熱い魂

2008-04-02 | Weblog
先日テレビでやってた、ある高校の弱小野球部。

公式戦10年間で1度も勝った事のないチーム。

夏の初戦。

2番手ピッチャー、生まれつき右手首から先の無い選手。

キャッチャー、そのピッチャーの双子の弟?だったか兄だったか。

8回が終わり、3-5と2点リードを許す。

9回表最後の攻撃、2アウトランナーなし。

万事休す。

バッター代打。

小柄でメガネ君、3年生。

高校入学時身長147センチ、体重37キロ。

公式戦で初めての打席がこの場面。

アウトになれば試合終了。

チームで一番の努力家。

帰宅しても素振りをかかさずやっていた。

試合に出たこともないのに・・・。

バットを短く持ち、右打席に入る。

初球、真ん中高め。

小さな体で渾身の力を込めバットを振り抜く。

レフト前ヒット!!

あの体では内野を越えるのがいっぱいだろう。

ファーストへ走る姿も何かぎこちない。

でもすごく輝いて見えた。

かっこ良く見えた。

その後、フォアボールとデッドボールで、2アウト満塁。

長打で逆転の場面。

今までこんなに緊迫したムードは感じたことがなかっただろう。

負けて当たり前のチームだったから・・・。

快音が響く。

右中間を破る3点タイムリーで、まさかの逆転!!

その裏、右手首のない左腕がきっちり押さえ、試合終了!!

ベンチからみんな飛び出す。

スタンドで見守っていた、父兄・OB達が大粒の涙を流している。

有名校からしたら、たかが一回戦。

でもこの球児達には、甲子園出場と同じくらいの価値があるだろう。

いや、もしかしたら全国制覇と同じくらいの価値かも。

試合後のメガネ君のインタビュー。

”野球は人生の全てです!!”

かっこいい、すごくかっこいい。

高校生活、1度しか立てなかった打席。

もしかしたら1打席も立てないまま

引退という可能性もあったのに

素振りをかかさなかった日々。

世の中には才能にも金銭的にも恵まれて

有名になっていく選手もいる。

そういう世界とは全く無縁のメガネ君。

でもその一瞬、メガネ君がスポットライトを浴びた瞬間。

やっぱり神様っているのかな・・・。