
奇跡の黄色い羽。
たくとはなが運んできた
願いを叶える羽。
ふーちゃんとダイゴちゃんのママに渡り
ママの願いが叶いました。
こうしてふたりに逢えて
思いを伝えて
大切な事を気づかせてもらえた。
でも、もう時間です。
ママと、ふーちゃん、ダイゴちゃんは
これでお別れしなくてはいけません。
それぞれの場所へ
帰らなければならないのです。
ママはもう少しだけ
ふたりとお話をしたいけど
でも、それは、やめました。
ふたりはまだ眠っています。
とてもしあわせそうです。
きっとママの夢をみているのかもしれません。
ママはしっかりとふたりを見つめ
二度三度頷きました。
ママは今手にしている
黄色の羽をしっかりと握り締めました。
羽は少し揺れました。
その時が来たのです。
ふたりはまた遠くへ。
眠ったまま遠くへ行きます。
もう走らなくてもいいのです。
星屑たちが運んでくれます。
ママはその羽が
自然に手から離れ
砂のように消えてゆくのを
見つめていました。
星屑の川ができ
ふたりを大事に
ゆっくりと
運んで行きます。
静かに時が流れてゆきます。
ママはしだいに小さくなってゆくふたりを見つめ
そして
誓いました。
もう二度とふたりを悲しませないと。
そうして
強く感じたのです。
きっとまた
めぐり逢えると。
あの子達は自分の元へ来てくれると。
その時は
必ず気づいてあげると。
ママはそう誓ったのです。
「ふーちゃん、ダイちゃん、おやすみ」