春
奈美は感動を覚えた
待てどこない洋介を思う日々
それは突然だった
お腹の子が蹴った？
" あぁ～洋介の赤ちゃんがお腹を蹴った "
この感動を伝えたい
思いは募るが、ウウムの動きが怪しく日本を震撼させている
洋介はきっと、この事件に没頭している事だろう
カルト教団の存在は権威
私には臆病な洋介
頑張ってるだろうな
日に日に大きくなるお腹
(ノ⌒∇)ノ*：・'゜☆。.:*:・'゜★゜'・:*:.。.:*:・'゜:*
守るものが居るって幸せ
洋介がいたら、もっと幸せ
貴方のパパは、やっぱり臆病
奈美だけではない
会いたい
仮に新しい恋人がいたとしても、きちんと顔を見て謝りたい
正直に逃げたんだ俺
妊娠の言葉に頭が真っ白になったのは本当
卑怯者
最低
職場に公休を願い出た
このまま最低な卑怯者の俺でいたくない
駄目もとで、正直な気持ちを伝えたい
門前払いを覚悟し洋介は札幌行きの飛行機に乗った
奈美と連絡が途切れて４ヵ月
許してくれとは言わないが、心の内を全て吐き出して
思う存分に思いを伝えられるだけで良い
歳の差分、臆病だった事を謝りたい
大人として誠意を伝えなくては
会ってくれるだろうか？
洋介は奈美のいる北海道千歳空港に降り立った
奈美
許してくれなくて良い
奈美の美しい顔を見れたら満足
もしも俺をまだ愛していてくれたら
無理だろうな
最悪な結末と、自分勝手な思いが交差する
会わせてもらえなくても
俺が訪ねてきた事だけでも知って欲しい
奈美の両親は、歳が離れすぎてショックを受けるだろうか？
奈美の父親は45歳だと言っていたっけ
" 俺と4歳しか違わない "
タクシーで奈美の住む実家に向かった洋介
白いマタニティードレスを着て静かに過ごす奈美
静寂な住宅街に奈美の実家はあった
ここまで来た
奈美は居るだろうか？
会ってくれるだろうか？
両親にどう喝されて門前払いだとしても悔いはない
大きく深呼吸し
玄関のインターホンを鳴らした
*：・'゜☆。.:*:・'゜★゜次回は最終回'・:*:.。.:*:・'゜:*♪
