会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「投資一任業者への集中検査」で「第2のAIJ」は何社出てくるか(現代ビジネスより)

証券監視委が今年度の検査方針にしている「投資一任業者への集中検査」で「第2のAIJ」は何社出てくるか

AIJ事件を受けて金融庁が行っている調査について取り上げた記事。「第2」「第3」のAIJ類似業者の発覚があるのではないかといっています。

「金融庁は事件を受けて、登録している265社の投資顧問業者を対象に第1次調査を実施。その結果を踏まえて、4月27日を期限に、第2次調査を実施した。調査結果は、そのまま強制調査権のある証券取引等監視委員会(証券監視委)に持ち込まれた。」

「中堅投資顧問幹部は、「1次調査の段階で、いい加減な運用姿勢が垣間見えて、金融庁は暗澹としたのではないか」として、こう語る。

「投資一任契約の状況は、運用資産の合計が89兆3575億円。そのうち年金が公的と私的を合わせて54兆4294億円でした。また、運用スキームについては、外国籍ファンドを組み入れているのが112社で48・9%。時価情報を入手できない資産を組み入れて運用を行っている業者が109社で47・6%でした。

 AIJがそうであったように、外国籍ファンドも時価情報が入手できない資産も、隠蔽やごまかし目的に使われること多々あります。そうした運用を手がけている業者が半分もいて、90兆円近い資産を預かっている。金融庁ならずとも愕然とします」」

「ある独立系投資顧問代表は、こう批判する。

「期末になると、誰しも運用成績を上げたいと思うのですが、株や債券のように時価で取り引きされるものは操作できない。そこで証券会社に頼んでレバレッジの利いた『仕組債』を組成してもらう。手数料が高いので、ファンドの収益は圧迫しますが、その分、仕組債の価格で利益を調整できます。それは自分の“欲”でお客さんの利益を奪っているに等しい。

 逆にお客さんの方でも、例えば運用担当理事が、自分の成績を上げたい、あるいはパフォーマンスを安定させて組合員を安心させたいと、『利益を調整しろ!』と言ってくることもあります」

 だが、こうしたごまかしの積み重ねが、AIJ事件のような金融事件につながっていく。・・・」

AIJのような完全にでたらめの運用報告をしているようなケースはないのかもしれませんが、時価評価が甘いケースが出てくる可能性はありそうです。退職給付会計では、年金資産は時価評価しなければなりません。時価がはっきりしていないような資産を年金資産としているような場合には、企業も監査人も特に注意する必要がありそうです。3月決算の会社は、金融庁の調査・検査で何も出て来ないことを祈るだけかもしれませんが・・・。

“第2のAIJ”が存在か!副大臣発言の波紋(夕刊フジ)

「・・・一次調査の結果“第二のAIJ”と疑われる問題ある投資顧問会社は、「実は7社ある。東京年金経済研究所の石山勲代表がセミナーなどで推薦した投資顧問会社も含まれている」(金融庁関係者)。なかでも金融庁が注目しているB投資顧問は、AIJと同様にオルタナティブ(代替投資)運用を基本戦略にし、運用手法もオプション取引とAIJと同じ。しかも、AIJと同じ野村証券OBが社長を務め、親会社は何度も行政処分を受けているいわくつきの会社である。

 「同投資顧問にはオリンパスも出資し、資金運用も委託しているようだ」(金融庁関係者)とも指摘されている。オリンパスの粉飾を指南したとされる中川昭夫被告も野村OBで、米系の投資銀行ペイン・ウェバーで浅川氏と同僚であった。そして金融庁が注目するB投資顧問の社長も野村OB。三者の接点も問われている。」

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