インバウンド消費並みに家庭での無駄遣いが多い国、日本。いったい何にいくら使っているのか?
2024/12/07 12:00 (Finasee(フィナシー))
一年間の無駄遣い、国内全体で「5.8兆円」にも!
「無駄遣いは良くない」と分かっていても、目の前の誘惑に負けてしまった経験は誰にでもあるだろう。または納得して購入したものの、「買わなければ良かった」と後悔したことも、一度や二度ではないはずだ。
株式会社スマートバンクは、「検討が不十分で、役に立っていない支出」と「十分な検討を行ったものの役に立っていない支出」との合計を“無駄遣い”と定義。2024年10月8日公表の総務省統計局家計調査報告8月分のデータをもとに、日本全国で発生する無駄遣いの総額を推計したところ、次の結果となった。
出所:株式会社スマートバンク「『日本全国で発生する“無駄遣い”』に関する調査」
なんと導き出された推計金額は、年間で「5兆円」超え(約5兆7850億円)。これは2023年のインバウンド消費額(約5兆3065億円)※に匹敵するというから、規模の大きさに目を見張る。
さらに内訳を調べてみると、全体のうち45.2%に当たる約2兆6153億円が「無意識な消費」による無駄遣いであることが判明。要するに、約半数が計画性のないまま購入し、無駄に終わってしまったというわけだ。
失敗を防ぐためには、欲求や一時的な感情に流されないことが大切と言えるだろう。購入前に本当に必要かどうかを冷静に考える習慣をつけたり、買い物リストを事前に作成したりと、衝動買いを防ぐ工夫を心がけたいものだ。
※2024年3月29日公表 国土交通省 官公庁「訪日外国人消費動向調査」より
つい浪費してしまう品目とは?
スマートバンクはさらに、20代以上、1951人の男女を対象に、アンケートを実施。世帯単位で無駄遣い額を算出してもいる。その結果、1世帯当たりの無駄遣い額は年間平均で「約10万円」(10万4292円)になることが分かった。世帯構成別に見ると、結果は次のとおりとなった。
出所:株式会社スマートバンク「『日本全国で発生する“無駄遣い”』に関する調査」
注目したいのが「単独世帯」だ。他と比べて世帯人数が少ないことを考えると、1人当たりの無駄遣い額が大きいということになる。
単独世帯の場合、家族にお金を使う必要がない分、自分自身の娯楽や嗜好品への支出が増える傾向にあるはず。また家計を自己管理することになるため、「ちょっとくらい大丈夫」という気の緩みから、衝動的な消費が増える場面もあるだろう。
月ごとの支出目標を設定したり、家計簿アプリを活用したりして、無駄遣いを防ぐ仕組みを作ることを心がけたいものだ。
なお同アンケートでは、無駄遣いの費目についても調査。結果は次のとおりとなった。
出所:株式会社スマートバンク「『日本全国で発生する“無駄遣い”』に関する調査」
無駄遣いが多い費目、1位は「食料」(年間平均2万9449円)だ。
食料は日々の暮らしに欠かせない。物価上昇が続く中で無駄な支出が重なると、家計にとって大きな負担になりかねない。必要以上のまとめ買いや、「とりあえず買っておこう」といった習慣をなくし、無駄な買い物を減らしたいものだ。
さらに2位は「教養娯楽」(年間平均1万7006円)、3位は「保険医療」(年間平均9341円)と続いた。あまり使っていないサブスクリプションを解約したり、加入中の保険内容を見直したりと、まずは簡単に始められることから取り組んでみてはどうだろうか。
節約できたら、何に使いたい? 圧倒的1位は…
同アンケートでは7割超(74.5%)が、「無駄遣いによる支出を今後節約したい」と回答。さらに、「節約したお金で実現したいこと」についても尋ねたところ、次のとおりの結果となった。
出所:株式会社スマートバンク「『日本全国で発生する“無駄遣い”』に関する調査」
1位は「貯金したい」(64.3%)で、6割を超えている。そして2位は「資産形成をしたい ※NISA、株式投資、不動産投資」(31.1%)、3位は「旅行したい」(30.6%)と続いた。
トップ2に「貯金」と「資産形成」が並ぶ結果からは、多くの人が消費よりも将来への備えを優先している姿勢がうかがえる。経済の先行きが不透明な中で、「堅実に資産を守りたい」「着実に増やしていきたい」と考える人が増えているということだろう。
資産形成を進めるためには無駄遣いを減らし、“お金を余らせる”ことが大切だ。特に“無計画で衝動的な出費”は、ちょっとした工夫や心がけで抑えられるはず。節約して浮いたお金を活用すれば、頼れる資産形成の原資となるだろう。
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