マンダリンとは中国の官僚のことで、彼らが着ていた(オレンジ色の)服の色と似ていることから。中国の官僚が話す言葉ということで、標準中国語のこともマンダリンと呼ばれるようになった。
そもそも中国の官僚を指す「マンダリン(mandarin)」の語源は、サンスクリット語由来のマレー語でマラッカ王国の支配階級を指した単語で、それがポルトガル語に取り入れられ、西洋に広まった。もともとはマラッカの官僚を指した言葉だったが、のちに主に中国(清)の官僚に対して使われるようになった。
ちなみに、ヒンドゥー教や仏教における「真言」を意味する「マントラ」とは同じ語源。
「マンダリン」の語源について、上記の他に「満州の重要な人」という意味で中国語の「満大人(マンダァレン)」に由来するという説もあるが、誤りである。しかし、この語源説や意味の連想から中国では「マンダリン」に「満大人」という漢字を当てることがある。
もし「マンダリン」の語源が「満大人」だとしたら、満州族の言語は満州語で、漢族の言語が漢語であるため、マンダリンを漢語(中国語)の標準語を指す言葉として使われている点はすわりが悪い。
清朝の言語事情はどうだったかというと、清は満州族の王朝だが人口は漢族の方が圧倒的に多く、満州語と漢語両方とも清の公用語だった。政府で使われる言語もむしろ漢語の方が満州語よりも比重が大きかったと思われる。
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