海がきこえる
を紹介します。1993年に上映された本作。風の谷のナウシカから数えて8作目になりますが、恐らくジブリ作品の中で一番知名度がないんじゃないでしょうか。無論、私にとってはジブリ作品の中で一番好きな作品だから紹介するわけで、拙い記事を御覧いただいている皆様にも知って欲しいと思います。詳しいあらすじ、内容はぜひ御自身で鑑賞して知って欲しいです。
では何が好きなのかというと、言葉や文章にするのは難しいのですが、一言で表現すると「雰囲気」です。
1990年代、私が子供時代を過ごした時代を、おそらくアニメ作品の中で一番上手く表現されています。90年代はあまり良い時期ではなかったと思います。バブルが弾け、消費税が導入され政治不信が高まっていました。しかし、全てが悪かったわけではない。スマホどころか携帯すら普及していませんでしたが。アニメはドラゴンボールやセーラームーン、スラムダンクなど黄金期を迎え、ゲームもスーパーファミコン、プレイステーションなど今に続く日本のサブカルチャー、クールジャパンが華開いていました。
ジブリ公式サイトより転載
この時代を生きた若者は大変だったと思います。氷河期世代で有名ですが、海がきこえるに登場したキャラクターは、今に年齢を当てはめると50歳前後でしょうか。そう考えると何かこのアニメ自体がタイムカプセルのように感じます。
舞台となった高知も良いですし、何よりも土佐弁のイントネーションが大好きになりました。
先程、「雰囲気」が好きなのだと述べましたが、「空気」も良い。アニメの中に流れる「空気」です。何かイカれたことを述べているのかもしれませんが、一年に一回は鑑賞してこの「空気」を感じたくなります。
私がこの作品に初めて出会ったのは確か2010年頃。学生の時、ジブリをコンプリートする過程で出会いました。少し遅かったかもと思いましたが、逆にこのアニメは大人になってから見たからこそ、良さがわかったんだと思います。
宮崎駿監督でもない、高畑勲監督でもない、当時まだ無名の望月智充監督が作り上げた本作はまさに90年代のレガシーなのではないでしょうか。
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