短歌：焼（閏）

夕焼けで血色に染まる万座毛の崖に佇む枯れない花輪




Hail Sathanas.

短歌：小春日和（閏）

疎ましき出世頭の知らぬこと小春日和が春でないこと




Hail Sathanas.

短歌：民（閏）

安いけど気配があってエブリデイ督促状の届く民泊




Hail Sathanas.

短歌：秋（閏）

那須を歩く右手にスマホ左手に秋田プリマのサラダチキンで




Hail Sathanas.

短歌：いる（閏）

乱暴で反抗的な甥っ子に包んで贈る『いるのいないの』




Hail Sathanas.

短歌：定食（閏）

少なくとも二種類はある強者の捕食を描く○肉○食




Hail Sathanas.

短歌：世（閏）

世田谷は呪いのシミの出る壁と云われて行けば目の合うワンコ




Hail Sathanas.

短歌：痛（閏）

ホテル藤川に関して調べたらその後夜通し痛む右肩




Hail Sathanas.

短歌：貯（閏）

昼間でも外れは暗く冱え此の世ならぬ何かの頓田貯水池




Hail Sathanas.

短歌：昼酒（閏）

おはようも言い終えぬまま西日差すアブソルートのエリクスは咲む




Hail Sathanas.

短歌：着（閏）

ｉＰｈｏｎｅのオープニングが響く夜 道に面した壁の中から




Hail Sathanas.

短歌：エロ（閏）

占い師ｼｴロ先生がすっぴんで出てきた家の苗字が江口




Hail Sathanas.

短歌：曇（閏）

一抹の疑懼を脳裡に浮かべつつ勝ちを嘯く曇天の下




Hail Sathanas.

短歌：軒（閏）

引っ越したのにお隣の軒先で目の合う吊るし雛が同じで




Hail Sathanas.

短歌：銀杏（閏）

客先で恥を掻かせて下さった上司のバッグに落とす銀杏




Hail Sathanas.