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財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ(プレサンスコーポレーション)

財務報告に係る内部統制の開示すべき重要な不備に関するお知らせ(PDFファイル)

プレサンスコーポレーション(東証1部上場)のプレスリリース。

6月29日に提出した2020年3月期の内部統制報告書において、開示すべき重要な不備があり、当社の財務報告に係る内部統制は有効でない旨を記載したとのことです。

学校法人明浄学院の巨額横領事件の関連です。

全社的な内部統制に不備があったとしています。

「2019年12月に、当社前代表取締役社長及び元従業員が、学校法人明浄学院(以下「明浄学院」といいます。)元理事長他と共謀の上、明浄学院の保有する土地の売買に際して明浄学院に支払われた手付金21億円を横領したとして、大阪地方検察庁特別捜査部に逮捕・起訴されました。

当社は、当社が関係した土地売買取引において本件横領事件が発生し、当社前社長及び元従業員が逮捕されたことを受け、ガバナンス上の問題点について調査・検証を行うため、当社と利害関係を有しない外部の専門家から構成される外部経営改革委員会(以下「委員会」といいます。)を、2019年12月23日に設置しました。

2020年3月31日に受領した委員会からの調査報告書の調査結果も踏まえ検討した結果、当社におけるガバナンス上の問題点は以下の点にあると考えております。

(1) 前社長への過度な権限集中
(2) 各取締役や執行役員の執行に対する監督機能の不全
(3) 土地仕入に係るリスクに対する認識の甘さ
(4) 上記を背景とした内部統制の整備・運用不足
(5) 監査体制の脆弱さ

上記のガバナンス上の問題点は関連する全社的な内部統制の不備に該当すると判断いたしました。

これらの事実の質的重要性を考慮した結果、上記の不備は財務報告に重要な影響を及ぼす可能性があるとし、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。 」

財務報告に影響を与える新たな事実は発見されておらず、手付金21億円も返金されたため、会社の財務諸表には影響がなかったそうです。

社長個人の犯罪で、しかも、財務報告に影響がなかったのなら、財務報告にかかる内部統制の不備といえるのかは微妙ですが、基盤となる全社的統制(とくに統制環境)が不十分だった(「財務報告に重要な影響を及ぼす可能性がある」)という見方なのでしょう。

(社長がカネを出した先が、会社の土地仕入れに関わっていたという事件ですから、関連当事者取引にはならないのでしょうか。)
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