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虎口の総統 李登輝とその妻

2014年01月13日 20時51分18秒 | 読書
はなじろうです。

先月旅行した台湾つながりで、
李登輝さんのルポタージュを読む。著者は上坂冬子さん。

李登輝さんは1988年、台湾人として初めて中華民国の総統に就任、
以後12年に渡りトップとして政治の民主化を推進させた。

他国の侵略を絶えず受けてきた台湾の歴史は複雑極まりない。
日本統治時代は日本名を持ち、現在も親日家である李登輝さんでさえも
「日本人による台湾人への差別はあった」とつぶやく。
日本が敗戦して引き揚げた後は蒋介石率いる中国国民党の圧政に苦しめられ、
二・二八事件で台湾人の不満は爆発する。

台北の二二八和平公園で事件のあらましは学んだが、
当時、粛清される危険のあった李登輝さんの回想は生々しく、息をのむ。
いつの時代も立派な人たちがもっとも苦しめられる。

李登輝さんは政治家というよりも、学者の偉い先生という印象。
外省人がほとんどの国民党の主席を務め、総統まで上りつめたのは、
器が大きく、誰しも納得させうる知性にあふれたお人柄によるのだろう。

苦難を共に乗り越えた妻、曽文恵さんとの深い愛情に心が温まります。

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