宮城県 松島ハーフマラソン 完走記

宮城県　松島ハーフマラソン　完走記

午前５時に起床、大宮から新幹線、仙台からは仙石線に乗って、終点「高城町駅」に向かう。

仙石線は依然として不通区間が存在。仙台からは高城町駅までしか行けない。
またこの不通区間はルートを変える可能性が高く、今、沈黙している駅舎が
全て復活するかは微妙のようだ。


この大会に出るのは２回目。前回はもう５，６年前のような気がする。当大会は昨年も開催。
しかしハーフ部門は中止。今年、ハーフ部門が復活した。しかし東松島市内の道路状況は
今も一部悪く、コースを一部変更。今回は陸連非公認大会となった。


ハーフスタートは10:50。号砲。雲も少なく晴れ渡った。


コースはとにかく平坦な箇所が少ない。




私もいろいろと各地のハーフマラソンを走ったが、今回のコースは経験上、
もっとも負荷が強い大会に思えた。

登れば下りの繰り返しである。しかも登り坂はカーブになっていて、最高点が
最初は見えないということもあって、心理的にも負担が高かった。

登りきって、さぁ下りだ！と一息入れようとすると前方にまた登って行く
ランナー達が見えてきて、走りきれるのか？と若干不安になった。

スピードは抑えめにして、1km：5'30をメドにした。


高城町−手樽−陸前富山−陸前大塚−東名ー野蒜といった仙石線の不通区間近くを走る。

松島町を出て、「東松島市」という標識を通過。いよいよ被害甚大だったところを走る。
上り坂になって頂点付近から町を見下ろせた。

今でも厳しい景色である。仙石線の電柱はなぎ倒されたまま。
綺麗な家々も海側は削り取られたまま。ブルーシートもかかっていないので、そこには
誰も住んでいないのであろう。

震災一週間後に現地入りした時の衝撃、また野蒜地区でのボランティア作業を思い出す。
微力ながら現地で片付けの手伝いを何度かしたが、野蒜地区での作業は一番、心身に堪えた。


また東名運河では保安庁等の方々だろうか、いまなお、ボートから潜水し、捜索を継続していた。

その間近を我々は今回走ったのである。

走りながら、なんとなく罪悪感のような気持ちにもなったが、野蒜駅近くで


「皆さん、走ってくれてありがとう！」


と手書きで書いたスケッチノート等を手にした応援集団が沿道にズラリと並んでいた。

思わず胸が詰まった。


そして野蒜駅の前を通過。駅は朽ちかけ、目の前のスーパー等は傾いたままである。
この周辺は住民がいないのではないか？と思うほどの静けさ。ランナーの足跡のみが響く。


そして折り返し地点。ここに大型バスが10数台並んでいて、観光者が来ているのか？と
思いきや、それは収容バス群であった。

私がゴールして1時間後、このバス群がゴール地点にやってきた。私が数えた限り、9台。
ハーフマラソンでこんなに収容されるのは聞いたことがない。しかし大会側はそれを予想
していたかのような対応だった。それだけ難コースだったということだ。

ハーフマラソン後半。今まで走ってきた道を折り返すのだから、足の負担はかなりのもの
となった。歩き出す者、ストレッチする者が多い。フルマラソンの35km地点のようだ。
私も15km過ぎに一瞬、太もも裏が痙攣して焦ったが、すぐ戻って事なきを得た。


東松島市を出て、あとはゴールの松島町のグラウンドだ。

最後の２つの坂道は、ニッポンランナーズのあの「岩名の坂」に匹敵するような強烈さを
感じた。もはや足は出来上がってしまっている。

あとは気力で進むしかない。

ゴール地点の応援はすさまじかった。

松島ハーフマラソン、1時間48分でここに気合いの完走！タイム的にはベストの頃と
比べると18分も遅いが、現状で精一杯の走りをした。


そして、ハーフ部門を復活させた大会運営に改めて感謝。

ゴール後は、通常は達成感で一杯となるが、今回は特に感謝の気持ちが強かった。
ゴール後、深々とコースに一礼。

ありがとう！松島ハーフマラソン！