魚の名前は内地でも地方ごとに異なる(方言による)呼び名があるものが多く、ウィキペディアで魚の名前のページを見るとだいたい主な方言名が載っている。中には沖縄と似た呼び名をするのもあって、九州など沖縄から近い南の方に多い。
沖縄料理の「アバサー汁」で知られる「アバサー」はハリセンボンのこと。体が針で覆われていることから「ハリセンボン」と呼ばれている。実際に針が千本あるかというとそうではなく、千本の半分以下で350~400本とのこと。
タカサゴはウチナーグチで「グルクン」。確か「グルクン」の標準語名は「グルクマ」と本に載っていたような記憶もあるけど、調べてみるとタカサゴとグルクマは別の魚だった。グルクマは熱帯魚で日本では南西諸島だけで見られる魚で、和名は沖縄での呼び名に由来する(沖縄では「グルクマー」と伸ばすことが多い)。
タカサゴはスズキ目タカサゴ科、グルクマはスズキ目サバ科。
シイラはウチナーグチで「マンビカー」。九州などでは「マンビキ」と呼ばれ、漢字では「万匹」「万疋」と書かれる。ハワイ語ではmahi-mahi(マヒマヒ)で、マンビキ、マンビカーとちょっと似てるね。
英語ではdolphinfish(ドルフィンフィッシュ)。Dolphinはイルカだがシイラのことを単にdolphinと呼ぶこともある。ハワイ語のmahi-mahiが使われることもある。
オジサンは長いあごひげがあり、顔が人の「おじさん」に似ていることからその名が付いた。「トリビアの泉」という番組で取り上げられたことがある。スズキ目ヒメジ科。「オジサン」という正式和名が決められる以前から「オジサン」の呼び名は存在し、ヒメジ科の近似種に対しても使われた。
ウチナーグチでは「カタカシ」。沖縄の伝統的な成人男性の髪型である「カタカシラ」と名前が似ているので、それに由来するのかしらと思ったりもする。「おじさん」つながりだしね。
奄美諸島では「カタヤス」と呼ばれる。
ビンナガはスズキ目サバ科マグロ属の魚。漢字で書くと「鬢長」で、「ビンチョウ」や「ビンチョウマグロ」と呼ばれることが多いが、正式和名は「ビンナガ」だ。
シラウオとシロウオは違う魚なんだって。シラウオはもとから聞いたことがあるけど、シロウオは先週ラジオで初めて聞いた。シラウオはキュウリウオ目シラウオ科、シロウオはスズキ目ハゼ科。漢字で書くとシラウオは「白魚」、シロウオは「素魚」(白魚ではない)。名前も見た目も似ていることから混同されることもある。シロウオのことを「シラウオ」と呼んだ地域や、逆にシラウオのことを「シロウオ」と呼んだ地域もある。
シラウオとシロウオ、どちらも半透明だが、シロウオの方が透明度が高いかな。色はシラウオは白に近く、シロウオは赤みがかった感じ。
踊り食いで有名なのは「シロウオ」だ。一方、「シラウオ」は生でも食べられるけど踊り食いはできない。勘違いから「シラウオ」を踊り食いしてしまって中毒を起こすケースも。シラウオとシロウオは名前に関しては本当に混同されることが多いようで、ユーチューブやレシピで「シラウオの踊り食い」「白魚の踊り食い」と表記しているのが多く見られる。
兵庫県には高砂市に姫路市と、魚の名前にもある名前の市が二つあるね。市の名前の由来と魚の名前は関連性はなく偶然だけどね。そのうち「高砂」は魚のタカサゴと漢字表記も同じ。
魚のヒメジは漢字では当て字で「比売知」と書く。ちなみに兵庫県の地名と魚、両者とも旧仮名遣いは「ひめぢ」だ(「比売知」という漢字から「ひめぢ」だったと想像がつく)。
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