高橋のブログ

不定期に..

【ザ・シンフォニカ 第63回定期演奏会を聴く】

2018-02-13 22:42:15 | 日記


2018.2.12 すみだトリフォニーホール
14:00開演

ラヴェル 「高雅で感傷的なワルツ」
ラヴェル バレエ音楽「マ・メール・ロワ」(ナレーション付)
プロコフィエフ 交響曲第7番「青春」

ナレーション:中井美穂
指揮:矢崎彦太郎

新響、都民響等と並び都内のトップアマオケの一つ、シンフォニカ。今回も鑑賞に赴きました。

矢崎さんは先日、新交響楽団を振ったばかり。短期に関東のトップアマオケに連続客演です。シティフィル定期等で何度か聴いてきた指揮者です。

シンフォニカは聴き始めて27年!。私が初めて当オケを聴いたのは、1991年、森田様がソロを務めた「英雄の生涯」、その時にここまで高位置で
奏でられるアマオケが新響以外にもあるのか!アマオケなめてた!!と強い衝撃を受けました。
今でもあの演奏は覚えています。それからほぼ毎回、鑑賞に伺い、深い感動を与えてくれました。

今回3曲共、フライングヴラヴォー&拍手はなし。聴衆も高いレヴェルでした。
ただ私のすぐ近くの年配の老婦人が演奏中に音を立てながらプログラムをめくるものですから、仕方なく、合間に柔らかく注意しました。

前半のラヴェルですが、色彩感というかそういうものを醸し出すには、各楽器のメンバーがトップ級でないと難しいところですが、
各パートがそれぞれ聴き合い、ラヴェル特有のなんというか、霞がかかっているような大気感、あるいは「子供と魔法」等で聴かれる陰と陽が
とても出ていたと思います。
そもそも、ラヴェルを演奏するのはとても難しいと思うのですが、最近の都民響もそうでしたが、ただ譜面を奏でるだけでなく、
会場の雰囲気までも創出するというその技量には、本当に敬服します。各パートを聴き合いながら、奏でる大切さ。アンサンブル能力が非常に高いことを再認識。

「マ・メール・ロワ」では、中井美穂さんがナレーション。「プロ野球ニュース」が印象強いですが、それはもう何十年も前の話。今は「世界陸上」か..。

可愛らしいエメラルドグリーンの衣装で登場。自分がお姫様、妖精のごとく。それが年齢不相応とは全く思えず、滑舌もよく、
また安定した声量でナレーションをつとめあげてました。矢崎さんが細かく合図をしていましたが、不安を感じることはありませんでした。
やはり本当のプロだと感じました。


それとコンミスのソロが何箇所かありましたが、特に中音域は素晴らしく、あいかわらず凄いお方です。

アマオケのコンミスの場合、どうしても場数を踏んでいませんから、練習時よりも緊張してしまって、うまく表現が出来ない場合が多々ありますが、
何せ2014年の「英雄の生涯」で超絶的とも思えるソロを奏でた金坂様。安定したソロでした。この自信は、どこから作られたのか?

とにかく、アマオケのコンミスの代表的というか、模範的な方だと思います。

演奏はもとより、登場時の歩き方、礼の仕方、微笑み、演奏中の皆への合図、そして発信する安心感(誰からも慕われているような印象)、どれもが素晴らしい。
きっと練習以外でも例えば飲み会等で団員とコミュニケーションを深く取っているはずです。
大して弾けていないお飾り的なコンミスではなく、真のコンミスだということ。中途半端な音大のコンマス、コンミスより遙かに真だということ。

またシンフォニカは、コンミスさん以外にコンマスが複数名いるところも強いです。

さて、後半はプロコフィエフ交響曲第7番。プロコフィエフの音楽は聴き始めるや、なんか変な世界に連れて行かれてしまうような不安さ、不気味さが
ありますが、この曲は割合聴きやすく、第1楽章のあの寒々としてテーマが会場の気温を少し下げ、第2楽章後半で聴衆の目を大きく開かせ、
第3楽章では弦がうねり、最終楽章ではいかにもプロコフィエフらしい快活なマーチ風の音楽が流れ、見事に集結しました。
この曲は静かに終わっていく版と、再びテーマが戻ってきて歯切れ良く終わる版の2つがありますが、今回は後者を採用。

静寂になっていく方向に進むにつれ、各パートは楽器を膝の上などに降ろしてじっと進行を待っていたので、てっきり「静寂版」と思ったのですが、
例えばストバイの最後列の方が不安になってもう楽器を構えないと!!いうお顔で楽器をスタンバイ。
それにつられて周辺の方も..。あ、「静寂版」じゃないんだ!と思いましたが、
コンミスさん始め先頭列の方々はまだ楽器を降ろしたまま。ギリギリになって楽器を持ち上げて一気に弾き始めました。
これ、出来れば、皆で合わせて欲しかったなぁと。

シンフォニカはもうずっと団員募集をしていません。一般に人数が足りないVla、Vc、Cbも高い技量を持った方々で問題なし。
また人数がいるというだけでなく、各自の音量・音程が素晴らしいです。

1987年に青少年音楽日本連合で仲良くなった様々な大学の学生達が今後も一緒に音楽をやろう!ということで創出したアマチュアオーケストラ。
創設30年を超え、このオケの平均年齢は確実に上がってきましたが、トップレヴェルの公演をしよう!という気概を抱く限り、
このオケの心的年齢は1987年時のままかと思います。

仕事等が忙しい中、時間を捻出し、帰宅後に必死に自宅で練習を経て合奏へ。アマチュアオーケストラでも、ここまで表現出来るのは数団体でしょう。
音大オケの演奏もいろいろと聴いてきましたが、それらからは感じられないものがシンフォニカにはあります。
極めて高い技量レヴェルでは音大オケにはかなわない部分は当然ありますが、人生・社会経験の差が演奏に加わるのか、よくわかりませんが、崇高なオケの1つです。

開場前、団員達が外に並んでいる聴衆達への来場お礼に来たり、開場後のロビーでのお礼をしたり、運営に何ら不満はありません。
きちんとマニュアル化されていると思います。

毎回、アンコールをしないというところも素敵です。今回もプロコの余韻に浸ったまま、会場を後に出来ました。

今後も楽しみです。今度は2/25に行われる東京アマデウス管弦楽団定期を久々に聴いてきます。東京マラソン、応援に行けずすみませんです!!


長くなりました。
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