虹パパの日記〜「きれいなおじさんは苦手ですか?」〜

【小説】日の丸恵之助物語〜第2章〜心身症の整体師編 その1

恵之助、見習い整体師となる。
3年間学校へ通いながら、働いた。

たった1年だったが、営業職を経験していたためか、コミュニケーション能力は他の先生方よりも長けていた。
一応「高学歴」と世間一般的には括られる4年生の大学を出ていることもあり、勉強は得意とするところで、整体の知識はどんどん吸収していった。

恵之助を採用した院長先生は、元々は医師志望であったが、家庭の事情により大学進学を諦めざるを得なくなり、仕方なく整体の道へと進んだ先生だった。

そのため、知識豊富で頭も切れる志も高い、とても素晴らしい院長先生だ。

恵之助は、院長先生に大変気に入られた。

プライベートでもよく遊びに誘ってもらい、夏は海、冬は雪山、春秋はキャンプ、釣りなどなど・・・
いろいろな経験をさせてくれた。

恵之助は、院長先生や院長先生の、世間的に成功している友人たちと時間を共にすることで「自分にはないもの」に憧れるようになっていった。

営業職の1年で心身ともにボロボロになっていた恵之助は、元々母親の影響で健康志向が強く「自分の心身を健康にしたい」という思いもあり、整体師という仕事を第2の就職先として選択した。

院長にも、多くのお客様にも気に入られ、整体の知識や技術もどんどん吸収して、営業職の頃とは異なり、一見順調に見えた恵之助だった。

が、しかし、恵之助の心身は健康になるどころか、どんどんボロボロになっていった。

つづく。

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