地域医療の変化

世界規模の感染症を経て私達がすべきこととは

地域医療構想に今後求められる視点とシステム

2023-06-28 08:27:04 | コロナ禍

国の主導のもと、地域医療構想を推し進めてきた医療現場において起きた「コロナ禍」は、地域医療構想における「病院ごとの役割の特化、分担化」を大いに揺るがす出来事となりました。病床の削減を進めてきた最中に起きた「機能分担が出来ないほどに、病床数が決定的に足りない」出来事は、地域医療構想の弱点を露呈したとも言えます。

こうした危機管理に関して地域医療構想内に想定はなかったのでしょうか。地域医療構想の計画の一環として、コロナ禍以前にも2009年の新型インフルエンザ、2011年の東日本大震災の経験から、「警察・消防や救命救急センター、検査・行政機関の連携確保と健康危機シミュレーション」の内容は盛り込まれていました。

しかしその「具体的な連携方法」などは実施にまで至れる段階になく、結果としてコロナ禍にはノープランで臨むことになってしまったと言えます。皮肉にもコロナ禍が起きた事で、その必要性や計画性の急務、課題の洗い出しが大きく進んだのです。

病床数が足らなかったこと、それ自体も大きな問題ですが、地域医療構想の目的である「年々増え続けている医療費の増加を抑える」ことは今後の高齢化社会に向けて取り組まなければならない問題です。実際に起きてしまった「危機管理」が必要な事態のコロナ禍において、計画はあっても実行ができなかった危機管理を踏まえ、地域医療構想はより「実行」を重視した具体的な連携方法が求められています。