会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

株式会社アスキーソリューションズに係る有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について

20.2.1 株式会社アスキーソリューションズに係る有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について

証券取引等監視委員会は、株式会社アスキーソリューションズに係る有価証券報告書等の虚偽記載について、課徴金納付命令を発出するよう金融庁に対する勧告を行いました(2008年2月1日付)。

勧告した課徴金の額は、1,957万円です。

虚偽記載:アスキーソリューションズに課徴金 証取委

「証券取引等監視委員会による課徴金納付命令の勧告」に関するお知らせ(PDFファイル)

平成20 年3月期半期報告書及び過年度有価証券報告書の訂正報告書他提出のお知らせ(PDFファイル)

訂正届出書による不正の内容は以下のとおりです。平成17年9月期(中間期?)(上場直前期)から平成19年3月期までの訂正になります。

「(1) 架空売上の計上

平成17年9月期から平成18年3月期にかけて、本プロジェクトの開発段階における一部売上につき、最終顧客の検収のない段階で売上計上を行ったため、これを取り消すこととし、その取り消す売上総額は約136百万円となります。

(2) 違約金損失の未計上

本プロジェクトに関し、その進捗状況が思わしくないことから、最終顧客側から違約金の請求を受け、平成18年3月に約60百万円を支払いましたが、その際、その違約金相当金額を、購入予定のあった社内使用ソフトの購入代金に上乗せし、一旦ソフトの卸売り会社に支払い、そこから、最終顧客側に支払うという処理を行いました。その結果、本来違約金は特別損失として計上されるべきところ固定資産に計上されることとなりました。

(3) 直接の売り先向け債権残高の回収について

(1)において計上した売上は売掛金の滞留という状態が続いておりましたが、その解消を図る目的で、別途進めていたプロジェクトに関係している別の会社への前渡金名目で、平成18年11月に売掛金相当額約147百万円を一旦支払い、最終的に当社に還流させる偽装を行いました。そのため当社の財務諸表上は売掛金相当額が回収され、代わりに前渡金が計上されることとなりました。」

(1)は比較的単純な売上の先行計上ですが、(2)は損失を資産計上するという操作、(3)は売掛金回収の偽装であり、絶対額はそれほど大きくないものの、悪質な不正といえます。
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