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昔話でーす!

2021-10-15 19:30:00 | 日記

ちょっと長くなりますが、面白い話を一席。


まだ俺がチンピラの頃、兄貴分が一杯飲ませてくれるというので歌舞伎町のある店で待ち合わせということになって、嬉しくて一時間も前から待ち合わせのお店で兄貴分の到着を首を長くして待っていたのだが、当然飲み屋さんだから酒を飲まなければ格好がつかない。

「俺がつく前でも良いから、先に一杯やっていろ」と兄貴も言ってくれていたので、水割りを作ってもらってちょびちょび先にやっていた。


その店は女の子が7〜8人いるお店で、当時店には客は俺一人だけ。

待ち合わせている兄貴分は、とにかくしょぼいことが大嫌いで、何するにしても、特に酒飲む時はしみったれて飲むくらいなら飲むな!と言う人だったので、兄貴がお店に入った時、盛り上がってなかったら何言われるか分からないので、女の子全員テーブルに呼んで、

「さあ、何でも好きなもの頼め!」なんて気合い入れてフルーツのアラカルトまで注文して兄貴の到着を首を長くして待っていたのだが、約束の時間を一時間経っても二時間経っても兄貴は来ない。


当時は今のように携帯なんてあるはずもなく、事務所への電話もとんでもないことがない限りしないこと、と言う決まりがあって、とにかく兄貴が来るまで待つしかないと思いながら、そういえば俺のポケットの中には千円札が23枚とジャリ銭しか持っていないことを思い出してしまったら、もう気が気ではなくなって、もし兄貴に何かあって、どうしても来れないようなことも絶対ないとは言い切れないし、もしかしたら本当によその組とトラブルでも起こしたんじゃないか、などと考えいたが、その心配が当たって、お店の看板の時間になり、ママさんが

「お勘定だけ先にお願い」と言って勘定を女の子に持たせて寄越した。


飲めや歌えやのどんちゃん騒ぎを都合四時間ほどやっていたのだから仕方ないといえば仕方ないのだが、お勘定が書いてある紙を見て、本当に腰抜かしそうになった。そこに書かれていた数字は、20万円を軽く超えていたんだもん。

そりゃあ歌舞伎町でまだ青二才の若造が、フルーツアラカルトからステーキアラカルトまで、飲んで食って、店の女の子総動員でほぼ貸切状態でどんちゃん騒ぎをやっていたのだから、その程度は取られて当たり前なんだけど、ところが俺のポケットには小銭しか入っていない。お店の従業員は俺がお愛想するのを待っているし、カウンターにはガタイの良い、いかついお兄さんがじっと俺を睨んでいる。


なんてことがあったのだが、そのシュチュエーションで俺がどうやってその場を切り抜けることができるのか、兄貴分は俺の技量を試したってわけ。

後で聞いた話ではその店のママさんは兄貴の愛人で、チンピラが組に入ると、必ずこれをやってそのチンピラの資質を試すそうで、俺の実父の組織なのに例外無く、俺も試されたってわけ。


同じことをさせても十人十色、人によっては自ら百十番に電話して無銭飲食でパクられるのも居たらしい。

あー、情けない。笑

大概は仲間かなんかに連絡つけて、金を作らせて持ってきてもらうと言うのが一番多かったらしい。しかし、飲み代持ってこさせると言ったって、20万円をゆうに超えてるのに、そんな金、夜の夜中になかなか持って来れないし。

しかも兄貴が求めている答えはそんな安易な答えではなく、ややこしければややこしいほど良い点数を付けてくれる。


ちなみに俺は考え抜いた挙句、カウンターにいるチーフと呼ばれている用心棒にいちゃもんをつけて、喧嘩に持ち込み、お互い顔が腫れて誰だかわからないくらい殴り合って、最後は道端に転がってた20センチほどの石の塊をそいつの頭にドスンと落として、ようやく俺が勝って、落とし前がわりに

「今日の飲み代はお前が払っておけ、それから今日から俺のことを兄貴と呼べ」と言って無事店を出ることができたのだが、これも後で知ったことだが、そのチーフと呼ばれていた用心棒は兄貴分の舎弟だったんだよね。

兄貴の舎弟が喧嘩に負けるなんてことは、兄貴のプライドが許さないらしく、お前にやるよと言って私にその舎弟を預けてくれた。


そして言わずもがな、

「お前の点数は99点だ」そう言って一番高い点数を兄貴が付けてくれた。

そりゃそうだ、兄貴の愛人のお店で一晩で20数万円使って、しかも兄貴の舎弟までいただいて、飲み代の20数万円チャラにして、実はその後、そこのお店で一番かわい子ちゃんもいただいちゃったし。笑

この記録は当分破られることはなかったみたいで〜す!笑


こうして考えてみると、やくざ社会こそ、資本主義の、そして本物の新自由主義の王道かも知れないね。笑   了。


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