【大雪山国立公園・旭岳情報】穏やかな散策路と登山について

【日付】2019/6/10（月）
【場所】旭岳・姿見の池園地
【天候】曇り時々晴れ
【気温】～9℃
【風速】～6m/s
【積雪】残雪あり

今日は時々陽も射して暖かく、久々にサングラス+薄着で作業をしました。
散策するには、眩しいので”サングラス"、晴れると暑く曇ると涼しいので脱いだり着たりできる”上着”、雪の上を歩くのが不安な方は”ポール” があると便利です。

姿見駅前の雪が融け、木道がだいぶ出てきました。


そこから右に進む姿見展望台への道は、雪融け水で靴が濡れるところが増えています。

駅にあるレンタル長靴(一足300円)をご利用ください。

雪の上にガムが…　持ち込んだものはすべて持ち帰りください。


雪から出ている枝を傷つけないでください。
ハイマツもウラジロナナカマドも、大切な"すがたみの仲間たち"です。


雪と道の境目は特に踏み抜きやすいので、そーっと歩いてください。


ショウジョウバカマは年々密かに勢力を伸ばし、園地内のあちこちで美しい紫色の花を咲かせています。


今年は6/7のブログで紹介したピンク色の花も一輪あるので、ぜひ見つけに来てください！


紫色とピンク色のショウジョウバカマ


雪に溝を掘って、雪解け水を流れやすくしています。


作業をしていたら、群馬からお越しになったというご夫婦とお会いしました。
旭岳温泉のホテルに泊まり、セットになっていた旭岳ロープウェイの券で姿見駅に来てみたら、雪がたくさんあってビックリしたそうです。「来てよかった！」と言われるとこちらまで嬉しくなります。レンタル長靴を借りてすぐ戻るつもりで歩き始めてみたら、思わず一周してしまったとのこと。ほかの方々も、雪や雄大な景色、高山植物や野鳥などを見て楽しまれていました。

姿見階段は現在、雪の坂道で踏み抜きやすくとても歩きにくいです。


姿見階段のこの手すりなんですけど…


トゲが刺さりやすいのでご注意ください。


先日のエゾコザクラのつぼみが開いていました。


エゾノツガザクラの上にタバコのポイ捨て…　携帯灰皿を持参し、歩きタバコもご遠慮ください。


突然、散策路外の土と植物を踏みつけ、軽快に駆け抜けて行く人が…
トレイルランニングでしょうか。姿見の池園地や旭岳は"大雪山国立公園"です。決められた"散策路および登山道"での"歩行"をお願いします。大雪山の山域は、トレイルランニングの大会でも"歩行区域"となっています。
環境省のホームページをご覧ください。

キバナシャクナゲの花にエゾオオマルハナバチが訪れていました。


すり鉢池と鏡池（二つ合わせて夫婦池）の間では、メアカンキンバイがたくさん咲いています。


チングルマの花も見られます。つぼみもたくさんあります。（一面の花畑は7月に見られます）


すり鉢池は、午後の巡回時にカルガモが来ていたそうです。見たかった。。。
ギンザンマシコ撮影のみなさんは、昨日はダメだったけど今日の午後はいい写真が撮れたそうです。

雪の坂道の上りや下りは慣れていないと歩くのが大変ですが、フレッシュで美しい高山植物の花々を見にぜひお越しください。

疲れて姿見駅に戻ってきたら…
おなじみの姿見駅限定・お山の手作りコロッケがオススメです。


今年の新しいメニュー・ウィンナードーナツやソフトアイスもあります。


ソフトアイス（黒ゴマ）


★登山について★（しっかりとした登山装備でお出掛けください）

・現在、（姿見駅から）旭岳山頂往復がオススメです。姿見の池園地は雪がありますが、6合目～山頂間は融けています。視界不良時は夏冬問わず道迷い・遭難の多い山です。好天の日にお出掛けください。

・旭岳山頂～中岳温泉～裾合平の一周コースは、雪融けが進んだ後の6月下旬以降がオススメです。旭岳裏側や裾合平方面はまだ一面の雪です。特に中岳温泉上部は危険な状況とのこと。

・姿見駅から山麓駅までの天女ヶ原登山道も、上部は雪、下部は雪融けで道が不明瞭です。雪がのった藪に道が覆われ、歩くと服がずぶ濡れになることも。6月下旬以降がオススメです。

今日は黒岳まで縦走するという外国人男性2人組がきましたが、靴はスニーカー、荷物もとても少なく、スタート時間も10時頃… 監視員新メンバーのJeremyが、「黒岳に登るなら、車やバスで層雲峡に移動してから行った方が安全だよ」と英語で説明してくれました。

・姿見展望台横にある旭岳石室は緊急避難小屋です。山小屋ではないため、"宿泊や火器の使用は禁止"です。周辺での排泄もご遠慮ください（自然消滅はしません。人が回収しています）。登山に行く際は携帯トイレを持参してください。
上川総合振興局のホームページをご覧ください。

ニュースにならなくても登山での遭難や怪我はとても多いです。
北海道警察ホームページ 安全登山情報 をご覧ください。

事前に情報を収集し、くれぐれも安全に楽しんでください。

旭岳自然保護監視員：羽馬 和美