(記事より抜粋です。)
国土地理院(茨城県つくば市)は1日、房総半島沖でプレート(岩盤)境界がゆっくり滑る現象「スロースリップ」を検出したと発表した。「千葉県東方沖で相次いでいる地震は、この現象が誘発しているとみられる」と説明している。
国土地理院によると、房総半島が載る陸のプレートと、その下に沈み込んでいるフィリピン海プレートの境界面で発生。2月26日ごろから通常と異なる地殻変動が検出され、同28日までのデータを使ってプレート境界面の滑りを調べた結果、海底が最大で約2センチ、南東方向に動いたと推定された。同日以降も地殻変動は続いているという。
(感想)
この記事は
2017年7月17日の記事ですが、
大変参考になりました。
「1677(延宝5)年に起こった延宝(えんぽう)房総地震があります。震源は不明確ですが、房総半島沖と考えられます。地震の規模はM8−8.5と幅がありますが、特徴的なのは、地震による被害がほとんどなかったのに、大津波で甚大な被害があったことです」
「明治三陸地震(1896年)も、震度は3−4程度で地震被害はわずかでしたが、大津波で死者・行方不明者約2万2000人という犠牲者を出しました。延宝房総地震も明治三陸地震も、揺れが小さいのに大津波を起こしたのは、“スロー地震”と考えられます」
ちなみに、「スロースリップ」と「スロー地震」は同じ現象ですが、スロースリップの規模が大きくて被害が出ればスロー地震と呼ばれています。
ちなみに、「スロースリップ」と「スロー地震」は同じ現象ですが、スロースリップの規模が大きくて被害が出ればスロー地震と呼ばれています。
「主に津波浸水高を調べましたが、勝浦市で8m前後、御宿町で6〜10m、いすみ市の矢指戸(やさしど)では12.8m、最大は銚子市の小畑池の13.5mという結果を得ました。当時の江戸幕府による調査によると、岩船(いすみ市)という集落で57人が溺死、東浪見(一宮町)では97人溺死といった記録もあります。341年前に房総半島がこれほどの地震津波の被害を受けたことを知る人はあまりいません」
スロースリップだから大地震になるのではありません。スロースリップが大規模化すると、揺れが小さくても甚大な津波被害をもたらすのです。千葉県沖のスロースリップの動向から目を離せません。
スロースリップだから大地震になるのではありません。スロースリップが大規模化すると、揺れが小さくても甚大な津波被害をもたらすのです。千葉県沖のスロースリップの動向から目を離せません。