2ショット写真を撮った彼女と
すれ違うたび、恵之助(めぐみのすけ)は
どんな反応をして良いかわからず、
ほぼ無視して通り過ぎる始末。
これが「冷たい」というよりも
彼女には「硬派」で「かっこいい」と映ったのでしょう。。。
恵之助は、日に日に彼女の視線を強く感じるようになっていったのでした。
いつも親友の春(はる)と一緒に、高校から港南台駅まで歩き、
京浜東北線で大船駅へ。
大船駅で東海道線に乗り換え、戸塚駅で下車。
戸塚駅からは、神奈中バスへ乗り自宅最寄りバス停までバスに揺られること20〜30分、
という片道1時間30分の長い通学路でした。
ある日、春とは別に一人で下校した時のことでした。
戸塚駅で下車すると、
タッタッタッタッタッタッタッタ・・・・・
後ろから走ってくる足音が聞こえる。
結構な勢いだったため、驚き振り返ると
例の2ショット写真の彼女がそこにいました。。。。。
「日の丸君、好きです・・・・よかったら、付き合って下さい。」
と、言われるやいなや、
「よくないです!!!」
って、バーって逃げるようにバス停へダッシュ!
な、な、なんてことを〜
恵之助〜
酷い!酷すぎるぞ!恵之助、コラっ
そんな酷い男・恵之助でしたが、
これが初めての告白でしたが、
毎年のように、告白を受けるという
モテモテの高校生生活を送るのでした。
しかしここは
超硬派・恵之助。
愛の告白を受け入れることはなく、
誰ともお付き合いをすることはなかったのでした。
超硬派、というのではなく、
ただ、付き合ってもどうしたら良いのかわからない。
だから「怖い」というのが本当のところの
恵之助なのでした。
何か
自分に今ひとつ自信が持てない。。。。
これが
生命力の不完全燃焼であるなんて
この時には思いもよらず
ただモヤモヤ〜っと
有り余るエネルギーの
やり場に戸惑い、
適当に勉強し
適当に部活をし
適当に友達と戯れながら
恵之助の高校生活は一日一日と過ぎていくのでした。。。。。
つづく。