変化の始まりは令和6年6月24日辺りになると思う。昼は外に出さずに夜の時間、戸を開いて外の時間を持たせていたのだが、普通はじきに戻るか、遅くても深夜位までには戻るビックが、明るくなった朝の5時頃に戻ったことがあった。そんな時間になったのは初めてだったような気がする。それから落ち着きなく鳴くようになったこと。これはヌックにもあったことながら、ひとつ顕著だったのがそういう落ち着きなく鳴くビックが外を目指すように夜カーテンの頂まで荒々しく駆け上がったこと。そういう行動をとるビックを一度も見たことがない。すぐに出してあげたけれども、その後の日においては、夕方まで戻らないこともあった。
ビック
ヌックと一緒ならば落ち着き、ヌックもビックと一緒にいれば落ち着きなく鳴いたりする時間はないのではないかと、一緒になる時間を見たが、どうもそういうことではなく単にそれぞれがそれぞれの理由で夜も鳴いたりしているらしいと思い始めた。特にビックは外で夜中でも鳴き続けるのである。隣家の庭などに行って鳴き続けたりしないかと気になったが、裏庭で鳴くビックに入っておいでと戸を開いても、以前なら突っ走るように戸の間を通り抜けていたのが、動かないでこちらを見上げて鳴いているだけ。全然別なビック。なので何度かは首を掴んで中に入れるしかなかった。ただ玄関に来る時には自分から入ってくる。裏庭だと自分から入らないでこちらを向いたままというのは、かつては自分から入っていたヌックも同じで、こちらを向いたままなのだ。
2020年3月13日 生後13日目のヌック
そんなことで裏から入れられない時には、玄関前に戻った時にヌックを抱いて入れるしかなかった。夜道路を戻る時に近くで声がするのに気づくとヌックで、そのまま後ろをトコトコついてきて、道路から階段を上がり玄関に着いて中に入れたこともあった。外に出すということは場合によっては車道を横切ったりすることもあるということである。一度だけ車は通っていなかったが夜の時間、白っぽい毛の猫が横切っているのを見て、他には近くにそういう毛の子はいない筈、と思っていたらやはりヌックだった。帰る方向なので一緒に戻ったのだが、そういう記憶が外に出すことでの不安を思わせて、出すことには気がかりがあったし、ここのところヌックは外に出していない。
ひとつヌックに特徴的だったのは、こちらが帰る時、玄関のドアーの手前までやってきていることがあること。開いた隙に外に飛び出そうとする。ビックはそういう心配が全くない。ヌックに開いた隙に出られてしまったこともあるのだが、だからといつてどこかに走っていくというわけではない。玄関前で蹲っていたりする程度。なので抱き上げるのは容易なのである。
ビックを外に出すようになったのは夜中に鳴き続けられると安眠できないというのがあつた。その後見ていて思ったのは、発情期に似たなにかがあるのかということ。生まれて8カ月の頃に手術は済ませている。そういうことはない筈なのであるが、異常な感じさえする鳴き方を見せることがある。7月に入って4日、5日と過ぎてきているが、今はほぼ外にいる状態である。入ってくる気配は外から聞こえる鳴き声が近くになる事で分かるので、玄関の戸を開いてあげる。ビックは台所で水を飲んだりいつも食べる場所で与えるものを食べるのだが、落ち着きなく動き、体を休めようとしない。毛がささくれ立つような感じになっていて、いかにも生活の変化を感じさせる。どこでどういう過ごし方をしているのか、毛の見栄えも悪くなっているので、シャワーで洗い、ブラシをかけるなどした。そのあとも室内にとどまることなく、私も止まない鳴き声や動きを見て、外に出してあげることにしてしまう。室内に置いてもなにも変わらないのである。ヌックは昼の時間は、目下のところ押し入れの最上段に場所を決めて、そこから動かない。ビックが室内に来ても無反応。降りてこない。
生まれて以降、ずっと一緒のこの子たちの現在は、およそ考えられないことと言うしかない。ヌックは外に出さなくなっていて、出たそうな鳴き声をあげて窓のそばに行くこともあるけれども、その時だけでじきに忘れたように膝の上に来たりどこかでゴロリとしたりなどしている。だが、現在の感じだとビックが室内に落ち着ける気配は全くない。外にいる猫になっている。首輪はしている。ナヌーもほぼ外にいる猫なのだが、こちらはビックたちの生まれる2年前からいる子。ナヌーとは私とのつきあいの形が異なる。ビックは今のようになってまだ10日ほどでしかない。
発情期の飼い猫というのを経験したことがないので、ビックの鳴き方が普通ではない感じになる時そういうことを思ってしまうのだけれども、2月末に生まれて9月か10月の頃に手術は済ませている。落ち着きなく鳴く理由は分からない。それとは関係なく、ビックはそれ以前、私の顔を見ながら口を開けて2度、3度と鳴き声を上げることのある子だった。なにを訴えてのものか、分かる筈もなく。それにしても、いつまでも今のような状態が続くとも思えない。
手前のサビ猫が前年生まれのナヌーの母親猫であり、
翌年にはビックたちを産んだのです。「フクちゃん」と呼んでい
て、野良猫でした。
ヌック、ビックは母乳で育ったのです。