多摩爺の「時のつれづれ(葉月の26)」
アフガニスタン脱出作戦
イスラム原理主義勢力タリバンに、実権を奪われたアフガニスタンが・・・ 風雲急を告げている。
タリバンの報道官は、外国の軍隊の撤収期限を今月末(31日)とし、
駐在員などの退避についても、同日(31日)までならと退避を認めているが、
期限を過ぎれば・・・ 結果(武力)をともなうと警告をだした。
それを受けた、この国の防衛大臣は、
現地で働く邦人と、サポートしてくれた現地の人々を退避させるために、
航空自衛隊の輸送機を派遣する命令を・・・ 即座に下している。
さらにタリバン報道官は、日本メディアの取材に「われわれは日本人を保護する。」と述べ、
現地の日本人などには、退避しないよう呼びかけたうえで
「友好的で良い外交関係でいたい。」と主張したが、
その一方では・・・ 「軍の駐留は好ましくない。」として、
国外退避の支援などのために派遣された自衛隊には、厳しい目を向け早期の撤退を求めている。
どこまで、ご都合主義なんだと呆れてしまうが、
彼らの土俵に乗っかってることもあって、ルールは彼らの手中にあり、思い通りだから、
理解しがたいなんて言っても・・・ そんなことが、まかり通るわけなどない。
それにしても・・・ 防衛大臣の命令は早かった。
いままでなら、他国の軍隊を頼って、飛行機に便乗させてもらっていたところを、
自衛隊の輸送機を飛ばしたんだから、当然と言えば、当然なんだが、
やっと、普通の国になれたのではなかろうか?
それもこれも5~6年前に、民進党(いまの立憲民主党)、共産党、社民党などの野党が、
戦争法だとのレッテルを貼り、国会や官邸を取り囲んで、
大反対の気勢を上げたなかで制定された「平和安全法制」が・・・ あったればこそだと思う。
いまのところ・・・ 野党の幹部たちは、このことに関して沈黙を続けているが、
改めて、あのときの大騒ぎは、いったいなんだったのか?
総選挙の前までには、キチンと説明する責任があると思うがどうだろう?
ただ、この法律には「安全確保」が担保されていないと、
自衛隊を派遣できないという矛盾が残されている。
安全が確保されてないから、自衛隊が行くのであって、
安全が確保されているなら、民間の航空会社に要請すれば良い。
平和ボケしてると、そこんとこの認識が・・・ どうしてもズレてしまうのだ。
今回はタリバンが8月末までと言う条件付きで、
外国人などの退避を認めたから、安全が確保されたということになるが、
これがなければ、在留邦人を助けるには、都度都度の特措法が必要となり、
自衛隊機が現地に向かうのは、かなり遅れていただろうし、
手遅れになっていた可能性も否定できない。
そう捉えれば・・・ もっともっと議論を深める必要があり、
矛盾をなくす努力をしてほしいと願ってやまない。
現実的には、退避する邦人等は約500名だというが、
空港はアメリカ軍が安全を確保しているものの、
退避予定者が空港まで辿り着けるかという難題が・・・ クリアされたわけではない。
自衛隊員は法律によって、空港敷地内から出ることができず、
空港の外まで、退避予定者を・・・ 迎えに行くことができないのである。
よって、既に国外へ退去していた大使館員が再び戻ってきて、その役割を担うわけだが、
空港まで道にはタリバンの検問があり、
武器を持ってる末端の兵士が、すんなり検問を通してくれる保証はどこにもないし、
もっと厄介なのは、タリバンに紛れて市中に潜み隙を窺っている、
過激派に洗脳された者たちの存在で、彼らが引き起こす自爆テロもあることから、
まさに、命がけの救出劇である。
さらには、国外に出たいアフガニスタン国民が、空港周辺には山ほどいて、
群がるという例えは適切ではないが、
自衛隊機に便乗して避難を求める、善良なアフガニスタン国民への対応も無視できないだろうし、
月末までのカウントダウンは、容赦なく時を刻み・・・ いくら心配しても尽きることはない。
現地の大使館員や、救助に当たる自衛隊員には、なんとか頑張ってもらい、
任務を成功させてほしいものの、
老婆心ながら・・・ もう一つ、別の不安がないわけでもない。
それは、正義感に溢れたジャーナリストやカメラマンが、現地に残る選択をした場合
彼らの処遇をどうするのだろうか、ということで、
きっと彼らは・・・ 「事件は現場で起こっている。」と言い、
「ジャーナリストならば、現場で起こっていることを世界に配信する責務がある。」と訴えるだろう。
自己責任という四字熟語には、なにをしても自由だからとも取れるし、我が儘で良いとも取れる。
我が儘を通すのなら、誓約書を書けというのも一つの手だが、
こういった現場において、一筆取ったからそれで良いと言うこともあり得ず・・・ 頭が痛い。
責任感に溢れ、あまりある情熱を持ったジャーナリストを、悪く言うつもりはない。
とはいえ、イスラムの兵士のなかには、跳ねっ返りの集団もいて、
必ずしも上意下達の一枚岩とは思えず、
ジャーナリストたちに、報道の自由があったとしても、跳ねっ返り集団が問答無用で彼らを捕まえ、
身代金を要求してくるパターンは容易に想像できるだろう。
いずれにしても・・・ 残された時間は5日しかない。
既にさまざまなパターンで、空港で待つ自衛隊員のところまでの、
輸送シミュレーションが検討されていると思うが、
失敗が許されない、厳し過ぎる任務を、一滴の血を流すことなく完遂されることを祈念したい。
週末から週明けにかけて繰り広げられるであろう、アフガニスタンからの脱出作戦
そこら辺りの、吹けば飛ぶような爺さんだが・・・ 気になってしかたがないので記してみた。
ガンバレ! 自衛隊
ガンバレ! アフガニスタン大使館
吉報を待っている。
この度も、何度も頷きつつ拝読しました。
多摩さんがいらっしゃると、より多角的に世の中を見ることができるので、幸いに存じています。
アフガン情勢は、主に新聞からその情報を得つつ、イメージしつつ、考えています。
まずは、関係する方々の無事のご帰還、祈念するばかりです。
朝のニュースを見ると、イスラム国の自爆テロが起こり、ますます混迷を極めているようです。
また、アメリカ軍の撤去時期を考慮すれば、外務大臣は27日中に退避させたいともいってます。
心配はつきませんが、なんとか無事に帰国してもらいたいと祈念しています。
何とか脱出してほしいです。
昨夜、寝る前にブログを書いて、今朝(4時30分過ぎ)誤字脱字をチェックして投稿したら、
ニュースでイスラム国の自爆テロをやってるんで、ホントにビックリしました。
私が思っていた残り5日よりも、現実はもっと厳しいみたいです。
親戚や知人がいるわけではありませんが、あのような国に行き使命感を持って汗を掻いてる方々が無事に帰国できるよう、
救助にあたる自衛官と大使館員の方々には、細心の注意を払って頑張ってほしいと思っています。