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配当控除とふるさと納税

 所得税の確定申告と住民税の申告で配当所得の申告の仕方を変えると、ふるさと納税の限度額がいくらか分かりにくくなる。その辺りのことについて書いている。


ふるさと納税は制度としてはちょっと疑問

 まずは、ふるさと納税制度について思うところを少し書くので、そういうのはどうでもいい方は、読み飛ばして下さい。

 以前の記事(住民税が減ってふるさと納税が楽しめない)の中で、「元々、制度としてはどうなのと思っていたのだが、目先の品物につられて活用してた 」と書いたが、その点について補足しておきたい。

 ふるさと納税の理念としては、総務省のふるさと納税ポータルサイトの理念のページに、『ふるさと納税で「地方再生」』とか『ふるさと納税で日本を元気に!』というキーワードとともに、以下のように意義が書かれている。

   
 出所:総務省|ふるさと納税ポータルサイトhttps://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/policy/

 役所の文章らしいというか、もっともらしい高尚な文面になっている。しかし、端的に言えば、自治体間で競い合って納税者にアピールして住民税を奪い合え、という制度である。そのため、返礼品を競い合うようになってしまい、住民税の一部が通販のようになってしまった。地元の産品が購買されるのならば多少はましだが、それでも寄付金の一部が本来の使用目的以外に使われてしまうことになった。

 理念に沿って、地方出身者が生まれ育った地元を応援するとか、災害にあった地域を支援するという使い方も当然されているだろう。しかし、少ない自己負担で返礼品がもらえるという使い方の方がずっと多いだろうと思う。また、本来なら自分や家族が住んでいる地域をよくするための住民税が流出してしまうというのも好ましくないだろう。
 

ふるさと納税の控除ルール
 
 ふるさと納税は税務上は寄附金控除であることや、収入からいろんな所得控除を引いた課税所得に応じて自己負担が2,000円に収まる限度額があることもよく知られている。それをまとめたのが以下の図だ。




 上記の図があるページには控除額の計算の仕方もきちっと書いてあり、所得税の控除、②住民税からの控除(基本分) 、③住民税からの控除(特例分)を分けて自分で算出できる。ただ、自分の所得税率とか住民税課税用の総所得金額等が分からないと計算できないので、確定申告等をするタイミングでないと正確には算出できない。

 もちろん普通の人は、そんな面倒なことはせず、ふるさと納税の関連サイトで限度額を計算してくれるので、それを利用しているはずである。例えば、ネットでの買い物のように品物を選んでふるさと納税ができる楽天市場では、以下のような詳細版シミュレーターも提供している


 このシミュレーターは、各種の所得や所得控除も入れられるので、ほぼ完璧だと思う。しかし、所得税と住民税で申告内容を変えた場合には対応できない


配当所得の申告

 株式等の配当では所得税と住民税では違う申告方法をとることが正式に認められていて、うまく使えば配当控除で所得税の還付を受けつつ、国民健康保険料を増やさずに済む。そのやり方については、以前の記事(確定申告と配当所得の住民税申告)で書いた。

 今年も 1月に確定申告(還付申告)を済ませ、先日は住民税の申告(配当所得を申告しないことを申告)をしてきた。昨年とは様式が変わっていたが、ネットから所定の様式をダウンロードして記入しておき、確定申告書の控えや特定口座年間取引報告書を添付して提出するだけだ。

 所得税と住民税の申告結果に基づき、ふるさと納税ポータルサイトの計算の仕方に従って昨年のふるさと納税の限度額を算出してみたら2万円だとオーバーだった。手計算だと面倒過ぎるので、エクセル表に必要データを入れておき、ふるさと納税額を入れたら3つの控除額の合計が出るだけの簡単なものを作成した。

 昨年は12月になってから1万円ならふるさと納税しても大丈夫かなと思って実行したが、概ね想定通りだった。


【2021.6.13追記】

 住民税の納税通知書が来ていた。ふるさとの納税の還付額について確認してみた。納税通知書に寄附金税額控除額の行があり、市民税分と県民税分を足し合わせると、7,592円だった。

 所得税の確定申告の際、所得から差し引いた寄附金控除の額は8,000円(=ふるさと納税額10,000円-控除分2,000円)であり、私の所得税率は5%で済んでいるので、所得税から控除された分は400円となる。

 この所得税分400円に住民税分7,592円を足すと7,992円となる。結局、自己負担分は2,008円(=10,000-7,992)に確定した。ぴったり2,000円になっていないのは、税額計算の際に1,000円未満は切り捨てて計算されるためだ。

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