泣きながら帰った。

明日は、主人の祖母の１３回忌法要。

総勢２５名ほどの親戚が我が家に・・・。

私は、朝から買い物に一人大型ショッピングモールへ買い物に行った。

泊まりのお客さんもあるので
あれこれ買い物をして、カートにてんこ盛りの荷物。
トイレに行きたくなった私は、子供とお母さんが一緒に入れる大きなトイレの個室にカートをゴロゴロ一緒に入れて用をたす。

スッキリ！したところで次の買い物。
店内をくるくる見て手に商品を持ってレジへ・・・
レジには人が何人か並んでいたので待ち時間の間に会計準備をしようと財布を出そうとした。

「え？ウソ！カバンが無い！！！！！」

血の気が一気にひいて
カバンをトイレの個室に置き忘れた事に気ついた私。

人目も気にせず一目散に先ほど入ったトイレへカートを押しながら猛ダッシュした。
運の悪いことに先ほど入ったトイレはモールの端。
今いる場所はその反対側の端。

息をこらしながらトイレに駆け込んで
先ほど入った個室に飛び込んだ。

「無い！」「無い！」「無い！」

「カバンが無い！！！！！」

カバンの中には財布、スマホ、車のキー
財布の中には現金３万ほどとクレジットカード、銀行のキャッシュカード２枚、免許書、保険証、病院の診察券、その他名刺やカード色々、息子から貰った富士山のお守り、大安寺さんのお守り・・・・・

気絶しそうになるが、気絶してる暇はない
トイレを飛び出し
慌てて店内のレジに行き店員さんにカバンの置き忘れが届いてないか聞いた。

店員「カバンですか！届いていません。」

そう言いながらすぐにサービスカウンターに電話を入れてカバンの置き忘れが届いてないか問い合わせをしてくれた。

店員「カバン、届いてるそうです！！！」

私は、店員さんにお礼を言ってすぐサービスカウンターへ

「あった！私のカバン！！！！」


店員「カバンの中身を確認してください。」

中身は全てそのままだった。

店員「カバンを見つけて届けて下さった方は、お礼はいいです。お礼の電話も何もいいです。」と名前も告げずにその場を後にしたのだとか。
カバンを届けてくれた方はどんな方でしたか？と店員さんに聞くと「年配の女性でしたよ。」と。


私は、何度も店員に「ありがとうございました。」と言った。
カバンを届けて下さった女性に直接お礼が言いたかった。

私は、心臓がバクバクしたままエレベーターに乗った。
エレベーターに乗った途端（エレベータの中は私一人）スマホの呼び出し音が鳴り響いた。
驚いてスマホを取り出し電話に出よとしたが何故か着信画面が出なくて私はオロオロしながらスマホのあちこちを押した。
何度も大音量で鳴り響くスマホの呼び出し音。
そのうち呼び出し音が消えた。

エレベーターを降りて
落ち着いてスマホの着信を確認してみたけど、着信歴がないのだ。
電話の画面をよく見てみると私が電話したことになっている。
カバンに入れてあったスマホが誤作動したようだ。
でも、誤作動の電話番号を見ると「７」
一桁の「７」のみ。
「え？」と思いながら車に乗って自宅に向かった。

車を運転しているうちに落ち着いてきて
カバンを届けてくださった方へ感謝の気持ちが込み上げてきて涙がポロポロ零れた。

もし、置き忘れたカバンを誰かにそのまま持っていかれていたら・・・
考えただけで恐ろしい。
言葉では言い尽くすせないほどの感謝の涙が・・・


家に帰ってもドキドキが止まらなかった。
もう一度、スマホの電話発信の画面を見直した。
「７」
一桁だけ数字を入れて電話をかけたら呼び出せるの？
「７」を押して電話をかけてみた。
呼び出し音は鳴らない。
何度も試してみたが何の音もしないし、呼び出すわけもなかった・・・。


エレベーターの中で鳴り響いた呼び出し音は何だったの？
何度も何度も鳴り響いた　あの呼び出し音・・・

祖母の名前は「叶子・かなこ」
かなこの「な」・・
「７」

私の想い過ごしなのか？

祖母がカバンを私の元に戻してくれたのか？
スマホの呼び出し音は・・・
祖母からの・・・


仏壇に手を合わせると
手のひらが熱く、とっても熱くなった。
涙が零れた。


今日、私は泣きながら帰った。
感謝の気持ちでいっぱいになって泣きながら帰った。



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書いてるうちに日付がかわった。
今日の祖母の１３回忌法要一生懸命おつとめしよう・・・。






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