高橋のブログ

不定期に..

【新交響楽団 第231回定期演奏会を聴く】

2015-10-13 07:28:45 | 日記

2015.10.12 東京池袋.東京藝術劇場。午後2時開演。

ニコライ「ウィンザーの陽気な女房達」序曲
ベートーヴェン 交響曲第1番

F・シュミット交響曲第4番

指揮:寺岡清高

新響も早いもので来年には創団60周年を迎えるようです。今回は、F・シュミットを取り上げるということで、Tpの倉田さんにチケットを
お願いし鑑賞することが出来ました。1Fの殆ど中央席です。
このホールは私は通常3Fで聴くものですから、このような良席は、慣れていなくて(^^;)。

F・シュミットはもう10数年位前に「ポストマーラー」として騒がれたことがあったと記憶していますが、その割には演奏頻度が
低いような気がします。私も実演に接したのは、新日本フィルが2番を取り上げたのを聴いて以来です(もう10年位前かな)。
第4番というと、メータ・VPO盤、あとはN・ヤルヴィ盤を始め、NAXOSからも出ていますが、まだまだ少ない。
私も交響曲全集は1セットのみ所有。

ヤルヴィ盤を数日前から何度か自宅で聴いて臨みました。

第3番と違って、第4番は曲の深刻さが強く、またそれは演奏メンバーにもかなり負担が強い曲かと思います。
冒頭の長いTpのソロは、マーラー5番どころではない長さ!終楽章のラストも怖い!(^^;)。
またこのテーマは金管、木管、弦にも受け継がれ、またフーガ調になるところも多く、各団員がトップ級の技術を持っていないと
演奏困難なわけで、まさに今の新響が試されるというか、どこまで出来るのか?さすがの新響でも部分的には厳しいのでは?と
開演前は、いろいろと考えていたのですが、それらの不安は見事に消え、また想定以上の素晴らしい演奏だったように思えます。


特にVcのソロ(女性団員)は、余裕の演奏でお見事でした。上手いアマチュアプレーヤーでも、緊張感たっぷりのホールで弾くと、
それだけで例えば音程が上ずったりするものですが、この方は何にも動じず、まさに平常心というか、非常にリラックスした
雰囲気で何度も出てくるソロを丁寧に弾かれていて、驚きの連続でした。コンミスさんのソロも良かったですが、
私はこのVcの方の高い音楽性に感動しました。

この第4番に限らず、F・シュミットの交響曲は、「浄夜」風なところがあったり(シェーンベルクとは距離を置いたようですが)、
あるいはシュトラウスのようなところもあったり、こうして実演に接して、世紀末音楽の延長上にある音楽だなぁと感じる部分も
多かったです。またこれから訪れる不安感というか、解決されそうにない何かが迫ってきているという雰囲気も醸し出していました。

シュミット4番を演奏しましたよ!という、ただ譜面をなぞった演奏ではなく、この曲で何を感じて欲しいのか!
聴衆1人1人に訴えさせる見事な演奏だったと思います。

前半の2曲も快演でしたが、今回はやはりシュミットの演奏に絞って..。

寺岡さんの指揮ですが、指揮棒は使わず両手で。結構、細かく振っていまして、ならば個指揮棒を使ってもいいのでは?と
思ったりもしました。

それと新響は、開演となって各団員が舞台袖から登場する時、すぐに着席はしません。全員、コンミスが登場するまで
各位置で起立のまま。コンミスが来て、礼をしてから全員着席。終演時は全員一礼で解散。毎回、このスタンスですね。
きちっとしているところも好きです。


最後に、1F席には視覚障害の方(及び引率の方)が10組ほどお見えになっていました。
白い杖を持って、引率の方、そして新響スタッフに誘導されて着席。

何年か前の公演では私のすぐ後ろの席に盲導犬がいたことがありました。ワンちゃん、ずっと静かにしていました。
終演後、しっぽフリフリで飼い主さんと出て行ったところも見ました。

視覚障害の方には新響特注の「点字による曲目解説」が配られます。私の近くでも指をなぞってそれを読んでいる方がいました。
点字本は結構な費用が生じます。赤字覚悟!のようですが、アマチュアオケだから、赤字になっても構わないというそのお考えも
素晴らしい。聴衆に100%以上の対応をするアマチュアオケは他に知りません。芥川さんの「音楽はみんなのもの」が、
ここでも実践されているなぁと、深く感動しながら会場を後にしました。

次回来年1月の第232回定期は湯浅さんの指揮で芥川の第1番とエルガーの第2番、楽しみです。その次の第233回どころか、
11月の第235回定期まで決まっているのも凄いです(^^)。


P.S


昨日の演奏会、私の前列のオジイサン、何か演奏中に書き込んでいるのが気になり、ベートーヴェン1番の楽章間に
ちょっと身を乗り出して「確認」してみると、プログラムに「2時06分17秒」とか書いていて(開演は午後2時)
、どうやら各曲(各楽章)の「開始時刻」「終了時刻」を秒単位で書いていました。腕時計で「秒単位」まで正確に!
終わった後は汚い声でブラヴォー(>.<)


LAP??をチェックする聴衆っているんですね。世の中、私には理解出来ない方がいて。

フランツ・シュミットもずっとボールペン握ってましたが、この曲は楽章間の休みはないわけで、また曲を知らないらしく、
どこから第2楽章に入ったのかわからず、演奏中、腕時計をチラリ見したり、ずっとペンを握ってました(^^;)

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