高橋のブログ

不定期に..

【都民交響楽団 第117回定期演奏会を聴く】

2014-03-03 07:17:59 | 日記


ワーグナー「パルシファル」から

「第1幕への前奏曲」、「聖杯の騎士への行進曲」、「聖金曜日の音楽」

ブルックナー「ロマンティック」

指揮:末廣誠

2014.03.02 すみだトリフォニー

知り合いのヴィオラ奏者さんからお知らせを受けて、鑑賞してきました。都民響を聴くのは今回で2回目。
昔はいろんなアマオケを聴いてきましたが、もう近年はアマオケ鑑賞も極力絞っています。
その中で、また聴いてみたい!と思ったオケの一つが、この都民交響楽団。新響等と同様にオーディションで選抜された精鋭陣。
アマオケには勿論、オーディションのない開かれたところも多いですし、そこでの楽しさもたくさんありますが、
私は近年、音楽を高技量で厳しく追究していくアマオケに関心が強くなりました。


その高技量集団アマオケの一つ、都民響ですが、このオケは何といっても平日水曜日の午後6時30分から練習というところが凄いです。
ノー残業dayの企業も少なくないと思いますが、それでもなかなか...。皆さん、よく仕事・家事と両立しているなぁと思います。


都民響のオーディション応募資格の一つに

「各楽器の基礎演奏技術を十分に修了した方で、定められた日時の練習と都民交響楽団の活動に確実に参加できること」

とあります。技量ではオーディション(課題曲は協奏曲等)に合格しても、水曜日午後6時30分前には確実に練習場にいないとダメ!
ということ(どうしても出張等で休む場合は、代奏を知人に頼むと思いますが、なかなかその時間は厳しいでしょう)。

チェロ奏者などは楽器を通勤時に持参するのでしょうか?ホルンだって大変。ソフトケースで通勤電車に乗るのは自殺行為でしょうし。

いやはや大変。


曲目ですが、最近はワーグナーの「パルシファル」もよくアマオケの定期に乗るようになってきたように思えます。
「パルシファル」自体は私が書くまでもなく、ワーグナーの超大作ですが、そこからの数曲だけでも、
このようにあちこちでアマオケで演奏されるようになってきたことは本当に喜ばしい限りです。

オケの弦(特に低弦団員の見事な充足ぶり!!)に導かれたワーグナーの調べは、重厚。
本当に都心には、いくつこのようなトップアマオケがあるのだろう?と感じました。

昨日、つぶやきましたが、終演後、すぐ拍手する人(クリングゾルか!バルコニー席、コントラバス付近の頭上あたり)がいて興ざめ。
本当に槍でやっつけようと思いました。


後半は「ロマンティック」。冒頭の「原始霧」の音程からしてお見事。そしてソロホルンの女性奏者が、極めてお上手!
全体でも非常に安定。他のHn奏者よりも数段上といっては、失礼かもしれませんが、その域に達していました。

この曲におけるホルンについては長く語りませんが、とにかくソロは静寂の中で、ポ~ンと吹くパターンが非常に多いです。
一般に第1楽章が有名ですが、第2楽章だって、ホルンソロは多く、またそれが大変重要です。更にとても怖い!!

過去の同曲の実演ではプロオケでも「ピロリーン!!」って、やってしまった例を何度か聴いています。
今回の方は事故率ゼロでした。そして音色も表情豊か。

日頃、どんな練習をされているのでしょう??学生なら毎日吹けると思いますが、社会人はそういうわけにはいかないし。

防音室を設けて、仕事後、家で日々練習しているのか?。
また腹筋も鍛えているに違いない!!とか、いろいろ考えながら聴いてしまいました。

前回聴いた時(ブルックナー9番)、上手な女性Hn奏者がいるなぁ!!って感じましたが、今回のソロの方と同一人物だったと思います。

次回、都民響を聴きに行く時は、「前回、ロマンティックでソロを吹いた女性ホルン奏者へ!」とメモを貼り付けたお酒を
「花束受付」ブースに託そうとかと思います。


第2楽章の例のVlaも見事でした。相当、練習したんだろなぁ..って想いながら鑑賞。
この楽章後半のクライマックス部分は、もはやアマオケとかそういうものではなく、ブルックナーの息遣いというか、
作曲家の命の鼓動が聞こえてきたような感がありました。

ここまで音楽を表現できるなんて、音大生も、のほほんとしていられないでしょう。

この曲はとにかく長いです。でも第4楽章後半にさしかかるあたりで、私は「あぁ、間もなく終わってしまうのか!!」という想いで一杯。


指揮の末廣さんが、配布プログラムに


「失神覚悟で演奏に臨む。舞台に倒れ込む奏者を見かけたら、身を持ってブルックナーの世界を体現したのだと賞賛してほしい」


と寄稿していました。


確かに曲が終わり、拍手を受ける団員達は、相当な精神状態で演奏したようで、「やりきった!」という満足感と、
「もう一音も出せない!!」といった疲労感?が入り乱れ(^^)。まさにフルマラソンのゴール地点のような(^^;。
客席に一礼し、ステージから去っていきました。

素晴らしい演奏会でした。本当にお疲れ様。
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