時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

沈丁花(じんちょうげ)

2022年03月10日 | 四季おりおり

多摩爺の「四季おりおり(その26)」
春の香り 沈丁花(じんちょうげ)

実家の玄関先で、芳醇な甘い香りを漂わせていた沈丁花(じんちょうげ)
父が生前育てていた鉢植えの沈丁花が、ちょうど咲き始めていた。

それは、ちょうど昨年の今ごろだった。
父の葬儀を終えた後・・・ 休む間もなく母と一緒に、
市役所や年金事務所で、さまざまな手続きをしたり、お世話になった病院へのお礼や、
満中陰志の手配などに出かけて、くたくたになって戻ってきたとき、
甘い香りに惹かれ、ふと目をやった玄関先で・・・ 沈丁花が咲いていた。

いつも楽しみに拝読させていただいているブロガーさんの記事にも、
沈丁花が紹介されていたことを思いだし、
そういえば・・・ 昨年も写真を撮ったはずだと、ケータイのフォルダを探したら、
あまりにも下手くそな構図で撮ったものが見つかった。

四季の国に、香りで季節のバトンを繋いでくれる・・・ 四種の香木
春の沈丁花、夏の梔子(くちなし)、秋の金木犀(きんもくせい)、冬の蝋梅(ろうばい)

昨年は辛い年となり・・・ 沈丁花が咲く頃に父が逝き、梔子が咲く頃に義母が逝き、
金木犀の香りが漂うころに義父が逝っている。

実家で一人暮らしをしている母のことが、この冬は特に気にかかっていたが、
なんとかかんとか、蝋梅の咲く頃を過ごしてくれ、元気に春を迎えることができたようだ。

いい歳して、花言葉だなんて言うような柄じゃないが、
沈丁花の花言葉は・・・ 一年中、緑の葉をつける常緑樹ということに因んで、
栄光、不滅、永遠だと言うから・・・ なんともはや頼もしい。

いかにも父らしく・・・ 剛毅だと思うのは、私たち家族だけかもしれないが、
花が大好きな母は、沈丁花の香りに和みつつ・・・ 父の面影に浸っているだろう。

たぶん、そうなんだろうと思うが、
はたして実態のほどは、どうなんだろうか?
聞いてみたくもあるが・・・ ドライな母のことだから、
聞かない方が良いのかもしれない。


ケータイで急いで撮ったので、構図が下手くそだが・・・ 忘れられない花になった。

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