時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

曼珠沙華の里 巾着田

2022年09月24日 | 旅のつれづれ

多摩爺の「旅のつれづれ(その17)」
曼珠沙華の里 巾着田(埼玉県日高市)

混雑が予想されていたシルバーウィーク(敬老の日の三連休と、秋分の日の三連休)だったが、
台風が列島を直撃してしまい・・・ 雨、雨、そして大雨、さらに強風だから、
やっとコロナ禍が落ち着いてきたというのに、またというか、否応なしに自宅待機である。

とはいえ・・・ こんな天候だから、きっと空いてるんじゃないかと思って、
三連休と三連休の間のウィークデーに、雨が上がったもんだから、ちょいとお出かけ、
目的地は、約500万本の曼珠沙華が群れ咲く、
日本最大級と評判の・・・ 埼玉県日高市の巾着田(きんちゃくだ)である。

北多摩からだと、西武鉄道の所沢駅を経由して秩父方面に向かい、
飯能駅を過ぎて二つ目の・・・ 高麗(こま)駅で下車すると、
歩いて15分ぐらいで「巾着田・曼珠沙華公園(入園料500円)」が見えてくる。

付近を流れる高麗川が大きく蛇行し、その地形が巾着に似ていることから「巾着田」と呼ばれており、
約3.4ヘクタール(34,000㎡)に、約500万本の曼珠沙華が群生している。
34,000㎡といってもピンとこないが、80~100㎡の住宅なら約400戸だから、
高層マンションが、まるまる1棟ぐらいのスペースである。

うちのマンションが平均90㎡ぐらいで250戸だから、全室が曼珠沙華で埋め尽くされても、
まだまだ足りないし・・・ 視覚で捉えられる範囲は一部分であり、
そのスケールは、恐ろしいほどデカい。

そういった光景だけでも・・・ 圧巻だが、
高麗川は、宝石のように美しい「カワセミ」の生息地でもあり、
運が良ければ、水辺に居るかもしれないんだから、ちょっとワクワクする。(居なかったけど)

そうそう、この花を私は好んで・・・ 曼珠沙華(マンジュシャゲ)と呼んでいるが、
正式には、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草で、彼岸花と呼ぶのが正解らしい。

都会の公園や、遊歩道などで見かける曼珠沙華は、彼岸花といっても気にならないが、
私の頭の中に残ってる曼珠沙華は、田んぼの畔や、お墓の周辺で見かけたイメージが強くあり、
女房から誘われなければ、好んで見物に出かけるような花ではなかった。

葉っぱが1枚もなく、茎がすっと伸び、その先端にロゼッタ状に開いた花びらは、
なんて言ったら良いんだろう・・・ 少し不気味な感があり、
お彼岸の頃に咲くことから、イメージ的にも暗くて、
強烈すぎるほどに、色鮮やかだが・・・ 美しい花だと思ったことはなかった。

一方で曼珠沙華という呼び名は、仏教の経典によると・・・ 天界に咲く花との意味があり、
めでたいことが起こる兆しに、天から赤い花が降ってくるとの教えもあるらしく、
イメージ的にも、陰から陽になることから、私は好んで曼珠沙華と呼ぶようにしている。

また、曼珠沙華には・・・ なぜ葉っぱがないのか?
植物の成長に必須の光合成は、いったいどうなっているのか?
昔から、それが疑問で・・・ そのことを、なにげに女房に話したら、
「そんなことも知らないの?」とバカにされたが、サクラ(ソメイヨシノ)と同じだからと、
いとも簡単に応え、60年来の疑問が解けたんだから・・・ 驚きを隠せない。

ソメイヨシノは、春に花が咲き、散った後から葉っぱで出て、半年かけて光合成をして、
秋になると枯れて散り、ひと冬を越して・・・ また春になると花を咲かすが、
曼珠沙華は、秋に花が咲き、散った後からに葉っぱが出て、半年かけて光合成をして、
初夏になると枯れてしまい、ひと夏を越してから・・・ また秋になると花を咲かすらしい。
早い話が・・・ ちょうど半年ほど、開花のサイクルがずれているとのことだった。

さらに「花は彩りで分るが、葉っぱは周辺の草花と同化してしまうので気がつかない。」と、
女房は自信満々に応えると「田舎者だと思って、バカにしちゃいけないよ。」と続けた。
別にバカにしたことはないが・・・ 気分が良さそうな顔をしてたので、
つまらぬ突っ込みは、機嫌を損ねるので止めておいた。

そうなのである。
曼珠沙華の葉っぱって・・・ そういうことだったのである。

そりゃそうだろう、草むらの葉っぱを指さし、
「あれは、曼珠沙華の葉っぱだから」なんて言ってる奇特な人は、見たことも聞いたこともない。
申し訳ないが、曼珠沙華の葉っぱなんて、知ってる方が珍しく、
知らない人の方が、圧倒的多数なんだから・・・ 知らないで当たり前である。

とはいえ・・・ 長年の疑問が解けるって、ホントにスッキリする。
さすが、我が女房である。
座布団10枚かな?

閑話休題
今日(9月24日)は、59年前に55歳で亡くなった祖父の命日であり、
翌25日は、昨年91歳で旅だった・・・ 義父の命日でもある。

遠くに住んでいることに甘えてしまい、
先祖に感謝し、供養せねばならない彼岸に、墓参りに行けず申し訳ないが、
仏壇に「おはぎ」を備えるので・・・ それで勘弁願いたい。


見渡す限り朱色に染まった・・・ 曼珠沙華の群生地

よおぉぉく見れば、葉っぱがなくて花と茎だけ・・・ いつ、どうやって光合成してるのだろうか?
それが分らなかった。

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