「インパクト投資(インパクトファイナンス)に関する基本的指針」の公表について
金融庁は、「インパクト投資(インパクトファイナンス)に関する基本的指針」を、2024年3月29日に公表しました。
「インパクト投資は、投資として一定の「投資収益」確保を図りつつ、「社会・環境的効果」の実現を企図する投資である。一定の「収益」を生み出すことを前提としつつ、個別の投資を通じて実現を図る具体的な社会・環境面での「効果」と、これを実現する戦略・因果関係等を特定する点で特徴がある。」(「基本的指針の目的」より)
「本指針は、資金調達者と資金供給者などのインパクト投資市場の参加者が、様々な創意工夫を通じて投資案件の組成や資金調達、これらの協働等を進めるに当たって参考となるよう、インパクト投資として実現が望まれる基本的要素を明らかにすることで、インパクト投資の基本的な考え方等について共通理解を醸成し、市場・実務の展開を促進することを目的としている。」(同上)
(「インパクト投資(インパクトファイナンス)に関する基本的指針の概要」より)
(補足)
金融庁がインパクト投資普及に本腰、「慈善色」の払拭が鍵に(ブルームバーグ)
「国内での動きが活発化するのは、インパクト投資の促進が岸田文雄政権の下で重要施策の一つに位置付けられたためだ。「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)」には、2年連続でインパクト投資に関する記述が盛り込まれ、ESG(環境・社会・企業統治)意識の浸透とともにインパクト投資にも関心が集まり始めた。
世界全体では2022年末の投資残高が約1兆1600億ドル(約174兆円)との試算がある一方、日本での残高は21年度末で約5兆8500億円と海外との開きがあるが、金融庁の高田英樹総合政策課長は「それだけ日本の伸びしろが大きい」とみる。
インパクト投資は社会的な改善効果の実現を意図するほか、その効果の定量的な測定が求められるなど、一般的なESG投資とは異なる要素を持つ。」