虹パパの日記〜「きれいなおじさんは苦手ですか?」〜

【小説】日の丸恵之助(ひのまる めぐみのすけ)物語〜その39〜

カンボジアから帰国後、恵之助は
太川店長から退職を引き止められることもなく、
すんなりと会社を辞めることができた。

しかし、今のままの自分ではダメだ。
もっと強くなりたい、ダメな自分を変えたい
という悶々とした気持ちは晴れることはない。

会社の寮にあった数少ない荷物をまとめ、
赤帽で東京板橋から実家の横浜に帰った。

赤帽のおじさんも仕事ができる人らしく、
テキパキと荷物を運ぶ。

こういったできる人の姿を見ることに、
若干辛さを感じるようになっていた。

実家の両親は優しく、温かく息子を迎えた。
特に仕事のことを聞くこともなく、普段通り。
恵之助は心底ホッとした。
実家のお風呂、食事、布団、、、、、
全てが恵之助の深くえぐられた心を癒す。

しかし、3日もすると、「無職で実家暮らし」のままじゃダメだ。
家に居られない、居ずらい、家でじっとしていることが辛い。。。。

とりあえず、散歩に出かける。
時間があるのでどこまでも歩く。
途中、ブックオフに寄って立ち読みなどしたりして、時間を潰す。

そんな毎日の繰り返しだった。

自宅から30分くらい歩いたところに、公共のスポーツジムを見つけた。
30分ウォーミングアップで歩く、公共のジムで筋トレ、帰りにブックオフで立ち読み、
100円の気になった本を買って、家で読む。

そんなルーティーンが1〜2ヶ月続いた。
ブックオフで購入する本が、次第に「自己啓発本」に偏っていった。

このままではダメだ。
今の自分を変えなければ。
焦燥感に駆られる恵之助は、ついに

「そろそろ仕事がしたい!」

と思い立ち、前職の飛び込み営業時、話を聞かせてもらった整体の仕事に就くために始動し始めたのだった。

つづく。


ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「小説」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事