ガラスノココロ③

2008-07-22 19:59:04 | ガラスノココロ
1章 転校生はミスター・ポーカーフェイス

一区内のスピーカーから緊急放送が入った。
「一区内の皆さぁぁぁん。至急講堂に集まってくださぁぁぁい!」
何とも気の抜けた声だ。つ―かムダに元気。

あ、説明しておく。一区とは、第一魔術学校の学区という区域の略だ。
そして、今日から俺と姉貴はここで暮らすことになった。



わたし、猫宮あれれがこっちに来てもうすぐニヶ月。ココのリーダーの仕事にもまあまあ慣れてきた。今日、初めてやる仕事は、転入生の紹介。
はりきっていくよー!!私の中のハイテンションスイッチをマックスにする。そしてマイクを左手に、右手は転入生に向けて、勢いよくひろげて叫んだ。
「きょーから新しくここに入る人達でぇーす!名前は水上華さんと水上龍君どぇーす!」

私の右隣には、めちゃくちゃ長い髪をポニーテールにした眼鏡ちゃんと、男の子にしては長すぎる髪を右横に結ったミスター・ポーカーフェイスが立っている。

「み、み、水上華です。よ、よろしこ願いします」眼鏡ちゃんが思いっきり頭を下げたもんだから髪ん毛がムチのように襲いかかってきた。ひゃぁっ。  
恐っえー・・・。名前決めた。はなさん。緊張してんのね。はなさん。

「水上龍です。よろしく」こっちは全然緊張してない。つーか抑揚無さすぎ。つまんないの。
よし。名前決めた。りゅー。

そーだ。説明を忘れておった。

「えーっと、華さんは高等部三年に、りゅーは中等部二年にきょーから入りぁす」







僕、鹿谷旭。この前あれれちゃんに引き継いだばっかで、うまくいけるのかなーってちょっと心配だったんだけど、すごいや。何であんなにフレンドリーに出来るんだろ。・・・ちゃん付けにされてないのがちょっと羨ましかったりするんだけど。

それより、あのりゅうって子、気になる。何だかかわいそう。ものすごく傷付き過ぎてすさんだ目をしてる。大丈夫かなぁ。



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