十和田自然農園

鹿角またぎ自分史 …75年生の足跡~エンディング録です

鹿角またぎの【ライフル道】~2

2014年11月11日 00時15分32秒 | 日記・エッセイ・コラム

      2014年鹿角またぎ67歳フォトアルバム より


    《 春…月の輪熊の生息調査、及び調整捕獲 》


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     鹿角市・横羽根沢
     2014年4月27日(日)

 暫くぶりに《ウインチェスターM94》の弾倉に弾を装填してみたが、素早い弾籠めができませんでした。ご存じ…アメリカの騎兵隊とインディアンの戦いに使われた、有名な銃(当時はM73)です。 ワイアット・アープが使ったようなリボルバーのコルト拳銃と弾が共用できたので、広く使われたと聞いたことがあります。
 M94は、狩猟用としてライフル弾仕様に改良された銃です。 弾倉はチューブ式なので、銃右サイドの「ラチェット窓穴」からライフル弾を斜めに押し込んで装填するのです。 弾倉内には5発、薬室内に1発の6連発で、薬莢の排出及び次弾装填は〔レバー操作〕で行います。


 近距離を猛スピードで突進して来る獲物に連射中…もし【不発】があっても難なく次弾を装填できるので、自身の身を守るためにも、〔レバーアクション〕と〔オープンサイト〕の銃を選びました。 国産銃しか使わない主義の私ですが…H12年、ライフル銃を所持するにあたり、その禁断を破り憧れの 《 ウィンチェスター銃 》を手にしました。 現在、鹿角市・郡では私の銃1丁のみです。

 30-30弾の威力は…308弾、30-06弾より劣るも、最大有効射程は約300mあります。 しかし、猟野での獲物の実情を考慮し「ゼロイン」は200mに合わせています。 何故200mにしたかと云うと、200mより手前では…50m地点も「ゼロイン」になるので、熊や猪のような大きな獲物であれば100m 以内の射撃は、ほぼそのものズバリ狙って撃てば当てられるからです。

 秒速500mで飛ぶ ライフル弾 でも重力には敵わず、放物線の弾道を描いて飛んで行きます。 たった1発の弾頭を標的に当てるライフル射撃は、《理論と計算》の射撃なのです。 その要素は、①弾頭の重さ・形状 ②火薬の質・量 ③照準器の設定(射角調整) ④外気の状況…などですが、〔飛距離・速度&破壊力〕の何を必要とするかで、〔パワーポイントやソフトポイント〕等の選択も重要です。

 狩猟用として一般的には、殺傷能力・破壊力に優れている【ソフトポイント】が使われます。 弾頭は「」を包んだ『』のジャケットで形造られているが…ソフトポイント弾頭の先端は、このジャケットからコアの「」が突き出て露出しているため、獲物に当たるとが変形しジャケットが開き、マッシュルーム化した弾頭が獲物体内を【ジャイロ回転】して破壊するので、殺傷能力は強大です。 主に拳銃用と思うが、先端の窪んだ〔ホローポイント弾〕の原理と同様と考えます。 また、飛翔軌跡(弾道)の安定性や飛距離を求める場合は…速度の速い、先端が丸いフルジャケットの〔ラウンドノーズ〕が適しています。 装弾の性質で、弾道曲線も一様ではありません。

 まずは日頃から、自身のライフル銃が 標準装弾で弾道が最も高い位置は、何メートル地点なのか熟知しておくことが肝要なのです。

 ライフル弾は射程が長く、射角や風向きによっては3km~5kmも飛ぶため、嶺越しや空に向けて発砲することは非常に危険です!
 《狩猟読本》にも書かれている通り… 山野で獲物を撃つ場合、必ず バックストップの地形、及び跳弾 を考慮しなければなりません!

 これがライフルマンの常識であり、「ライフル銃 」取扱い上の最も重要なポイントです。





      カタクリ 嶺で休息 

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     鹿角市・横羽根沢嶺
     2014年4月29日(火)

 Win M94 も、カタクリ花 の側で しばしの休息です。 この銃は…こう見えても、今二重ロックの安全装置がかかった状態なんですよ! 一つ目は、撃鉄の半ロックバネ&ハンマー機構】がロックされています。 二つ目は、脱包&次弾装填用のレバーが解放状態なので、【引き金】がロックされているのです。   

 近年 … 山で、弁当やチョコレートなどを食べている時、に襲われるケースが増えているとか!? 最近のは、「コンビニ弁当」が大好きなんだそうです。 5月中旬頃から始まる…十和田~八幡平の「タケノコ採り」では、何か変だなあ~と気が付いて後ろを振り返ると…さんが10メートルぐらい後ろから付いて来ていることがあると、友人から聞きました。 

 今食べてる、リンゴ と 缶コーヒーにも寄って来ないかなぁ~♪ 






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                                 《登っている尾根は、こんな笹と雑木の原生林が【上沼放牧地】まで続きます》
     鹿角市・横羽根沢の嶺
     2014年4月29日(火)

 「横羽根沢」入口から右斜面の尾根を1時間ほど登って来ました。 この辺まで上ると、鶯の鳴き声はもう聞こえなくなりました。 沢側の崖は、立って居られないほどの急斜面です!(推定70度) 勿論、こんな岩盤だらけの急斜面に、笹・柴木・ブナ・ナラがへばり着いていなければ、崖を下るなど二足歩行の人間が成せる業ではありません! しかも、200m もの急斜面なのに崩落や崖崩れを起こしていない。 笹・ブナ・ナラなど植物達の根張りは、想像を絶する驚異的な力を持っているのです。

 横羽根沢は「上沼放牧地」から『瀬の沢』までの僅か1km弱の支流であるが、沢水は年間を通じて涸れることはない。 この辺一帯の山(嶺や崖)には、ほとんど【】は無い。 上沼放牧地(馬の背)の苔10cm下は岩盤であり、横羽根沢の崖・嶺の腐葉土10cm下も岩盤です。 一体誰がこの膨大な水の量を年間通して供給しているのだろうか? 答えは…嶺と崖には「貯水池」は無い!が膨大な量の苔&腐葉土草・笹・柴・ブナ・ナラ達が住み着いていて… 原生林 天然のダム を形成しているからなのです。 
 
 私の遥か後方には、沢向かいの嶺が見えます。 嶺の陰は、「花輪越え」から流れる「板矢沢」です。 花輪越えからは仲間2人がこちらに向かって入って来ているので、「板矢沢」の断崖に潜んでいる熊は…向かいの嶺を越えて、私の居る『横羽根沢』を通り、県境の「四角岳」へ逃げるコースなのです。
 沢の見える150m射程の地点まで下りようとして、笹竹を踏んで転び、肘を強打してしまいました。 転んだ記念に…デジカメを枝に吊るし、左手はしっかり木の枝に掴まり、タイマーセットで写真を撮りました。 とにかく、写真を撮るのも命掛けの急斜面です!

 5月GW初め「横羽根沢」を上っているとき、
花輪越えから「板矢沢」に入山した仲間の銃声が聞こえました。 その一週間後、同じ場所に戻って来た《子連れの雌熊 》が、ブナの新芽 を食べていたのか?ついに撃たれてしまいました。  2歳の小熊は無事逃げたようですが、50kgしかない若い雌熊なので、人が近づいても逃げなかったものと思います。
 こんな人里離れた山奥で子育てしている若い雌熊を撃ち殺すことは…私にはできない。 私なら…この時期、近づいて来る人間は山菜採りの爺さんとはわけが違う、とても恐ろしい人間であることを教える絶好の機会にするため、撃つことは撃つが中らないように撃ちます。 近づいて来る人間は、とてつもなく怖いものだと教えるだけでいいのだ。  今や【杉砂漠】のおかげで、山奥の熊は…「板矢沢」の断崖絶壁のような場所にしか住むところがなくなってしまい、本当に可哀そうでなりません!





     オープンサイト 初10点!

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     大館市・大子内ライフル射撃場
     2014年10月26日(日)

 【技能検定】は30日(木)です。 4回目の練習で… 初めて、ついに1発だけ《 10点 》に当たりました。 
膝撃ち10発で《32点》でしたから、この調子でいけば20発で《 60点 》は取れそうです。

 「射座」が粗いコンクリートなので右膝が痛いため、右にずれる傾向にあるようです。 今回は車で使っている小さな座布団をクッションにしてみたら右膝の痛みが消え、真ん中へ弾が集まりました。 2週間前から、毎晩、膝撃ち姿勢で銃を構え呼吸を整える練習をしてきたら … 全く違和感なく照準が定まり、引き金を引いてもブレが少なくなりました。

 ゼロインを50mに合わせているので、理論上200mもゼロインですから200m以内の なら仕留められる自信がつきました。
 多少のドロップがあっても命中精度に差異はなく問題は、ランニングショット特に【 突進して来る 】に当てられるかどうかですね!

 50m 以内で人を守る場合は、散弾銃のバックショット(9粒弾)で阻止し、スラッグ弾 で止めを刺します。





      《 本番の弾痕!》
   
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                ↑ 前半「0点」は1発          後半「0点」は2発   
    大館市・大子内ライフル射撃場
    2014年10月30日(木)

 【技能検定】の30日は「小春日和」のような暖かな無風の晴天に恵まれ…正に、《天は我に味方した》の心地でした。 午前10時から【技能講習】が始まり、まずは車の中からライフル銃を取出し、銃架に立てかけるまでの所作からチェックされ、銃の分解以外の各部の点検、安全装置の操作・確認、不発時の対応と合図の仕方などの教習を受けました。

 いよいよ実射に進み、私は「2番射座」に入りました。 午前の部は私一人なので、教官は専属のような感じで、すぐ側に陣取ったので、弾の装填から構え方・肩付け・引き金に指をかけるタイミングまでビデオ撮りのように一部始終観察され、とても緊張してしまい…初弾は右下5時【2点】、2発目は右下4時【0点】でした。 前半2発撃って、たったの【2点】です。(* *) ヤバイ!暗雲が絶ち込めた。

 ここで早くも教官から待ったがかかり…銃を置いて “腹式呼吸をしなさい”と【指導】が入った。 私も開き直って座禅僧のように目を瞑り、5~6回腹式呼吸をして3発目を構えた。 あら!不思議、的の●丸が鮮明に見えるではないか!1発、2発とも下に着弾したので、思い切って「照星」で●丸を完全に隠して引き金を落した。【ダン】と乾いた音。 間をおき、教官の声…“上0時【8点】” えっ!3発で【10点】になった。 暗雲は一瞬にして消え去り、もう完全にオリンピック選手のような気分になっていた。

 以後 …一発毎に同じことを繰り返しながら●丸を狙って無心に撃った。 前半の「0点」は1発のみ、直径11cmの●丸には5発の弾痕が鮮やかに刻印されている。 後半は8発目まで全て「」に当り、うち 7発 が●丸に入り前半と同点ぐらいになった。
 『俺はやっぱり才能があるんだ』 と、心の中で思った。 ここで《無の境地》から覚めた【慢心】の結末は… 最後の2発(19発、20発目)は、見事に無残な【】を記録したのである。
 結果は、的1が「43点」、的2が「44点」合計【87点でした。 惜しいかな、『邪念』が無かったら夢の【100点】もあったかも知れません!


 秋田県内の「熊猟」自粛が続き、撃つことが無かったライフル銃ですが、今年は二ヶ月で80発も撃ちました。 こころの模様がそのまま「」に現れる《静の射撃》…初めての【技能講習】により、ライフル射撃の真髄を学びました。


 《 的撃ちは何が面白いんだろう?》 と 思っていたが、奥が深い! 憧れの 《弓道 》 に通じる。 正に 《 ライフル道 》 と呼ぶにふさわしい。
 長年、【動の射撃】 クレー射撃のみ研鑽してきたが…心を入れ替えることにしました。



 ※使用実包  ウィンチェスター 30-30 WIN 150GR BALLISTIC
SILVER TIP  40個
        フェデラル    30-30 WIN 150GR SOFTPOINT FN   40個  ※購入 … 綜合スポーツ店
                                                         (能代市)

 ※参考弾速   初速:728m/秒  100ヤード:622m/秒  200ヤード:525m/秒  300ヤード:441m/秒



 ※追記…
         笑い話にもならないことだが、あり得ないことを体験したので記述しておきたいと思います。

         ライフル弾は1発400円(消費税込)もする、とても高価な弾です。
         練習も含め、100発の譲受許可を取得したが… 実際に撃ってみると、とても耐えられない。
         散弾の10倍なのです。(散弾は1発 約40円)
         さらに、ウィンチェスター弾は近隣で、弘前市の銃砲店か潟上市の銃砲店しか手に入らないのだ。

         アポロ装弾(散弾)の取引きのある「弘前市の銃砲店」に依頼し、やっとの思いで40発だけ取り寄
         せでき、購入して来た。 鹿角市から弘前市経由→大館射撃場までガソリン代が3千円もかかった。
         射撃場代も含めると、1発700円になります。

         このうえは、「リローディング」しかないと判断し、弾頭と火薬を調達しようと考えたが…なんと
         2014年の9月、日本全国の銃砲火薬店には…すでに【ライフル弾頭】は1発も無く火薬の在庫も
         皆無なのである。

         最後の頼みとして…フェデラル弾でお世話になっている、北部シーサイド射撃場の「綜合スポーツ店
         にお願いしてフェデラル装弾を準備していただき、技能講習の前日(10/29)購入でき、なんとか危う
         く検定」に間に合いました。
         従って、《本番の弾痕!》は全て【
フェデラル弾】なのです。あの時…弾が入手できな
かったら、と考
         えるとゾッとします。 
射撃場管理人祥ちゃん」有難うございます! 



     

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