会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

会計監査の信頼性の確保並びに公認会計士の一層の能力発揮及び能力向上を図るための措置(金融庁)

規制の政策評価(RIA)

金融庁は、「会計監査の信頼性の確保並びに公認会計士の一層の能力発揮及び能力向上を図るための措置」についての「規制の事前評価書」を、2022年2月28日に公表しました。 (上記ページの令和3年度実施分(規制の事前評価)参照)

規制の目的、内容及び必要性等は以下のとおり(要旨より)。

「【目的・必要性】

資本市場が、企業価値を適切に評価し、資金配分機能を十全に発揮するためには、企業の財務情報に関する正しい情報開示が不可欠の前提となる。これを確保するため、公認会計士及び監査法人がその役割を適切に果たし、会計監査が資本市場を支えるインフラとして十分に機能することが求められる。

近年、上場会社の監査を行う担い手の裾野が大手監査法人から準大手監査法人・中小規模監査事務所に拡大し、また、社会全体におけるダイバーシティの進展・働き方の多様化といった動きが監査の分野でも広がってきており、こうした会計監査を巡る近時の環境変化を踏まえ、上場会社の監査の担い手全体の監査品質確保のための制度的枠組みの整備や公認会計士が持てる能力を十全に発揮できるような環境の整備等を行っていく必要がある。

【内容】

(1)上場会社等の監査を行うには、日本公認会計士協会による登録を受けなければならないとする登録制度を創設し、上場会社等の監査を行う公認会計士及び監査法人は、上場会社等の監査を公正かつ的確に遂行するための業務管理体制の整備等を行わなければならないこととする。

(2)監査法人の社員の配偶者が役員として勤務する会社等に対する監査証明業務に当該社員が関与しない場合には、当該監査法人が当該会社等に対して監査証明業務を提供できるように業務制限を見直す。

(3)公認会計士の資格要件のうち、実務経験の期間を2年以上から3年以上に改める。
 また、継続的専門研修の受講状況が著しく不適当な公認会計士等について、その登録を抹消することができることとするとともに、当該事由を理由とする登録の抹消があったことを公認会計士の欠格事由とする。

※ このほか、公認会計士の登録事項(勤務先)の追加、日本公認会計士協会の会則記載事項(会計教育活動)の追加、公認会計士・監査審査会の立入検査権限等の見直しなどを行う。」

このような措置に関する、代替案、費用、便益、副次的な影響及び波及的な影響、政策評価の結果が記載されています。(当然、プラスの効果がマイナスの効果を上回り、かつ、代替案より優れているという評価結果です。)

また、「「公認会計士法及び金融商品取引法の一部を改正する法律」の施行後5年を経過した場合において、この法律の施行状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、公認会計士制度等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずる
ものとする。」とされています。

1月に公表された「公認会計士制度部会」報告書の提言によるものでしょう。

当サイトの関連記事(金融審議会「公認会計士制度部会」報告の公表について)
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