中年女性特有の丸み…
いやぁーーーっ!
ということもあり、
久しぶりにヨガに行けそうな昨日、
ヨガの後のランチ共々
めっちゃ楽しみにしていたのだけれど
朝、義母のお昼ご飯を買いに
コンビニに行ったら、
入り口のところでヨボヨボと
閉まる自動ドアに捕まうとするかのように
不安定に出てきた老婦人。
きちんとお化粧をして、小綺麗な身なり。
ノースリーブのワンピースにローヒールのパンプス。
色白で痩せ細ったその人は
今にも風で倒れそう!
大丈夫ですか、歩けますか?と手を貸すと
私に縋ってようやく数歩、足を進めたが
とても一人で歩ける状態ではない。
お一人?おうちは近くですか、と聞くと
8丁目、と指をさす。
8丁目ならすぐそこだけど、帰れるのかしら?
このまま手を引いて送っていこうと思ったが、とても無理そうだ。
車でお送りしますよ、ここで待っててくださいねと伝え
車を回した。
ところが、乗るのにも一苦労。
椅子にお尻もかけられず、足も上がらない。
荷物と一緒に、なんとか車に乗せて
道案内の通りにゆっくり進むと
「何番目の角だったかしら〜、
ここからもいけると思うけど」と言うので曲がったら
歩道で遮られて先に行けない道だった。
住所、わかりますか?調べてお連れします
と言うと
なにかしらのメモをノロノロと取り出す気配がして
相当な時間をかけて、住所がわかり
ナビ扱う私に
「若い人はいろいろできるのね〜」と感心していた。
…この時点で、私の中では
家に送れば事が済むと信じて疑わなかった。
家に着いて、やれやれ、やっと帰れると思ったら
玄関に鍵がかかっている!汗
「こっちは鍵がかけてあるの、私が出られないように。裏から入ります。」
…?!
この人はいったい…
どうやってコンビニまで行ったのか?
もしかして、黙って家を抜け出したのか!
両手を引いて、ゆっくり、ゆっくり。
裏に回ると、カーテンのないサッシの中に
敷きっぱなしの布団、
お盆に乗った、使ったままのマグカップ、
買い置きのオムツ、が見えた。
着飾った上品な老婦人と
あまりにもかけ離れた光景。
重たいサッシの窓を開け、
台がなければ登れないかと思った高さに
なんとかして腰を下ろし、
じゃあ、と帰ろうとする私に
「待って、靴をお願い…」
靴を脱がせてもらい、
何事もなかったように装うのだろうか。
あー!
いらんことした気がするよ自分!
なんでコンビニで店員に引き渡さなかったのか?
いつもなら通りすがりの面倒なことは
全て見て見ぬ振りをするタイプ。
…そして、そんな自分を毎回悔やんでもいた。
義母と同じようなこのお年寄りを
放っておけなかったんだよ〜
そして
きっとバレたら息子や嫁に叱られるだろう
この人の小さな大冒険を、
こっそり完結させてあげたい気もしてた!
その先が気になるが、あとはしーらない。
よその人には見られたくないだろうその部屋を
私が知ってしまったことは
このまま二人の秘密でいい。
あとで考えるに、
コンビニに杖を忘れたのではなかろうか?
杖なしで、歩けるような状況ではなかった。
認知症でもなさそうだし…
とてもおしゃれで、しっかりしているように見えた。
きっと着飾ってお買い物に行きたかったのね。
だけど、普段は家でお留守番している。
…義母と同じ境遇ではないか!
誰かの助けを借りなければ、
やりたいことも出来ない。
そんな日は、私にもいつか来る。
ヨガには間に合わない時間になってしまい、
休む連絡をした。
今日はきっと、こんな日。
いつも他人に無関心の私が、
なんのご縁か、ご婦人の手助けをして
ヨガを休む。
今日はヨガに行かない、と義母に伝えて
今の出来事を話して聞かせた。
義母は住所が言えるのだろうか?
きっと言えないはず。
スマホを持って出るように言ってあるが、
掛け方を忘れたらどうしようもない。
シールを作って携帯に貼った。
義母はどことなく嬉しそうに
私の隣で編み物ばかり聞いてくる。
私が留守だと、一段しか編めないが
(その段の終わりと次の編み始めを
編み図通りにやらなくてはいけないため、
何度教えても自力では出来ない)
今日はずいぶん進むね。
私も、やりかけのホワイトキルトを始めた。
しばらく隣で教えるつもりで。