時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

出羽の秘湯 鶴の湯温泉

2020年02月24日 | 旅のつれづれ

多摩爺の「旅のつれづれ(その1)」
出羽の秘湯 鶴の湯温泉(秋田県仙北市)

例年なら・・・ 積雪は2メートルをゆうに超えるらしい。
背が高い大人でも、スッポリと埋まってしまうほどだ。
そんな雪深いところに、
東京駅から約4時間、新幹線とバスを乗り継いでやって来た。

なんでも揃い、なに一つ不自由のない東京から北に向かい、
盛岡駅を過ぎて進行方向を西に変えると、

赤や黄などの濃い色味は、途端に薄くなり始め、
白と黒に彩られた・・・ 水墨画の世界が車窓に広がる。


やってきたのは・・・ マイナス4度まで冷え込んだ、羽州秋田の山懐

お目当ては、四種類の源泉を持つという・・・ ひなびた温泉宿

山裾まで積もった雪を背にして、
夜空を眺めながら露天風呂に浸かって、心と体を癒したあとは、

地元ならではの味付けで、飾り気はないものの、正直な田舎料理に舌鼓を打ち、
囲炉裏ばたで暖を取りながら、少しだけ酔っ払って、いつもより早めの床に就いた。

この時期でないと味わうことができない、
不自由という言葉のなかに秘められた・・・ 贅沢の極み。


改めて・・・ 自由で便利で、文化的に過ごす日々の生活が、
如何にありがたかったのかを痛感する。


難儀なことは、ここまで来るのに、相応のお金と時間を使ったことぐらい。
それでも、それだけの価値が・・・ ここにはあったと思う。


混浴露天風呂
白濁の湯の底には玉砂利が敷かれ、足の裏が心地よい。
この感触は・・・ ちょっと、はまるかもしれない。

乳頭温泉郷 秘湯・鶴の湯温泉 秋田県仙北市田沢湖田沢字先達沢国有林50
見渡す限り・・・ 白と黒が彩る水墨画の世界
鶴の湯温泉は、乳頭温泉郷のなかで最も古い歴史(1680年代、江戸時代・元禄のころ)がある。
秋田藩主の湯治場としても利用されており、
警固の武士が詰めていた茅葺屋根の本陣は、約350年の歳月を経て人気の湯宿になっていた。

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