時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

お怒り、ご尤もだが・・・ 。

2024年01月16日 | 時のつれづれ・睦月 

多摩爺の「時のつれづれ(睦月の45)」
お怒り、ご尤もだが・・・ 。

昨年から約3ヶ月近く話題の中心だったパーティー券のキックバック問題だが、
どうやら・・・ 落としどころが見えてきたようだ。

報道番組やワイドショーで、解説者やコメンテーターが感情に任せて煽りに煽ったもんだから、
国民の多くは、派閥の大もの(事務総長クラス)が逮捕されるか、
逮捕はなくても・・・ 在宅起訴ぐらいはあると思い込んでいたようだが、
拍子抜けと言っちゃなんだが、会計責任者を含む数名の起訴で決着しそうである。

先週末、そういった情報が列島を駆け巡り、週明けの情報番組やワイドショーでは、
能登半島地震に関する報道を割いて、この話題を取り上げたもんだから、
昨日まで応援していたはずの地検特捜部に対して・・・ 罵詈雑言の嵐が吹き荒れてしまった。

そりゃそうだろう。
小出しに情報をリークし、世論を形成したにも拘らず、
結果がこれでは、いったいなにを騒いでいたのかということになってしまうだろう。

さらには、リーク情報をネタにして、メディアの解説者やコメンテーターが煽りに煽り、
勝手に落としどころを決め、連日のように極悪人の如く扱っていたんだから、
国民の多くは、数名の大もの議員が、きっと起訴されるもんだと思い込んでいたところに
土俵際で肩透かしをくらったんだから・・・ お怒りはご尤もである。

法律に違反したら・・・ 相応の罰を受ける。
これは当たり前のど真ん中であり、このことについては全くもって異論はないが、
特捜部が下そうとしている苦渋の決断にも拘らず、
感情に任せて異論を唱え、愚痴と悪口の往復ビンタを繰り返すのは・・・ ちょっと恥ずかしい。

パーティー券のキックバックを受け、正しく処理してなかった議員を庇うつもりなどサラサラないし、
ましてや、それを指示したかどうかが、たとえ曖昧であったとしても、
知りうる立場にあった大もの議員に、責任がないと思ってた国民は、おそらく皆無だっただろう。

そりゃそうなんだが・・・ そもそも政治資金規正法違反は、現行の法律では形式犯であって、
隠蔽など悪質な対応をしない限り、逮捕に至る可能性は極めて低い犯罪であり、
立件されたとしても、公民権停止がともなう罰金刑で、
その対象者は会計責任者であって、金額が大きくない限り立件されることもないらしい。

ただ、形式犯とはいえ・・・ 罰金刑だけなら蚊に刺された程度だろうが、
公民権の停止は、実質的に永田町からの退場宣告であり、
これはこれでけっこう重いこともあり、地検特捜部も慎重にならざる得なかったと思われる。

お怒りはご尤もだが・・・ 事態を客観的に捉えれば、それで良かったとは思わないが、
脱税や贈収賄ではないことを踏まえれば、
地検特捜部のリークと、それに乗じたメディアに煽りに、少し熱くなり過ぎていたように思う。

この国は民主主義に基づく、法治国家であることを、どこかに忘れてきたのかもしれない。
もしもこの国が、法律よりも国民感情が勝って、法治国家ではなく人治国家だったり、
もしもこの国の法律よりも、思想(共産主義・覇権主義)や、宗教(イスラム)が上にあったら、
この国は・・・ いったい、どういった方向で落としどころに導いていただろうか?

後者の例えは極論であって、この国には現実的ではなく、本件とは直接関係ないものの、
一方でこの国の一部のメディアは・・・ レフトウイングに属する解説者や知識人などの声を中心に、
感情に任せて物申す街角の声を、さもそれが全てであるかのように、拾い集めて煽ったことにより、
法律よりも感情を優先すべきとの声が顕在化してしまったが、それって正しいことなんだろうか?

お隣の半島と未だに揉めている、慰安婦問題や、徴用工問題を忘れてしまったのだろうか?
理不尽な判決による、理不尽なレッテル貼りに・・・ 憤りを覚えたはずだが、
メディアが作った高熱にうなされてしまうと、お隣の半島の真似をしてしまうんだから、
なんともはや恥ずかしいし、悲しくなってくる。

政治資金規正法では、政治家を含めた連座制がなく、会計責任者のみが罪に問われるのである。
これこそが、今回の案件の諸悪の根源だと思うが・・・ 如何なものだろうか?
こういった、いい加減な法律を改正することなく、放置したままで、
いまさら法律に書かれてない者に責任(罰)を求めても・・・ そりゃ、無茶というものである。

そう捉えれば・・・ 逆説のようで、けっして良い事例ではないが、
法律に基づいて結論に導く、法治国家のこの国が、
感情に任せて結論に導くような、人治国家でなかったことは、結果オーライといっても良いだろう。

高熱にうなされ続けると、周りが見えなくなるのは、感冒もスキャンダルも大差はないようである。
お怒りご尤もなところに、火に油を注ぐような物言いで申し訳ないが、
なん日もかけて、メディアに煽られたもんだから、
振り上げた拳が下ろせないまま、ストレスだけが溜まり続けてないだろうか?

思うに・・・ けっして「大山鳴動して鼠一匹」だったわけではない。
大ものとして、名指しされてる議員の責任を問い続けた結果として、
彼らを罪に問い、失脚に追い込むことは出来なかったものの、
それに匹敵するぐらいの、途轍もなく大きな社会的な制裁を与えることには成功している。

大物議員のなかには、先々総理を目指すと豪語していた議員もいたが、
罪には問われなかったものの、罪を犯したかのようなレッテルが貼られてしまったのである。
これは、かなり大きなダメージとなると思うが・・・ 如何なものだろうか?

当該政党は、年明け早々から「政治刷新本部」という総裁直結の組織を発足させ、
さっそく最初の会議を開いたが、なんとなくアリバイ作り感が否めないと思っていたら、
そこに持ってきて、状況が変化だから、
せっかく組織を作ったのに、どこまで刷新できるか・・・ 雲行きが怪しくなってきたようである。

個人的な思いとしては・・・ 派閥をなくすことなんてことは、どうでも良いことであって、
派閥があろうとなかろうと、そういった議論は当該政党だけでやれば良いだけで、
国民の一人として、今回の件で声を挙げるとすれば、政治資金規正法をいかに改正するかであり、
お金の流れの透明化と、違反した場合の罰則強化に尽きると思っている。

現行の法律で立件することが不可なら、立件できるように法律を改正するしかない。
具体的には、以下の三点を織り込んだ改正にして欲しいと願ってやまない。

一点目は、複数ある財布を一つにすることである。
いまは政党支部、資金管理団体、後援会という最低でも三つの財布があるはずなので、
まずこれを・・・ 一本化することを求めたい。

二点目は、お金の流れを透明化することである。
寄付やパーティー券の購入にあたっては、現金を禁止して振り込みとすること、
また、ペーパーをスキャニングしたPDF形式の「政治資金収支報告書」を廃止して、
デジタル化(システム化)し、当該収支が記載された通帳のコピーを添付することである。

最後の三点目は、独立した監査機関を設立し、半期毎に監査報告を行うことを義務づけ、
不透明と思える報告書があった場合は、当該議員に対して説明を求める権限を持たせるとともに、
その内容については修正を含めて、随時国会への報告を義務づけてほしい。

さらに、報告書へ記載された事項の責任は、
会計責任者が悪意を持った単独犯でないかぎり、当該議員を加えた連帯責任とし、
公民権停止などの行政訴訟を起こす場合は、連座制とすることを明記していただきたい。

あえてもう一つ、付け加えるとすれば、
政治資金報告書への不記載を咎める隠匿罪を、新たに作ることが出来ればありがたい。
もちろん故意によるか否かを見極める必要はあるが、罰金ではなく、懲役に問うことが出来れば、
会計責任者はきっと・・・ もっと良い仕事をするのではなかろうか?

そんなこんなで恐縮だが・・・ 派閥の大ものたちは、黒なのか白なのかと問われたら、
私的には、限りなく黒に近いグレーだと思っている。
ところが法律は「疑わしきは罰せず。」だから・・・ 黒じゃない限り、罰せられないのである。
だったら、法律を変えるしかないだろう。

とはいえ、グレーを罰する法律は「疑わしきは罰せず。」がハードルとなってありえないので、
グレーをなくして、黒か白かの法律を作るしかなくなってくるのだ。

そういった視点で捉えるとしたら・・・ そろそろ頭の中を切り替えて、
そもそもこういった問題は、どうすればなくなるのか、そこんとこに知恵を絞って欲しい。
大もの議員や地検特捜部に、罵詈雑言を続けても、
法律を変えない限り、なにも変らないと思うが・・・ 如何なものだろうか?

来週末に国会が始まれば、野党はここぞとばかりに、この問題を追及してくるだろう。
厳しく法律を改正することこそが・・・ 問題解決の対案になるというのに、
政権交代が託せるような健全な野党なら、対案を提案し論戦を求めるはずだが、
スキャンダル追及のプロとなってしまった野党に、それを求めるのは酷なことかもしれない。

大ものとされる方々は、派閥のトップ(前衆院議長、元総理)の指示だったと云ってるらしい。
そう云われても、すでに故人だけに、死人に口なしだから、
「そりゃ、狡いよ。」と思うものの・・・ まっ、そういうことになってしまうんだろう。

国会が招集されるまで・・・ あと10日、
あくまでも検察サイドからのリーク情報に基づいた、マスコミサイドの報道であって、
正式に立件を断念したとの一報があったわけではないので、
この先どうなるかは・・・ いまのところ、だれにも分からない。

とはいえ、リークを巧みに使って世論を操ってきただけに、
ひょっとしたら、リークで落としどころを探ってる可能性がないわけでもないだろう。
時間的に見て、これから一波乱があるとは思えないが・・・ さて、どうなることやら?

これから先は・・・ 「同じ穴の狢(むじな)に見られたくない。」と言い切った、
連立を組むパートナー政党が、改革の鍵を握っていると思うが・・・ 如何なものだろうか?

怒りというか、いささか呆れてしまって、思いの丈を綴っていたら
毎度のことで恐縮だが、ダラダラとした長文になってしまった。

そろそろ締めるとするが、ここで記したことは、あくまでも個人的な思いであって、
コメントを頂戴しても、議論するつもりはないので、
かってではあるが・・・ ご理解いただければありがたい。


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12 コメント

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Unknown (wada67miho)
2024-01-16 07:01:28
多摩爺さま

怒り狂ってる庶民の一人です。仰るようにザル法が悪いのですが、彼らが自分等が捕まらないように作った法律ですからね!
市長や公務員は少額でもバンバン捕まるのに、国会議員は余程の事がないと立件されない。一時ネットで流行った上級国民になってます。だから、世襲議員が大きな顔をし、政治を家業とするおよそ世界の民主主義国には見られない現象を普通と思うケッタイな国になっている。
世襲は東アジアの国々に多いですね。突飛なことを言えば自民党と中国共産党はどちらも国民政党で、似ていた。こんなに敵対するようになったのは、自民党が安倍政権で極端な保守になり、中国共産党が世襲の習近平で極端な権威主義になったからだと、僕は見ています。亡くなった李克強が主席だったら、こんなことになってなかったと思いますけどね。
まあダラダラ書いても仕方ないのですが、今、一番民主主義が生きているのは台湾じゃなかろうか。絶対に中国と一緒になるのは嫌だから総統は民進党、市民の生活を良くして貰う為に民進党に議会の過半数を渡さない。絶妙なバランスですね。投票率も高い。アメリカなんか分断して民主主義がおかしくなっている。新自由主義で我慢のならない金権主義の格差社会。日本もそうなってませんか、と僕は言いたい。
Unknown (多摩爺)
2024-01-16 07:31:16
和田さん、おはようございます。

仰るとおりです。
本件に対する思いは全く同じです。
個人的には悪いことをしなきゃ、世襲でもだれでも構わないとは思ってますが、
先々のビジョンを掲げて、今なにをすべきかを語ってくれる、賢い政治家が出てくることに期待したいと思っています。
Unknown (aoisora725)
2024-01-16 08:23:24
多摩爺さん おはようございます。

私は知識不足で漠然とは認識していても
多摩爺さんのようにここまで掘り下げて考える事ができないのでお恥ずかしい限りです。

しかし拝読させて頂き、なるほど、なるほど 
そう言う事かぁ と思いました。
政治・政治家に期待する感情がほぼゼロに近いし、腹は立つけど『結局そうなるのね』といつも思わせられるので、腹を立てるのも疲れます。
会社組織でも、部下がしでかした不祥事に頭を下げ、トップの責任として退任・解任・減給などの制裁を受けます。
しかし政治家は、かの田中角栄さんの名言
『記憶にございません』やら
『秘書がした事で、、、』等と言い
結局下の者が身代わりにさせられるように
思えます。
サスペンスドラマに出てくる政治家は、自分の立場を守る為に、悪を暴こうとする人や
目撃者を殺したり怪我を負わせたり、隠蔽工作します。
『私を誰だと思っているんだ!
 私に令状を突きつけるとは失礼極まりない
 ‼︎』
と、悪事を働いていても警察に圧力を掛けて
黙らせる と言うようなお決まりの場面があります。

殺人や怪我を負わせて黙らせるような事は
現実の世界ではしていないでしょうけど
それに近い事はしているんだろうなぁ
と思えます。

本当に国民を思い、真っ当な政治をしている人物なら
あの人相にはならないと思うし、俳優の如く帽子を斜めにかぶってコートを着てマフラーを首からかけ、自信がないのを衣装で隠して大きく見せているだけにしか見えません。
中身がないのにカッコだけつけて何がしたいんだ? と、あの口をへの字にしてさも正しい事を言ってるトップの座から降りようとしない、降ろさせない無言の圧力を掛けているだけで、ドラマの世界と何ら変わりない と思います。
あんな格好で外交に出かけて、恥ずかしくて見てられません。
部下はトップの尻拭いをする為の道具。

悪い事をすれば罰せられるのは当然の事です。
会計担当がした事とは言え、堀さげて原因を調べ、芋づる式に悪事に加担、指示した者まで罰を受けるべきです。

こんな考えになっているのは、マスコミに煽られての事かもしれませんが、
事あるごとに出てくる思いは変わらないです。
ため息しか出てきません。
しかし、天国のような国ではなくても
平和に何とか生活出来ている事には
なんだかんだ言っても、あの政治家の人達が居るからだと思うので
そこだけを見ると『ありがとさん』とは思います。

締まりのない思った事を綴っただけのコメントでごめんなさい🙇‍♀️
Unknown (百畑キクリ)
2024-01-16 09:04:16
@aoisora725 政治家=「美味しい職」になっていますよね今の日本は。
規正法もそれを承知で、抜け道として作らているので、起こるべきして起きた事件ですね。
ネット社会になった今、議員の存在意義さえ疑問視されてきます。
今のように多額の国費をかけて議員を優遇する必要があるのか考えなくてはいけない時期に来ていると感じるのです。
Unknown (多摩爺)
2024-01-16 09:20:14
aoisora725さん、おはようございます。

お怒り、ご尤もです。
もともとがキチンと記載していればなんでもなかったお金であり、
お金については、与野党問わず頻繁に修正があるようなので、金額の大小をいったら収拾が付かなくなります。
よって、お金の流れが透明化されれば済む話しだと思っています。
注目すべきは、ザルだった法律をどこまで改正できるかで、そこに期待するしかないでしょう。
与野党問わず議員さんは、悪いことをする奴らを見つけて罰するよりも、
悪いことが出来ない仕組み(法律)を作るよう尽力すべきだと思っています。
Unknown (多摩爺)
2024-01-16 09:51:46
百畑キクリさん、こんにちは

政治、経済、環境、外交、さまざまな差別などなど、
インターネットが加速度的に普及し、あっという間にグローバル化が進んだことを振り返れば、
いろんな事柄が過渡期にあるということなんでしょう。
そう捉えれば、なにかあったとき、どうあるべきか、どうするべきか、ネットに頼らず、自分で考えて行動できるか否かが大事で、
地味なことですが、家庭での躾と教育に光を当てることを疎かにしないでほしいと願っています。
おはようございます。 (Jiro)
2024-01-16 11:19:17
世の中で勘違いしている人は多い。法律がいつも正しいか?法律を作ることが出来るのは「政治家」だけです。庶民が何を言っても法律を作れない。

理想を言えば、カネと政治家が繋がるなら企業であれ個人であれ、全てのカネは禁止すると経理事務作業もなくなります。政治資金は国民の税金から妥当だと思う金額を支給する。これ以外は禁止です。

最も怪しいのは企業・団体・組合連合・宗教・赤旗新聞収入 & etc、全て禁止すると、どの政党も同じ資金で平等に土俵に乗れます。

但し、政治家は「個人」ですから政党助成金を禁止して政治家・個人に支給する。これでないと、政党の実力者に逆らえない?これでは意味がない。

従って、「派閥」ではなく、「出入り自由な政策グループ」での活動を有効にして欲しい。コメントは書いてもキリがありませんが、現実的な可能性はゼロです。こんなのは夢のまた夢です。

所謂、魚屋の店主が「猫」です。これが大問題だと思います。なので、国民及び庶民の手を離れ、永遠にこの状況は解決できない。

怒るというより、怒っても、時間と労力の無駄だと理解すべきではないかと思います。出来るとすれば、批判的に考える勇気ある人が政治家になるべきです。

いつもながら失礼しました。適当にご理解下さい。
Unknown (多摩爺)
2024-01-16 11:44:33
Jiroさん、こんにちは

様々な角度から捉えたコメントを頂戴し、ありがとうございました。
参考にさせていただきます。
Unknown (yoko-2-1)
2024-01-17 06:55:23
多摩爺 さん
おはようございます。
読んでくださりありがとうございます!
さらに嬉しいコメントありがとうございます( ^_^)
いつもこちらこそ多摩爺 さんのご投稿にお勉強させていただいております(*^^*)
励みになるコメントありがとうございます!
Unknown (多摩爺)
2024-01-17 07:27:06
yoko-2-1さん、おはようございます。

今朝のyoko-2-1さんの記事は、ここ最近ちょっとモヤッとしていた出来事の核心を突くものでした。
こちらこそ、ありがとうございました。

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