神々の青い海
https://blog.goo.ne.jp/0345525onodera/e/1ea5a81b9ccb2a4bc90494457b972176
南の島のゴーギャン
https://blog.goo.ne.jp/0345525onodera/e/f8547bf8c7c4d55ae5235c1057f8b302
http://web.archive.org/web/20080101064925/http://angel.ap.teacup.com/gamenotatsujin/134.html
才能はあったが絵の全く売れなかったゴーギャンは愛人のもとへ逃避したデンマーク人の妻とは離婚できずに,逃げるように南の島タヒチにやって来た・
フランス第五共和国憲法典72条によれば,共和国の地方団体は市町村(Communes)県(Department)海外領土(Territoires d'outre-Mer)からなっていて,95の県からなるフランス本土とTOM DOMと呼ばれる海外領土と海外県からなっている。タヒチ島を中心とする仏領ポリネシアは日本と南米のほぼ中間に位置し,日付変更線を通過するため日本とは19時間の時差がありシャングリラと呼ばれる最後の楽園でもある。
ソシエテ諸島 ツアモツ諸島 マルキーズ諸島 ガンビエ諸島 そしてオーストラル諸島からなっている。ゴーギャンは所得税もお金も無くても暮らせ、他人の目は一切自分にとって関係ない「平和」と「静寂」を求めて,そこで一生を終えようとタヒチを目指した。
サマーセット・モームの「月と6ペンス」にはゴーギャンはストリックランドとして書かれている。「ストリックランドの悲劇 まさしく悪魔にとりつかれた人間だ。世の中には真理を求める激しさのあまり,目的を達することがかえって彼等の拠って立つ世界を,その根底から覆してしまうような結果になる。そういう人間がいるのだ。ストリックランドがそれだった。ただ彼の場合「美」が「真理」に代わっていただけのことだ。私は彼に対して,ただ深い深い憐れみを感じるだけだ」......
こうしてゴーギャンは拠って立つ世界を覆した結果たった一人という「孤独」を知ることになる。
タヒチ在住のスウェーデンの文化人類学者ベン・ダニールソン(故人)のところへはよく遊びに行った。話しを聞いたり書斎にあった「南の島のポール・ゴーギャン」を読むと案外人生を享受していたようで「月と6ペンス」とはだいぶ違いがあった。デンマーク人の妻と正式に離婚していなかったため ゴーギャンの愛したテフラとの子供エミール・アタイは正式に認知できなかった。アタイは6人の子供を作り,テツアヌイ・ゴーギャンという名の娘がマルキーズ諸島のアツオナに棲んでいた。今頃はきっとアツオナのゴーギャンの墓に一緒に入っているのかもしれない。
ー南と東の軽い微風よ
お前らは,もつれあってたわむれ
わたしの顔を軽くなでる。
ほかの島へ打ちつれて吹きよせよ。
その島で
愛しい木陰にすわっている,
私を捨てた人に会うであろう。
その人に
泣きぬれた私を見たと告げておくれ。
ポールゴーギャン「ノアノア」より
(前川堅市市訳)
下の二枚の絵はレジェ・フェルナンの作品でゴーギャンの手法によく似ている。このブログにも紹介した映画<バレー・メカニック>に参加・制作してからこの手法は消え,いっそうダリ的になった。二番目の作品「読書」は最高傑作と言われる。人物を幾何学的に構成し,色彩は抑制された。新造形主義の影響を受けた。上の作品は「余暇」。この短いぺージを仏領ポリネシア・タヒチで知り合ったスウェーデン人の文化人類学者ベン・ダニールソン氏に捧げる。
ゴーギャンの作品とそのモデルたち
ママと夕食の準備中
ただ今ダンスの特訓中
日曜日の朝 教会へ
静かなクック湾
ポール・ゴーギャンの娘 今は下のヒヴァ・オアの墓で
父と一緒に眠っている。
フランスの植民地哲学は「君臨すれど統治せず」
タヒチを象徴するティアレの花は,白,紅,黄とあるが,白いティアレは強い芳香を放つので名高い。注意して女性を見ると必ず,右か左かの耳にこのティアレかハイビスカスの花をつけている。左側は既婚で声をかけてもダメよの意味 右側は声をかけてくださいの意味 しかしデートに出かけるときは左側にかえたりして,女心はどこでも山の天気である。
フランス人との混血はやや猜疑心が強く,ロシア人とのそれはとびきり美人がおおい 小麦色に日焼けした肌にスパニッシュ・ブルーアイ。楽園に来て生活をする喜びを感じる瞬間だ。
しかしそういう絶世の美女もつかの間の夢。タヒチの娘はタロやウル(芋の種類)が大好きだ。いつの間にか丸太みたいな腕になる。しかしこんなはずではとは言わない。ここではよく食べ、太った女性のほうが尊敬される。
ヒナノ(ビール)を飲み,タマラ料理を食べ,宴も盛り上がってくると,アパリマ(坐ったまま歌う伝統的な歌)が始まる。男女が早いビートで踊るパオアやヒビナウ(性をテーマにした踊り),オリ・パフー(ソロ)がみられる。静かな浜辺で南太平洋の甘美な風に身を任せ,やしの葉のせせらぎがかもしだす子守唄に酔いながら,焚き火でゆれうごく青い海,白い砂浜,山々の中に平和と,幸福と安らぎがあった。
毎年7月14日パリ祭にタヒチでは「ミス・タヒチ」のコンテストがおこなわれる。僕は一度だけ審査員になったことがあった。
前後して「ミスター・タヒチ」のコンテストもおこなわれる。この大会は椰子の木にたわわになっているココナッツをとる競技や素もぐりで魚をついてその量を競ったり「ミス・タヒチ」の選考とは大分違う。
選考審査員は「ややそっちのほうの気」があると噂では聞いていた。
ミスタータヒチは 通称ミスタータネと呼ばれている。
おまけ