会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

大手監査法人トップの新年あいさつ2019年

大手監査法人トップの新年あいさつへのリンクを集めてみました。引用は主として監査に関する部分です。

あずさ監査法人

理事長メッセージ

「...企業が健全な成長を果たし、経済が持続的成長を実現するためには、企業を取り巻くステークホルダーの判断の基礎となる資本市場における財務情報の信頼性と透明性を確保することが不可欠です。そして、この資本市場における私たち監査法人が果たすべき何よりも重要な責務は、重要な監査領域における重大な不備、場合によっては財務数値に重要な影響を与えるおそれがある不備は、決して発生させないようにすることであり、その実現に向け、監査品質の向上に継続して取り組む必要があると考えています。」

「急激に変化し複雑化する環境の中で、深度ある監査を実施し、多様なニーズに応えるためには、組織の多様性を高めていくことが大切です。デジタル、サイバー、金融、不動産等の専門性の異なる人材や異なる価値観を持つ人材、育児や介護で時間的制約がある人材等、多様な人材が仕事への意欲を高め、能力を発揮し、安心して活躍できるMulti-disciplinary firmを目指していきます。」

「デジタル」と「多様性」がキーワードなのだそうです。

KPMGイグニション東京という新拠点の話もしています。

(メッセージに日付が入っていないのは減点)

あらた監査法人

代表執行役 木村 浩一郎、および執行役副代表 木内 仁志のメッセージ

「私たちは昨年「PwC Aarata Vision 2025 デジタル社会に信頼を築くリーディングファーム」を策定しました。設立以来、最も大切にしている「品質の追求」を引き続き最優先の戦略としたうえで、「トラストサービスの拡充」も戦略として掲げました。従来から私たちが行ってきた財務諸表監査は企業の公表する財務諸表の適正性に対する意見表明、すなわち「信頼の付与」であり、社会の強い期待とそれに応える私たち自身の信頼確立が必須であることに変わりありません。監査法人のガバナンス・コードの適用など、品質の維持・向上のための施策を確実に実行しています。

それに加え、世界は急速にデジタル社会、データ社会へと変貌を遂げ、私たちの生活にもその波が押し寄せています。拡大するデジタル社会においては、財務諸表以外にも様々な情報やデータに対する「不安の除去」や「信頼の付与」の要請も年々強くなっています。私たちが社会に信頼を構築することに貢献するため、企業などが自らの作り出す情報やデータの信頼性を高めることに対する「支援」やセキュリティの確保、情報やデータが取り交わされる「基盤の創生」によって、私たちは社会の重要な課題を解決していける存在でありたい、と考えています。そして、自らがデジタル社会においても最大の価値を創出できるように、3つ目の戦略を「デジタル化とデータ活用」として、自らの業務のデジタル化、データ活用も強く推進しています。」

財務諸表監査だけでない信頼性付与全般に関与していくということのようですが、やや抽象的な話のように思われます。

新日本監査法人

理事長メッセージ

「EY新日本は、EYの海外メンバーファームや、EY Japanにおける税務、トランザクション、アドバイザリーを担う各メンバーファームとの連携を一層強化し、クライアントに高い監査品質とより充実したサービスを提供してまいります。

社会が監査法人に求めているもの、それはゲートキーパーとして資本市場の健全な発展に寄与することです。EY新日本は常に高い品質の監査を行うため、多様化し複雑化するビジネスを理解し、より深度ある監査を実施していきます。また、先端デジタル技術を積極的に活用し、それを可能とするプロフェッショナルの育成により一層力を入れ、ビジネスのグローバル化とデジタル化が加速する日本企業を支援してまいります。」

監査の話がいつのまにか、企業への支援の話になっています。また、やはり、EYとの連携を強調しているようです。人材育成は、デジタル技術活用の手段という位置づけでしかふれていません。(メッセージに日付が入っていないのは減点)

監査法人トーマツ

包括代表からのご挨拶

「トーマツは監査・保証業務及びリスクアドバイザリー事業を両輪とした法人運営を実施し、それぞれの強みを結集することで企業価値の向上と資本市場の発展に寄与する事に努めています。そのためには、各事業において、このような環境変化に適切に対応するべく新たな取り組みや変革を実施します。

昨年より「監査トランスフォーメーション」と名付けた監査業務の変革に注力していますが、今年はその動きを更に加速させます。具体的には、テクノロジーを用いた業務の標準化・効率化・高度化、監査品質のリアルタイムでのモニタリング、デロイトグローバルと協調して開発を進めているテクノロジーの積極利用、さらに人材こそが高品質な監査の基盤であるという命題の下、種々の能力開発等によるタレントモデルの進化を推進していきます。

また、監査アドバイザリー室を新設し、高度・複雑な会計基準適用に関連する業務等の監査周辺業務を推進しています。監査・保証事業本部とリスクアドバイザリー事業本部とで緊密にコラボレーションしながら、品質を最優先としたうえで、より付加価値の高い業務を提供することで、監査品質を一層向上させることを目指します。」

トーマツが求める「タレントモデル」とはどのようなものなのでしょう。(「多様性」とは逆方向?)

長ければよいというものではありませんが、4法人の中では、新日本がやや内容が薄いようです。
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