ねろーんねろーん
かりかり。(後ろにあるのは旅行かばん)
実は本日、3月7日は誕生日です。ああ、また歳を一つ取ってしまった 嬉しくない
しかも今日は仏滅で、携帯の占いでは最下位。その上、朝から雨だし。いいことない・・・。
現実逃避妄想
ルルーシュinワンダーランド/その11>
「おい!いい加減に下ろせ!」
「大丈夫だよ。君、軽いから」
「そんな事言ってるんじゃない!」
帽子屋と3月ウサギのいかがわしいお茶会から救ってくれたチェシャ猫スザクは、ルルーシュを姫抱きしたまま森の中を走り続けている。
「もう一人で歩ける!」
助けてくれたことには感謝している。しかし、女のような扱いをされていることに我慢がならないルルーシュは、さっきから下ろせと怒鳴っているのに猫スザクはてんで言うことを聞かない。
ちゃんとしゃべれるようになったんだから、体の方ももう大丈夫のはずだ。
「早く森を抜けないと、コスプレ好きな赤毛の白騎士や君を捕って喰いたい3月ウサギに追いつかれる」
だから急がないと。そう言うと、スザクはまたスピードを上げた。
「ほわぁ!」
常人にありえない速度で、しかも時折岩や木の根っこといった障害物をひょいひょいと飛んで避ける猫スザク。
「~~~っ!」
振り落とされそうで怖くて、思わずスザクの首に腕を回してしがみついた。
甘えるようなその仕草が(あくまでスザク目線)嬉しくて、上機嫌な猫スザクはますますスピードを上げる。
「いいかげんにしろーーっ!!」
過ぎ去った風の後、ろーろーとルルーシュの空しい木霊が森の中に消えていった。
「ねぇ、大丈夫?」
「・・・・・・・」
森を抜けた所で、チェシャ猫スザクはようやくルルーシュを開放した。
柔らかな芝の上に下ろされたが、目を廻したルルーシュはそのまま崩れるように倒れた。
(何で、こんな目にばかり遭うんだ?!)
日頃の行い(ゼロ)のせいか?
やりようのない怒りと、ぐるぐると地面が回る感覚にムカムカする。
それでも、さわさわと頬を撫でていくそよ風と若草の爽やかな香り。それに自分を気遣ってずっと背中を擦ってくれる手の感触に、気持ちが落ち着いてきた。
(スザク・・・・)
唐突に泣きそうになった。
こいつはスザクじゃない。スザクは人を樹に縛り付けて、いかがわしい行為を及ぼうとする鬼畜なヤツじゃない。
(※拘束服を着せられ、皇帝に引きずりだされたことをすっかり忘れている)
スザクじゃないんだ。
頭で解っていてもふとしたことで、例えば心配そうに覗き込むその碧の瞳、背中を撫でてくれる手の温もりがスザクとそっくりで錯覚してしまいそうになる。
スザク、とこの腕に彼を抱きしめたい。その胸に顔を摺り寄せたい。そんな衝動に駆り立てられ、たまらなくなる。
(どうして?)
どうして、そう思うんだろう。何故、こんな感情が生まれてくる?。どうして、こんなにも・・・。
こんなにも、スザクが愛おしいと思うんだろう。
「どうして・・・っ?!」
悲鳴を上げる心にこらえきれず、二つの紫暗から涙が零れ落ちた。
「アリス?大丈夫?」
ぽろぽろと涙を流すルルーシュに驚いて、猫のスザクがその身を抱き起こした。
「もう、いやだ。こんなの・・っ、いやだっ」
訳の分からない記憶、それに伴うこの感情。苦しくて、どうにかして欲しくて。
ルルーシュはすがるように、その胸に顔をうずめて泣いた。
続く>
そろそろ公爵夫人とか女王を出さないと。そうしたら終わりに近い・・・かな?