。母はただただ、あなたたちの幸せを願っています


既投稿の記事を貼ってみました。宜しかったらご覧ください。
「息子へ」第1話 (偶然の幸運)
「息子へ」第2話 (ザルで水を汲む如し)
「息子へ」第3話 (たこ食った事件)
「息子へ」第4話 (目から鱗)
「息子へ」第5話 (父親みたいな人)
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「息子へ」第11話 (勉強の楽しさ)
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「息子へ」第13話 (不思議なえにし)
「息子へ」第14話 (諦めないこと)
「息子へ」第15話 (育ての母たち)


第8話・第10話は割愛しております。
長い長い話に、お付き合いくださいまして
誠にありがとうございました
2つのボタンをぽちっとして頂けると、と~っても嬉しゅうございます


  
ポチ、ありがとうございました~

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