「行ってきます!!!」
と元気良いフリをして支店を出ると、
雑居ビルを目がけて歩く足取りは重い。
名刺集めのための
飛び込み営業。
名刺をいただけたら
そこへテレコールする。
そのために
名刺を集める。
良いのかこれが目的で、本当に良いのか?
という気持ちを押し殺して、とにかく
怒られるのが嫌〜
こわ〜い
と、片っ端から飛び込んで、名刺交換をなんとか
どうにかしてもらう。
そのために嘘もつく。
騙す。
これで良いのか?
「水道局の方から来ました」っていう例の騙しの営業手法と変わりないじゃないか。
いいや、それよりも酷いことをしているんじゃないか。
嘘やごまかしがバレると
当たり前だが、怒られる。
「2度と来るな!」
となる。
そんな場所をいくつ作ってしまっただろう?
そんな日々を繰り返す恵之助は
鬼軍曹・高井部長から
「日の丸〜、目が死んだ魚の目になってるぞ」
と、明るさどころか、活気も生気も失っていくのでした。
つづく。